ICL体験記(1) ICLを選んだ理由
こちらは、2022年4月に受けたICL手術の体験談です。Facebookに投稿したところ好評だったので個人情報を抜いた形で公開します。
ICL(近視矯正手術で眼内レンズの方式)を受けてみました。視力や見え方は1ヶ月後くらいにならないと落ち着かないらしいので、結果の評価は後日とします。
今回手術受ける上で色んな方に話を聞かせてもらって恩を頂いたのでペイフォワードです。個人の一感想としてどなたかの参考になると良いのですが。
初めに
下記はICLやレーシックを勧めるものではなくあくまで個人の感想です。医療的なアドバイスは医療機関で受けてくださいませ。
手術自体は怖かったですが、選択するためにICLやレーシックの歴史を調べたり病院を調査比較して興味深かったです。結局ICL(眼内レンズ)にしたのですが、歴史は浅く日本で初めて国内承認が取れたのが2010年なので視力矯正という意味ではまだ12年足らずですね。元々白内障の手術と同じ術法で60年前から実施されています。この背景が興味深くて、第二次世界大戦中にたまたまゴーグルを忘れて飛行機に乗ったイギリス空軍エースのクリーバーさんて人が、飛行機のアクリルの破片が目に入ってしまい、それを診察した医者が「目に異物入ってるのに炎症しないってことは白内障の水晶体摘出した後に入れたら効果あるんじゃね?」という発想から考案したそうな。ただ世紀の発見は周りから総スカン食らってメジャーになるのは80年代になってから。というお話で、そんな常識から外れた発想で治療法を考え出したリドリー医師のおかげで2022年の現在山田が手術を受けられるということですね。医療の進歩に感謝です。ただ医療の進歩は常に戦争の歴史と共にあるというのを再認識させられますよね。
(この話面白いので詳細はこちらの記事読んでみてね)
https://www.smithsonianmag.com/.../Hurricanes-cataracts.../
さて、手術は目にメスで穴を開けるものなので、恐怖心と戦っていたのですが手術中の動画を(結構生々しい)何度も見てイメトレしてたので、本番になったときに今医者が何をやっているかが分かって安心して受けられました。(あ、今レンズ入れる用の穴開けてるな、とか次は今レンズを虹彩の下に入れるように調整してるなとか)昔仕事で手術用ロボットのダビンチのリサーチするときに何時間もYouTubeで手術動画見て手術方法研究してたのがなぜかここで役に立ったのでした。
前置き長くなりました。本編です
視力矯正手術を受けようと思った理由
コンタクトが目に長時間入らない体質で、夕方には目が真っ赤に充血してしまうので常に眼鏡、結婚式等特別な場だけコンタクトレンズを付けていました。元々あまり眼鏡が好きでないので、一生メガネも嫌だなあと思い決行。
なぜ今かについては、視力が固まるのが25〜35歳までとのことらしく、今31歳なのですがここ数年ずっとコンタクトの度数が変わっていないのでタイミング的には術後のメリットを長期間享受でき且つこの後の視力が固まったタイミングとして今でも良いのではないかと思ったのでした。
レーシックとICLを比較し、なぜICLにしたか
検査した結果、レーシックもICLも対応可能とわかりました。(人によってはどちらかしかダメな場合あるので、迷ったらまず検査をお勧めします)両者メリデメがあり、非常〜に悩みましたがICLにしました。決め手はICLの可逆的である特性が自分の性格に合っている気がしたからですレーシックは角膜を削るので一度削ると元には戻せないですが、ICLは最悪の場合でもレンズを取り出せば良いと言うのが分かったためです。また、レーシックは術後視力がゆっくり戻ることがありますが、ICLはそもそもの視力が悪くなる場合以外基本そのまんまで、レーシックを15年前に受けて2.0になって現在1.2まで下がっている知人がいて、視力としては全然問題はないですが自分の性格的に視力の変化に今後10-15年で一喜一憂したくないなと思いICLにしました。(ただ、まあこの評価は結局15年くらい経ってみないとできないですねはい。)
ICLにはしたものの、デメリットと感じたことと、不安に感じたことは下記です。視力だけ良くなるのではなく、「視力以外の部分も見え方が変わる」と捉えてそのある意味デメリットを受け入れるというのが必要な姿勢と思います。(そのリスクを受け入れられないと判断したらコンタクトとメガネで過ごした方がいいなと思いました)
乱視発生の可能性:角膜を切るので、傷口が歪んで治癒すると乱視が発生します。元々乱視の人はそれで治ることもありますが、私は乱視ほぼないのでこの後乱視になる可能性高いと言われました
ハローグレア現象:光が滲んだり輪っかになる見え方になります。慣れるらしいですが見え方は術前とは変わるとのこと。
その他感染症の可能性などありますがここでは割愛。
料金は割とピンキリでしたが総じてレーシックの方が安いですね。料金に関しては後述。
病院選びと評価軸
前提:どの病院も、一社のレンズ海外輸入のため、同じレンズを使用。レンズの種類は評価軸にならない。また術式についても、虹彩と水晶体の間にレンズをはめるか、虹彩の外側にはめるかの2種類しかないので、角膜を切る方法でしか差別化されないため、あまり評価軸にならない。
病院の評価軸とした事項。③>①>④>⑤>②で重み付けしました。
①金額(自費です。保険適用無しで病院によって大きく差が出る)
②指導医の資格保持者が在籍するか(日本に数十人しかいない)
③手術実施数、医者個人の執刀数
④病院としてのアフターフォローや保証期間
⑤集団感染など医療訴訟が起きている病院でないか
病院選びの決め手
さまざまな病院を比較した結果、2択になりました。ICL手術の第一人者がいる病院(費用高)か、手術数が日本一の病院(費用低)か。結論手術数が日本一の病院にしました。病院によって①の費用が20-30万単位で変わって来るんですが、その数十万に医療の質が比例するのかが素人なので正直判断つかなかった。(だってレンズも同じ、術式も同じってなると後はレーザーで切るかとか医者の腕が良いかくらいだよね、、)結局どの病院かよりも③「執刀医の過去の手術件数」が最も信頼のおける指標なのではという結論に至りました。そこで執刀医の年間手術件数とかを電話でヒアリングして回るわけなんですがなかなか公表してくれないんですよねこれが(割としつこい性格)で、論文たくさん出してメディアの露出が多い先生よりも年間件数の多い先生がいいなと思い、先の手術数が日本一の病院に「手術件数が病院で一番多い先生に追加料金を支払って執刀してもらえないか」とダメ元で聞いてみたところ、表向きのプランには掲載されていないがそのようなコースは実在し可能との回答。結局病院で手術数トップ3以内の先生に執刀してもらうことにしました。(追加料金含めても他院より安いので許容範囲だった)
角膜を切る術法を決めた理由
乱視発生の可能性が低いレーザーを使用するかメスを使用するかだけ悩みましたが、数十万円違いが出るのでメスでの切開にしました。(これは今後乱視が出ているか調査することでしか評価できないので感想は保留とします。)
さて、思いの他長くなったので続き(検査〜手術〜当日〜術後感想)は今度後編にて。
以上です。