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おにっ誌 2024/2/6 | 続・Nasdaq100のガチホは正義なのか?~レバ2倍の場合~

まえがき

先月、Nasdaq100のガチホに関する考察を書いた。

今回のおにっ誌はこの続きで、QLD(Nasdaq100 レバ2倍 ETF)の場合はどうなるのか?という内容である。

レバ2倍なので、単純に考えると前回考察パターンの各パラメータを2倍にすれば、有効な比較ができると考えられる。

今回も前回と同様の検証条件とする。

検証条件

データソース:QLD(investing.com NDXヒストリカルデータを利用)
テスト期間:2006年7月~2023年12月
条件:
 ・初期条件:2006年7月の始値で$10,000分の口数を保有
 ・毎年1,4,7,10月の各四半期における始値から一定割合下落で全決済
 ・全決済した場合は、全決済後に残った資金全てを用いて次の四半期始値で再エントリー(買えるだけ買う)
 ・全決済が発生しなかった場合は何もしない(ホールド継続)
比較パターン:
 ①四半期始値から9%下落で全決済
 ②四半期始値から15%下落で全決済
 ③ガチホ
 ④Nasdaq100指数(ノンレバ)ガチホ

ということで、早速グラフを見てみたい。

グラフ

QLD損切りパターン比較

各パターンの最終損益は以下の通り。

  • 比較期間:2006年7月1日~2023年12月31日

  • QLD損切り18%(青線):1万ドル→88.9万ドル

  • QLD損切り30%(橙線):1万ドル→51.0万ドル

  • QLDガチホ(灰線):1万ドル→33.5万ドル

  • Nasdaq100(ノンレバ)ガチホ(黄線):1万ドル→10.6万ドル

QLDのデータが2006年からしかとれなかったので、前回と比較タイムラインは異なるが、リーマンショックはカバーできているので良しとする。

ノンレバ(黄線)のホールドと比べてボラが大きいのは当然として、リーマンショック時に損切り18%(青線)が他の2つ(橙線及び灰線)と比べてノンレバと遜色ないドローダウンであることに注目したい。

リーマンショック発生後(2009年1月~3月)の損益比較

  • QLD損切り18%(青線):1万ドル→0.62万ドル

  • QLD損切り30%(橙線):1万ドル→0.46万ドル

  • QLDガチホ(灰線):1万ドル→0.37万ドル

  • Nasdaq100(ノンレバ)ガチホ(黄線):1万ドル→0.78万ドル


ドローダウンは近しいにも拘わらず、レバレッジファンド特有の上昇時の強さは残しており、損切り18%(青線)の最終結果はノンレバホールド(黄線)の8倍強ものパフォーマンスをたたき出したことになる。

考察

つまり、レバレッジがかかってくると「損切りを置きつつ上値を伸ばす」持ち方の重要性が増してくる、という仮説が浮上してくる。

同じ時期のデータは取得できないので推測するしかないが、今回のQLDの結果から、TQQQもレバレッジに比例した損切りパラメータ設定により高パフォーマンスを出すことが期待できる。

前回のノンレバ検証では、損切りを入れた方がパフォーマンスの改善は期待できるものの、劇的な効果とまでは言い難かった。ところがレバレッジETFでの損切りの効果は劇的と言ってよい水準(QLDガチホ比240%、ノンレバ比800%の期待利益)と思われる。


個人的には、この検証結果があってようやく、しっかりとホールドすることができそうだ。


免責事項
今回の記事は、筆者が自身の運用のために行った検証であり、記載内容に対する正確性を保証するものではありません。また、特定の運用方法を推奨する意図もありません。


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