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米国株投資家は不動産投資をやるべきか

不動産投資に興味を持っている人は多いと思います。

特に米国株への投資をしているほどリテラシーの高い人なら、これまで不動産投資を全くスルーできたはずがない。

じゃあ、タイトル通りですが、米国株投資家は不動産投資をするべきかどうか。

ずばり、答えは以下

わざわざやる必要なし


となりますね。

というのは、初心者が観測できる範囲の不動産投資は米国株より儲からないからです。

僕も実際に現金で築古戸建てを4つ買いましたが、収支のイメージは以下。

物件 300万
購入時の諸費用 30万
リフォーム 100万
家賃 5万

ここに、必ずかかる経費もあります。

固定資産税•都市計画税 年2万
火災保険料 年4万
不動産取得税 6万(1回のみ)

そして、時たまかかる修繕費。これが痛い。

玄関ドアクローザー交換 2万
経年劣化でトイレ便器交換 24万
シロアリ駆除 12万
雨漏りの部分補修 3万

とまあ、こんな感じです。

細かい計算をするまでもなく、S&P500の方が投資したお金は増えます。

なので、不動産投資は「わざわざやる必要はない」というのが答えになります。


レベルアップすれば利回りは改善する!?

不動産投資家としてレベルが上がれば、数値が改善する余地はあります。例えば・・・

・目利き力を鍛える→修繕費のかからない物件が分かるようになる
・不動産屋に物件を紹介してもらえる→安く買えるようになる

などなど。

ただ、これは一般論です。

僕は実際に不動産投資をやっているので、もう少し解像度が高く解説できます。

例えば、目利き力を鍛えて良い物件を買うのは、現実では「極まったボロは避ける」って感じです。

要は、再生に時間とお金がかかる物件は避けるということですね。

例えば、こんな感じのやつ↓

これは家の入口が壁ごと無くて、2階に木が生えていました。

こういう廃墟物件は買わず、ギリギリ家の形を保っているボロボロを選ぶのが目利きという感じですね。

また、不動産屋からの物件の紹介ですが、僕の経験ではそこまで良いものは紹介されたことがないです。

一度購入した不動産屋さんから、「今日、売主さんから話をいただいて、こんな物件ありますがどうでしょう!?」・・・と連絡がLINEでたまに来ます。

ただ、見た瞬間にNGなことがほとんど。

なので、未公開物件の紹介といっても優良物件というわけではない。

まあ、もっと仲良くなっていれば超絶に良い優良物件を紹介されるなんてこともあるのかもしれません。

ただ、それは今の自分からしたら分からないんですよね。

そう、不動産投資というのは、人によって見える世界がまるで違います。

僕のように「ナニコレ儲からないじゃん」の人もいれば、「不動産なら年利30%余裕!!」・・・の人もいるかもしれない。

でも、いないかもしれない。

そして、それは今の僕では分からないんですね。

とりあえず今の僕のポジションから見える範囲では、不動産投資は儲からないんです。

少なくとも、全くの初心者の視点から見ても、不動産投資は儲からないと思います。

だから、わざわざやる必要はありません。


ボロ戸建て投資の真実

利回り50%とかの、ありえない不動産投資があります。

いわゆるボロ戸建て投資です。

これは物件を100万円以下などで購入して、DIYなどで最低限のリフォームをして貸し出します。

ボロ戸建て投資のイメージ
・物件100万円
・リフォーム30万円
・家賃4.5万円
・利回り41%

超高利回りで魅力的ですが、ぶっちゃけ「普通の」初心者にはおすすめしません。

僕が感じるボロ戸建て投資というのは、「最悪な物件に最悪な入居者をつける」といったイメージです。

当たり前ですけど、100万円以下の不動産は格安です。

いくら不動産が個別の取引といっても、高く売れる物を売主がわざわざ安く売るはずがない。

だから、安さには相応の理由があります。

特に100万円以下ともなれば、もう何かの要素が「終わっている」状態です。

家ではなく廃墟
電気、ガス、水道の設備なし
ポツンと一軒家
土砂災害警戒区域

このように、建物に大きな問題があるか、立地が超絶に悪いという要素ですね。

これらの物件を気合いのDIYで修繕します。

そして、普通の不動産屋では借りられないような属性の悪い人をジモティーなどでセルフ入居付けします。

この荒業がボロ戸建て投資です。

これが初心者に難しいと思う理由は2つ。

①リフォームに時間とお金がかかる
②入居者をつけるのが難しい

①リフォームにお金と時間がかかる

YouTubeで不動産のDIYを軽々とやっているのを観たことがある人もいるかもしれませんが、あれは現実的じゃないです。

