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超超素人の作った同人誌まとめ

同人歴1年の初心者字書きが一年間で作った同人誌を振り返る記事。

※作り方講座ではなく、個人の体験談です※

・同人誌を作ろうと思ったきっかけ

2020年の8月に急に小説が書きたくなり二次小説を書き始めた。時世はコ〇ナ禍でオンラインでの同人イベントが積極的に開催されていた。オンラインイベントは参加の敷居が低いこともあり、イベントに合わせて本を作ろうと思い立つ。イベント参加(一般も含む)未経験、手元に誰かの作った同人誌が一冊もない状態。

・前提として……私の同人誌に対する考えですが、

☆部数には余裕を持ちたい…………在庫を抱えることに抵抗がない。できるだけ「欲しい」と思ってくれた人みんなに行き渡るようにしたい。住環境的にも在庫を長く持っていて特に問題ない(スペースや同居人問題など)。後からジャンルに来た人でも手に入るようにしたい(自分自身がよく流行から遅れてハマったりするタイプだから)。などの理由から。

☆同人誌を作る(通販とか頒布も含む)にあたって、『やらなきゃいけないこと』と『やらなくていいこと』があるけど、『やらなくていいこと』が同人誌を作る楽しさに繋がっていると思う。『やらなくていいこと』は箔押ししたり、ロゴや表紙のデザインをプロに発注したり装丁にこだわったり……とかそういうことで、私はそういう『やらなくていいこと』をするのがめちゃくちゃ好きなので、そういう意味でも同人誌づくりを楽しめている。

☆本という媒体が好き。…………スマホとか電子媒体で読むのにもメリットはあるし、めちゃくちゃ読むけど、作品によって向き不向きがある気がする。個人的に長編は本で読みたい。自分で書いた作品を読み返す時も本の方が読みやすいのでわざわざプリンターで冊子にすることもある(書き込みしたり付箋したりアナログの方が作業が楽だから)。作品の長さや内容に関わらず電子媒体で読む方が楽、みたいな人もいると思うので完全に好みの問題。本が好きなので本作りたいと思うタイプ。

さけたん1

・一冊目。2020/11/22発行。人生初の同人誌(A6文庫サイズ、124P)。印刷所はPICO(プリンティングイン株式会社)様。書き下ろし一篇(約32000字)&再録一篇(約5500字)、+あとがきやおまけの超短編。

◇発行までの流れ

・まじで何もかも手探りだったけど、その時ほぼ同じ状態(本づくり初めて、イベント参加経験なし、同じイベントに参加&初同人誌発行予定)のフォロワさんが居て、連日DMで会議を繰り広げて情報交換とかしまくっていた。手元に参考になる同人誌がないし、そもそも小説の同人誌って見たことがなかったので不安いっぱい。ネット検索で最初に出て来た近場の印刷所さんが店舗で説明してくれるというのでフォロワさんと行ってみることに。実際に製本された本、紙見本などを見、具体的なイベント日から逆算する〆切日や入稿方法などについて教えてもらい、漠然としつつもやっと本づくりのイメージができるようになる。(この時点で10月末)

・印刷所さんに説明を聞きに行って、やっと「本を作るには時間がかかる」ということを理解する。具体的な〆切がわかるとスケジュール立てやすい。説明をめちゃ丁寧にして頂いたので、初めはこちらの印刷所にしようと決めた。印刷所によって〆切がかなり違う。ピコさんは〆切に余裕がある方で、割とイベント直前でも大丈夫(早めに入稿すると割引が適用されることが多いんだけど、こんなにギリギリなのに早割効くの!?ってびっくりする)

・通販のみの頒布なのでイベント当日11/22(日)に本が家に届いていないといけないが、入稿したのは11/13(金)。土日祝が定休日の印刷所が多い中、ピコさんは土曜が休みじゃないのでこの日程でもバリバリ早割が効く。〆切ギリギリタイプの人(私)にとっては、1営業日の差はめちゃくちゃデカい。この日程で早割30%効くのってあまりないと思う。完成品は同じなんだから、できるだけ割引された方が嬉しいですよね……。

