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米大統領が日本製鉄によるUSスチール買収を阻止!?巨額の違約金が発生か?
皆さんこんにちは!
最近美術館巡りにはまっているインターン生の佐野です🖼
今回は、バイデン大統領が日本製鉄によるUSスチール買収を阻止しようとしているニュースについて解説したいと思います。
買収が発表された当時、僕は就活生だったので真っ先にFA(ファイナンシャルアドバイザリー)はどこの証券会社がついているのかチェックしたことを覚えています笑
2兆円のディールなんてそう滅多にないので、証券会社からしても何としてでも買収を成立させたいところでしょうから腕の見せ所だと思います💪
ところが、一筋縄でいかないのがアメリカですね、、
もし、買収に失敗するようであれば巨額の違約金が発生するといったニュースが連日飛び交っていますね。
そこで今回は、主に違約金に焦点を当てながら本買収案件への疑問を解決していきます!
※本記事で触れる日本製鉄によるUSスチール買収については2025年1月8日時点での情報であり、両社の今後の協議により変更される場合があります。
本買収案件の狙い
そもそも、なぜ日本製鉄はUSスチールを買収しようとしたのか確認しましょう!
前提として、日本の鉄鋼生産量は内需縮小と輸出困難化の2つの理由から、将来的な減少が見込まれています。
内需縮小に関しては、人口減少とBEV化の進展、輸出困難化に関しては、保護貿易化が進む可能性が考えられています。
一方で、米国鉄鋼市場の魅力は以下の3つです。
安定的な需要拡大が期待できる
移民をはじめとした人口増加に加えて、IRA法などに基づく積極的なインフラ投資国内生産の増加ポテンシャルがある
現在鉄鋼輸入国であることから、国内生産のポテンシャルがある中国材の輸入影響を受けづらい
追加関税をかけるなどして、中国から米国への輸出は低位で推移している
このような環境の中、需要が伸びるアメリカでの一貫生産が日本製鉄としての打ち出となったのです!
違約金を支払うことによる損失
さあここらが本題です。
先日、買収規模に加えて米国を代表する企業の買収ということで、バイデン大統領が安全保障上の懸念を理由に買収計画に禁止命令を出しました。
実は、日本製鉄は本買収のために、中国との取引や出資関係を解消して身ぎれいにして臨んでいるんですよね。
例えば、2024年7月のニュースを貼っておきます。
今後は、安全保障上の懸念が争点になると思いますが、これだけ十分に準備して臨んだ上で失敗となると日本からアメリカへの投資は敬遠されてしまうかもしれませんね💦
肝心の違約金についてですが、日本製鉄はかなり前からIRや決算説明会で米政府が拒否した場合においても違約金を支払う必要があると説明しています。
以下は、決算説明会(2024年2月7日開催)の質疑応答の内容になります。
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もし仮に、買収が失敗すれば565百万ドルの違約金を支払うことが決まっています。
決算説明会時の為替では約800億円でしたが、現在の為替では約890億円の損失となります。
しかし、すでに法的措置を取っていることや違約金も織り込み済みであることなどから財務上の影響は小さくないものの、長期的に見たときの影響は軽微ではないかと思っています。
日本製鉄の法務部の手腕に期待しましょう✨
【過去事例】これまでの買収失敗で違約金を支払った他社事例
日本ではあまりなじみのない違約金ですが、アメリカでは米連邦取引委員会などの反対でM&Aが破談となった場合、買い手が売り手に違約金を支払うケースが増えているようです。
例えば、米格安航空会社(LCC)ジェットブルー航空がスピリット航空に6900万ドル、米アドビが同業フィグマに10億ドル、米アマゾン・ドット・コムがロボット掃除機の米アイロボットに9400万ドル支払っています。
この背景には、市場の寡占を警戒する規制当局の動きがあります。
例えば、ジェットブルーによる買収は、「一部路線の運賃が30%上がる」点が指摘され、差し止められました。
買い手側の企業もM&A破談の犠牲者であるのに、売り手への違約金の支払いまで求められるのは少々酷だなと思ってしまいます…
20日の米大統領交代によって進展は?
今回の買収阻止はバイデン大統領によって行われましたが、トランプ次期大統領の意見はどうでしょうか?
トランプ次期大統領もUSスチール買収には、反対の姿勢を示しています。
「関税の引き上げによって収益をあげられるため、今売却する必要はない」といった声明を出しています。
しかし実は、こうした理由はこじつけにすぎないかもしれません。
というのも、米大統領選の激戦州ペンシルベニアに本部がある全米鉄鋼労働組合(組合員数約85万人)が買収に反対しており、その組織票を手に入れたかったという思惑があったためです。
そして今回のバイデン大統領の買収阻止も、次期大統領のトランプ氏に手柄を与えないように行ったとも考えられます。
バイデン氏もトランプ氏も買収に反対するのには、経済合理性を超えた政治的要因が問題の核心にあったので、日本製鉄としては、両国にとって有益であることを主張し続けることが大切ですね!
【まとめ】今後の動向に注目!
ここまで、日本製鉄によるUSスチール買収問題について解説してきました。
日本製鉄に限らず、内需が縮小していく中で、海外へ進出していく流れは今後も増えていくかと思います。
今回のケースをモデルに、ぜひ他国への投資が積極的に行われてほしいので両社が納得のいく決着がつくと良いですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
本noteでは、個別株の分析やインターン生が気になったニュース等を発信しているので、ぜひ他の記事も読んでみてください。👀
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