実際はもっと手間も時間もかかります。

僕も2件目の戸建てをDIYで1人で修繕しましたが、合計で50日ぐらいは通いました。

ボロボロの床を張り替えたり、和室を洋室化するなどの作業です。

YouTubeでDIYをやっている人を、よく観察してください。

知り合いに手伝ってもらっていたり、自分の不動産コミュニティの人を動員していたりします。

僕も知り合いの大家さんもそうですが、やっぱり1人でDIYすると想像以上に時間がかかります。

②入居者をつけるのが難しい

僕の場合は築40~50年の物件でしたが、賃貸募集してから入居者が決まったのは半年後でした。

当然ですが、ボロ戸建ては競争力が強い物件じゃありません。

賃貸募集してポータルサイトに載せると、自動的に入居が決まるものではない。

なので、属性の悪い入居者を大家さん自身で捕まえにいくようになります。

ジモティーで賃貸募集して、自分で入居希望者を案内して自分で契約を取り交わします。

また、普通の不動産屋では借りられないような入居者なので、入居中のトラブルも多くなります。

家賃滞納や夜逃げなど、色々なトラブルはよく聞きますね。

僕の場合は4件とも不動産屋に入居者さんをつけてもらったので、今のところはトラブルは何もないです。

ただ、ボロ戸建てのトラブルはSNSでよく流れてくるので、その労力も含めてやるべきかどうかは決めた方がいいと思います。


不動産投資の魅力は融資では!?

融資が不動産投資の唯一のメリットという視点もあります。

確かに、他人のお金で投資できれば最強です。自分のお金を使いませんから。

僕も実はこれが目当てで始めました。

ただ、手間もかかり面倒で、融資なしで今に至ってます。

融資を受けるには、地道な作業と行動力が必要です。

以前は住んでいる地域の金融機関をリストアップして、ひたすら電話攻勢を仕掛けたりもしました。

①ワタシ不動産やってます
②御行で不動産融資やってますか
③どんな物件にどんな条件で融資してますか

これを20ヶ所ぐらいに聞きました。

で、そこからアパートなどの物件を探そうかとも思いましたが、色々と私生活にも変化があり中断して結局はそのままです。

そのうちに、「不動産は高くなった」とかネガティブな情報も聞こえてきて、不動産投資そのものにも価値を感じなくなってきたんです。

そして、ある日、ふと思ったわけですよ。

「不動産わざわざやる意味ある!?S&P500でよくない!?」

もちろん、お金を借りられるのは魅力ですが、そもそもの不動産投資自体の魅力が怪しくなってきた。

そう考えた時、なぜわざわざやる必要があるのかな・・・となったんです。

他に投資という投資もないならやりますが、既にS&P500という最強の投資先を知っているんです。

だから、「わざわざやる必要はないな」という結論に至るのは簡単でした。


なぜ不動産投資に惹かれる人が多いのか?

ぶっちゃけ、不動産投資の一番の魅力は「大家」って肩書きが手に入ることだと思います。

要するに、お金じゃなくて「地位」の要素が強いってことです。

以下のような言葉に、魅力を感じませんか?

大家
地主
不動産オーナー

これらになることができるのが、不動産投資なんです。

「医者」や「弁護士」のような、どこか尊敬されるような響きがあるんですよ。

あと、やっぱり不動産の貸主という立場には独特の自己肯定感がありますね。

実際の収支はバラ色ではないんですが、それでも不動産を「貸している!」っていうのは最初はゾクゾクした満足感がありました。

そんなわけで、不動産投資のメリットは「地位」が手に入ることです。

富や権力じゃありません。

地位です。


結論:投資の考えを確立せよ

S&P500よりも良いリターンが出せるかどうか!?

・・・という観点で、全ての投資は比較するべきです。

それを下回るなら、残念ながらわざわざやる意味はないんですね。

不動産でも太陽光でも何でも同じです。

VOOやイーマクシスSP500を買ってボーっとしているだけの投資に負けるのなら、やる意味はないんですよ。

大家さんになりたいのは分かります。

でもよく見ると、たいして儲からないことの方が多い。

せめて、はっきり儲かる数字が見えてから不動産は動くべきです。

もう我々は米国株という素晴らしい投資先を知っているんですから、わざわざ無理に投資を広げる必要もない。

メインは米国株で、それ以外に良いものがあった時だけ少し投資する。

これが今の投資の正解です。

わざわざ不動産をやる必要もなく、どうせならビットコインとかの方が良いと思いますよ。

やはり投資は、所詮は金儲けの手段でしかない。

お金が儲からない投資は、投資として正しくないんです。

ということです。

今回は以上です。

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