・完成品ですが、見本や予備として数冊(印刷所によって違うと思う)多めに届きます。なので自分の分や不備があった時用の分は考えずに発注して大丈夫です。

◇大変だったこと

・wordよ。〆切までに書き上げる!とにかく書かねば!!ってことで完成させることばっかり考えてたんだけど、webに上げるのと違って入稿用の原稿に仕上げなきゃいけない。この分の時間を確保しておかないと、「書き上がったけど間に合わないじゃん!!!!!」ってことになります(本当にギリギリになるタイプの人は)。あと入稿用の申込書や本の仕様書(使う紙、装丁などについて……)も原稿提出の際必要なので、余裕持ちましょうまじで……(はい……)

さけたん4

・↑ 家にあった文庫本を参考にして、左ページ上部にページ数と章タイトルを載せようとしたんだけど、これにかなり苦戦した。発狂しそうになったしあまりにも辛すぎて一度印刷所に電話した(迷惑)。(「原稿づくりに関しては作者さんがやるしかない」みたいなこと言われて応援だけしてもらった……)。ワードに不慣れな人で予算と〆切に余裕がある場合、有償で文章校正してくれるサービスがいくつかあるので、そこを頼ってもいいと思う。私は二回目からは同人誌用のテンプレートを配布してるサイトが色々あるので、その中で気に入ったものをお借りして使ってる。ページ数を入れるのは格段に楽になったのでストレスが消えた。章タイトルについては入れるのをやめた。自分の力量を判断して、切り捨てるのも必要だと思う(遠い目)。

・R指定の本の場合は必ず表紙にわかるように記載しなきゃいけないのと、指定に関わらず必ず『奥付』っていうのを本に入れないといけない。その本の責任の所在表明みたいなものです。検索するとテンプレートがいっぱい出てくるから、気に入ったのを使おう。目次もあとがきも本文も全部テンプレート作ってくれてる人がいっぱいいる。頼ろう。いつもありがとうございます(涙)。

魔女&アンソロ

・上が次に作った本で下が最初の目次&注意事項。ワードが嫌すぎてPhotoshopに逃げた。普段から使い慣れてるソフトに逃げたくなるよね……。一ページ丸々画像にして、貼り付けるとめちゃくちゃ画質が荒くなるっていうのは知ってたんだけど、色々嫌になってたのと実際どんな感じになるのか試してみたくて強行してみた。小さくてわからないと思うけど本当に荒いです。なぜか手作り感を出したくてところどころ手書きにしたり謎の挿絵?みたいなのを載せてしまったのがあまりにも恥。

・「遅れてハマった人にも~」みたいなことを最初に書いたけど、あまりにも手探り感が満載でお恥ずかしいので、完売はしてないけど早々に引き下げました。文庫サイズは「The☆本!」って感じでテンション上がります。私はどんな本でもカバー外して読んじゃうタイプなのでいまいち価値がわからないんだけど、カバーも別に作ると尚更『本』感は出ると思います。分厚い文庫、いつか作ってみたいな。

◇その他作ったもの

さけたん3

さけたん2

・『やらなくてもいいこと』なんだけど、やっぱり通販ならノベルティとか御礼状を付けたい。ノベルティを発注するっていう概念がその時はなくて、自分で作れるもので……ってことで作ったことのあるポチ袋とお礼状に使うメッセージカードを自作。通販の方法もBOOTH、ピクスペ、とらのあ〇、フロ〇ージュ?とかいろいろあるみたい。BOOTHでもお互いの住所の情報を交換して普通に送る(薄い本なら送料抑えられる)方法や、お互いに匿名でOKな匿名配送(若干高いけど、厚い本(というか郵便局のクリックポストが使えないサイズ)なら匿名配送の一律料金370円の方が安くない……??)とかいろいろあって……私はBOOTHの匿名配送&自家通販のみでやっていて、これには慣れたけど他のやり方はよくわからない……。

