レイバー・デイって本当に相場が暗転するの?
こんにちは、投資猪です。ジャクソンホールもほぼ無風で通過しましたが、アノマリー大好き投資家にとっては大好物の「レイバー・デイ明けは注意」の季節がやってまいりました。
「そのアノマリー、あなたが言ってるだけですよね?」コーナーが大変好評いただいています(?)ので、今回も実際の結果に基づいてレイバーデイを本当に恐れるべきか検証していきましょう!
レイバー・デイって?
要するに日本人的には新学期の始まる 4月1日みたいなもので、学生のみならず労働者も「よし、また頑張るか」的な区切りの時期と言えると思います。株式市場的には、このレイバー・デイを境にIPOも増えてくることが多く、需給バランスに乱れが生じることもあり、暗転しやすいと巷ではまことしやかに言われています。
さて今回もそれが本当かどうか検証するために、レイバー・デイ直前の金曜日の終値、レイバー・デイのあった週の終値、そして9月の終値をせっかくなので S&P500 だけではなく、日経平均も合わせて拾ってきて検証しました!
結果
1998年から2022年の全25回のレイバー・デイを対象としました。
…え?25回でサンプルは十分なのかって?
意外と地味な作業なので許して下さい。。
本当に相場は暗転したの?
結論から言うとS&P500にしても日経平均にしても「特に決まった傾向は認められない」という結果でした…面白くない。。
S&P500
・レイバー・デイの週の終値が、前週の終値より下がっていたケース
13回(52.0%)
平均騰落率: -0.08%
・9月終値がレイバー・デイ前週終値より下がっていたケース
13回(52.0%)
平均騰落率: -1.37%
…うーん、五分五分やん。。
日経平均
・レイバー・デイの週の終値が、前週の終値より下がっていたケース
10回(40.0%)
平均騰落率: -0.20%
・9月終値がレイバー・デイ前週終値より下がっていたケース
14回(56.0%)
平均騰落率: -0.69%
…うーん、やっぱ五分五分やん。。
じゃあ暗転した時の特徴は?
とはいえ、何か理由が無ければアノマリーも生まれません。悪かった年をピックアップしてみましょう。
S&P500 が週終値も月終値も下落した年:
1999年、2000年、2001年、2002年、2008年、2011年、2016年、2020年、2021年
S&P500 が週終値で下がり、月終値はさらに下がった年:
1999年、2000年、2001年、2002年、2008年、2011年、2021年
お分かりになりますでしょうか?どうもレイバーデイで暗転する年は、要は相場がダメだった年の周辺のようです。(2022年はレイバー・デイの週はプラスで耐えましたが、9月終値では -8.63%と急落しています。)
2000年-2002年:ITバブル崩壊
2008年: リーマンショック
2011年: 欧州危機
2022年: コロナ後インフレ
ただでさえイケてない年に泣きっ面に蜂のごとく、さらなる急落を経験させられることで「9月、イヤだ…怖い」となってしまったのでしょう。
ただし、少し注意が必要そうな傾向としては、相場が急落する年の前年辺りから、9月の空気が悪くなってきているように見えます。
そもそも全体を通しても五分五分という結果の中で、今年は年初から色々ありながらも基本的には株式市場としては良い年と言えるでしょう。そういう意味では今年は過度に恐れる必要はなさそうです。
ただし、もし今年の 9月が良くなかった場合には、来年の相場には注意を…という予兆かもしれませんので、どんな月だったかは覚えておくようにしておくと面白いかもしれません!
今回は大して今後の参考もならなかったかもしれませんが(笑)、ちょっとは面白かったよ!と思って頂けたら、スキやフォローして頂けたら嬉しいです!
ではアノマリーに負けず、9月も頑張っていきましょう!
統計手法を用いて株式市場を分析しております! 参考になる記事を書いていこうと思うので、もし良ければサポートいただけると嬉しいです^^