・手書きのお礼状添えたい☆とか、BOOST(BOOTHの場合規定の金額に上乗せして作者さんを応援するサービスがある)してくれた人に個別のお礼付ける……とか、そういうのをしたい人は自家通販(自分で準備して配送する)が向いてると思う。私はまじでこういう細々した作業大好きなのでずっと自家通販が良いな~。あまりにも数が多い(私の場合はなんか「ここは工場……私は業者……」みたいな妄想でトリップするからあんまり気にならない)人や、作業めんどい(袋詰めした大量の本を持ってヤマトの営業所とかに持って行ったりしなきゃいけなかったりもする。ファミマでも発送できるけど数が多いとレジ占領しなきゃで辛い。個人的にはヤマトの営業所の方が好き。近くにない、車ない、とかだとキツいと思う)と思う人は発送作業をやってもらう配送方法を選ぶと良いと思います。個別にお手紙は送れないけどノベルティは付けられるはず。

◇反省点

・製本して読む小説と比べてwebで読む小説は改行が多く、文字がそんなに詰まってないイメージ。webは間隔があった方が読みやすいけど、そのまま本にすると余白が気になったりする。いまいち『web』と『本』それぞれの読みやすいレイアウト?みたいなのがわかってなくて、本として読むとちょっと違和感があったりする。ページをまたぐのが気になるとか、ページ数が少ない方が安く作れるとか、いろんな理由でそれぞれ校正していくと思うけど、本当に不慣れだったなって読み返すと思います……。

・前にも書いたけど、なぜか手作り感みたいなのを出したくて変な手書きとか挿絵とか入れたのまじで恥。迷走してたと思う。

◇まとめ

・初めてなので特に装丁を凝ったりはしていない。(選べる範囲内では選んだけど、オプションを付けていない)

・頒布する金額設定はかなり控えめにした。仮に完売しても半額回収できないくらい。

・A6文庫サイズ、124P、早割ありで、本だけの代金は約3万円です。(発送用の梱包資材とかが他には必要)

◇さいごに

・初めての本・イベント・通販、不安だらけだったけど、CPの力か!?思ったよりも多くの方に手に取ってもらえたのと、なぜだかいっぱい感想がもらえた(その後に出した本やpixivで公開してる作品と比べてもすごく多い)のがとても嬉しかった。未熟な一冊だったと読み返すたびに思うんだけど、頂いた感想はめちゃ宝物だし、また本を作ろうと思えたのは感想のおかげも大きいと思う。〆切に追われる執筆、辛くてやめたい……逃げたい……って思ったりもしたけど、達成感がすごくあったな。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

魔女1

・ニ冊目。2021/4/18発行。A5サイズ二段組み、174P。再録一篇(約32000字)、書き下ろし(というか続編)約90000字、その他番外編などを含む約12万字の小説本。キャラ×創作魔女の創作色強めの本。印刷所はプリントオンさん。わくドキデザインセット。

・付箋だらけ&ボロボロですみません……この後アンソロを発行したんですが、その時の編集作業にこの本を使ったためこんな有様に……。めっちゃ使い込んでますがとても思い入れのある一冊。

◇発行に至った経緯

・一冊目の原稿に追われていた時、突如思い浮かんだ話があった。入稿後取り掛かり(その時は本にするとか考えず)完成。二次創作の同人活動なのに創作キャラがメインの作品ってどうなんだろう!?と迷いはありつつも、すごく思い入れがあり、完成した話の続きを考えたりしているうちにどうしても書きたくなり本にすることに。

・本にしようと思ったのは、一冊目の本ができた時に「やっぱり本の方が読みやすい」と思ったのと、自分の作品が本になるっていうのが嬉しかったからだと思う。思い入れがある作品は本にしたいと思うようになった。

◇前回との違い

・まずサイズ。小説同人誌において『A5サイズ、二段組』っていうのは全然めずらしくなくて、むしろ文庫本より主流なんじゃ……!?って気もするけど、普通の書店ではまず見ないですよね。そんなこんなで馴染みがなかったんだけど、前回のイベントで実際にA5二段組みの同人誌を手に入れて見てみたら、意外と読みやすいし、A5の方が装丁なんかは凝れていいかなと思いました。文庫サイズは馴染みのある『小説本!』感がすごいし、A5は『同人誌』感がします(個人の見解です)。

・当たり前なんだけどページ数が少ない方が安くできる。文字数が多い作品はA5・二段組にした方がページ数が減る。つまり安上がり。そういう料金的な面もあるし、サイズが大きい方が装丁が凝れるので、やりたい装丁、デザインがある場合はA5が楽しいと思います。京〇堂みたいに「分厚い文庫本」にロマンを感じる人は文庫本にして分厚くしても良いと思う。その辺は予算や書く文字数によりけり。

・表紙、一冊目はセンスもないくせになぜか「自分の本なら極力自分でやらねば……」みたいな感覚がどこかにあって無駄に自分でやったりもしたけど、やっぱりプロはプロ。餅は餅屋。表紙のデザインをやってくれるプランがあるという話を聞き、印刷所をプリントオンさんに決める。(他の印刷所でもやってるとこはあるらしい。ただプリントオンさんのわくドキデザインセットの利用者が一番多いのか、Twitterの画像検索とかで参考画像がたくさん見れる)

・表紙のデザインは自分がやって、用紙や遊び紙、箔押しとかそういう装丁の部分をお任せでやってもらえるセットと、表紙のデザインも含めてぜーーーーーんぶ丸投げ!お任せできるセットがあり、後者をお願いした。1つまでならこちらで用意した画像もお渡しできるらしい(私は特に用意しなかった)。多少値段が高めになるのと、〆切がとっても早くなります♡ギリギリの民には辛い。

・申し込みの段階でデザインの要望を伝えることができる。シリアス、ギャグなどの大まかなストーリーとか、「緑系」「暖色系」とかの使いたい色味とか、星とか猫とか使って欲しいモチーフについてなど、色々な情報をお伝えしたらあとは完成まで待つだけです。発送の数日前に表紙画像だけ送って見せてくれるのでお品書きとかサンプルは事前に用意できる。印刷する紙なんかによって雰囲気が変わるので、実物は届くまでのお楽しみ☆ドキドキが楽しめる人にはおすすめ。〆切には余裕持ってください!!!!!

・テンプレートの活用。これは学んだ!!!自分で何もかもやらなくていい。同人誌文化は近年の産物ではないし、これまでに数多の同人誌が生まれて、たくさんの同人作家さんたちがいろんな努力をしてきたんですよね。なので「これが必要」「これ辛い」「こういうのがあれば……」みたいな痒いところに手が届くテンプレート、探せばある。本当にありがとうございます……。自分で必要なもの・欲しいものを探して自分に合うものの力をお借りしましょう……。規約は読もう。

ついった用

・プロの力をどんどん借りる。前述の表紙については印刷所さんに丸投げしたんだけど、目次に使ったり各章のタイトルを入れたり、後はノベルティ作りたいのでロゴが欲しかった。ロゴ、実際使った↑のロゴ(作ってもらったのはフレームのみ)はとてもお気に入りなんだけど、実はこれ二か所目で……。一度ココ〇ラのロゴを作るサービスで、5~6000円くらいかな?で作ってもらったんだけど、それがいまいち気に入らず……。(同じ方に別の作品用に作ってもらったものがあって、そちらはとても気に入っています!)大まかなイメージとかは伝えられたし、サンプルとかも見て気に入ったからお願いしたんだけど、作品の細かいイメージって作者の脳内にしかなかったりでちょっと違うっていうのあるんですよね……。というわけで迷った末、デザイナーをやっている友人(最近連絡取ってなかった。久々に連絡取るきっかけになって良かったかも)にお願いして引き受けてもらった。友達だけどプロだし、あまり無償で依頼するのって好きじゃないのでお金はちゃんと払ってます。『友達料金』みたいなのも特にない気がするな。お互いにココ〇ラとか他のサービス見て、大体の相場と比べて話し合って料金決めた。細かい要望とか伝えやすいし、私の作風や性格、好みみたいなのを何となく知ってくれているのがデカいと思う……。私も作風を知ったうえで頼んだわけだし。ロゴ制作とかは初めてだったらしいけど、本当に頼んで良かった(二度発注したのでお金が飛んだけど、気に入らないものをうーん……と思いながら使うよりは納得いくものができて良かったと思う。ただ今回は二回目で気に入ったから良かったけど、二回頼んでもやっぱり気に入らないってことも可能性としてはあるよね。人に頼むっていうのは難しさもあるな~と……)。

◇大変だったこと

・しめきり。プリントオンさんは印刷も綺麗だしサイトも見やすいしで大好きなんだけど、ちょっと〆切が早めです。今回のデザインをお願いするセットとかだと、さらにプラスで日数が加算されるので、ギリギリの民には本当に厳しい。結局早割は全く使えませんでした。計画性、大事。

・テンプレートの導入と、前回学んだ「やってみて難しい・できないことは無理しない」を教訓にできる範囲で校正したので特に一冊目のようなワードへの殺意は感じませんでした。

◇他に作ったもの

・ペーパー2種。本に載せた部分にさらに加えて書きたい話があったので、おまけ小話のペーパーと、あとは追加のあとがき。

魔女2

・お礼状用のメッセージカードを発注した。これはかつて利用したことのあったレトロ印刷さんの二色刷り。一応注意しておくと、メッセージを書くピンクの〇のところ、インクを乗せてるので字がめちゃ書きづらいです(笑)。メッセージカードにするなら書く部分に色を乗せるのはやめた方がいい(事前に印刷所さんから連絡もらって確認されたけど強行した)。

・これは反省点でもあるんだけど……本になった状態で読み返してみたら、栞がないのがかなり辛かった。本文が細かく章に分かれているとか、読んでいて一息吐くタイミングがある場合は必要ないかもしれないけど、ある程度の長さがある本の場合栞があったら嬉しいと思う。「なんでもいいから挟みたい……!」って思ったので急遽栞(風の紙)作って同封したけど、人によっては失笑ものだと思う……。もし厚めの本を作るなら、次回からは栞発注します(たまに文庫本で栞になる紐が付いているもの、あれに憧れがあるので紐付きの文庫本作りたい願望もある)。ただ栞についても、私に本のカバーの価値がわからないように、栞が不要な人っていっぱいいると思うから、人それぞれだと思います。誰のためなのか、って突き詰めていくと自分のためなので、自分が欲しいなって思うものを選んでいくのがいいと思う。ノベルティに関しては『私が欲しいから付けました』のスタンスで行きたい……。

◇反省点

・同人誌はページを増やす最小単位が4Pなので、あと1P欲しい……!って思った場合、自動的に4P増えることになる。これは作者さんの好みと予算との兼ね合いがあると思うんだけど、私はお話とお話の間には余白が欲しいタイプ。物語が終わったあとの余韻を邪魔されたくないっていうか……。右ページでお話が終わって、すぐ左ページから違う物語が始まってるっていう構成があまり好みではない。だけど一冊めに作った時、1P増やしたいのに4P増える、その残りの3P分を上手く活用できなくて謎の白ページを生み出してしまったので、今回の最後の方、余白が思い通りに取れず満足できない仕上がりになってしまった。あとは〆切がギリギリになってしまって、後半のエピローグあたりの文章の完成度もちょっと気に入ってない(汗)。やっぱり余裕を持つことが本当に大事だと思う……。思い入れのある作品だけに、少し悔しいです。

◇デザインを誰かに依頼することに関して

・個人の意見です。今回はロゴ(×2回)と、表紙のデザインを自分以外の誰かにお願いしたわけだけど……。私は、自分の頭の中にあるイメージを言語化して人に伝えるっていうのがすごく苦手なタイプ。「本当はこう思ってるけど、伝えたら変に思われるんじゃないか……」みたいに、自分のイメージやセンスに自信が持てずに色々と考えてしまって、きちんと伝えられず……ということが多いです。どんなに素敵な作品を作るデザイナーさんでも、エスパーじゃないので脳内のイメージを勝手に汲み取って思い通りにしてくれるなんて無理なんですよね。なので「こんな感じならいいな」っていうのを上手く伝えられる人じゃないと、依頼自体は向いていないと思います。

 一回目のロゴが失敗したのは上手に伝えられなかったせいが大きいと思う。依頼する相手が知人だったりした場合は、ラフ段階とかで「今こんな感じだけどこのまま進めて良い?」みたいに途中経過を見せてくれた上でイメージをすり合わせていったりができるかもしれないけど、それって相手の返事待ちに時間がかかるし、修正も増えるしでかなりの手間なんですよね。なのでサービスとして請け負っている場合、完成までにやり取りが増えると別料金になったりすることがほとんどです。

 一回目のロゴは、事前に『作成する文字』と『大まかなイメージ』、あとは公開されているサンプルから近い雰囲気のものがあればそれを伝えるって感じでした。あとは数日後に完成品が送られてきて、細かい部分(作り直しにならない程度)を一回だけなら修正できますよ、というもの。二回目のロゴは線が細い作りなのに対して、一回目のロゴは字体がちょっと太めでインパクトある感じになっています。(箔押ししたいと伝えたので、もしかしたら箔が付きやすいように太目にしてくれたのかもしれない……)

・自分でできたらそれが一番良いんだけど、何度も言うけどやっぱりプロはプロなんですよね。仕上がりが全然違う。本当にすごい!と思うし、こちらのイメージがきちんと伝わっていれば、デザイナーさんに形にしてもらえるというのはめちゃくちゃ素敵で嬉しいことです。なので今後も積極的に使っていきたい……。頭の中にあるイメージを、ちゃんと言葉にして伝えること、こっちはそれを上手くしていかないとな……と反省しています。

◇まとめ

・使えるものを使う。頼れるものを頼る。を学んだ。

・ロゴ代金やメッセージカード印刷代などに関してはもちろん本の頒布料金には含んでません。

・早割が使えないのが辛かった………。

・A5サイズ二段組み、174Pで本だけの代金は6万くらいです。早割なし。メッセージカードは安くて1000円弱、ロゴ発注、一回目は5~6000円くらい。(二回目の発注分は他の企画のロゴとまとめて依頼したので、この本用のロゴ単体の値段がわからない)。おまけペーパーはペラじゃなく冊子だったので、自宅のプリンターで作ったけど印刷代は結構かかりました。梱包材料とかも含めて、全部で8~9万くらいかなあ……。早割が効いていたらかなり助かったと思います。

◇さいごに

・すごく夢中で執筆してて、どれくらいの期間書いてたのかよくわからないんだけど、着手してたのは3~4カ月で、実際に本腰入れて書いていたのは2カ月くらいかな?あまり集中が続かないタイプなので1カ月くらいかも……。初めは早割を使う予定で、『3月中旬までに!』って思ってたのが全然間に合わず、『せめて3月中に……』になっても間に合わず、結局4月5日に入稿しました。書いても書いても終わらない、でも充実した楽しい日々でした。「書きたいのに全然浮かばない、進まない」っていうのと、「めっちゃ書いてるけど終わらないよ~!」っていうのはストレスが全然違うよね。今回は長い話だったので時間がかかったけど、手は止まらなかったので「楽しい!」っていうのが大きかったな。

・キャラのことが本当に好きで、キャラへの愛ゆえに暴走して書き切ることができたんだけど、「(12万字書くなんて)オリキャラへの愛がすごい」って言われて、「え……私はオリキャラのためにこんな時間を……???」ってちょっと悩んでしまった。キャラ×創作キャラではあるけど、私をここまで駆り立てたのはオリキャラではないと思う。全てキャラへの愛です。作品への思い入れはすごくあるけど、創作キャラ単体への思い入れは特にないかな……。でもこの二人のことはすごく好きで、幸せになって欲しいといつも思っています。いや、自分の作品なんだけど……。CPへの愛はすごくある。大事な一冊なので、死んだらR-18の部分にシール貼って隠してもらって、いっしょに棺に入れて欲しいよ。


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