デイリー杯2歳S ふりかえり
1 レース概要
(グラフの見方)
緑:今回のラップ
赤:過去10戦のうち、ラスト3Fの時計が遅い3戦の平均
紫:過去10戦すべての平均ラップ
青:過去10戦のうち、ラスト3Fの時計が速い3戦の平均
緑 タイム1:35.1 ラップ35.9ー33.8 RPCI58.8
赤 タイム1:32.7 ラップ33.7-35.5 RPCI46.7
紫 タイム1:33.5 ラップ34.7-34.8 RPCI51.2
青 タイム1:32.9 ラップ35.0-34.2 RPCI53.0
今年のデイリー杯2歳Sは、例年にないほどのスローペースの瞬発力勝負となりました。
スタート良くハナを切ったのはスタニングローズです。ここまで控える競馬で差し届かずというレースを続けてきましたので、積極的に前に行く姿勢は好ましく映りました。2番手にはドグマがつけますが、その外からプルパレイが交わし、さらに先頭まで詰め寄って、最初の600mを通過する前に先頭に立って逃げる形となりました。1番人気のセリフォスは離れた6番手、2番人気のソネットフレーズは先頭集団に混ざり4番手という体制です。
コーナーでギュっと馬群が圧縮され、大外からはセリフォスが楽な手ごたえでまくってきます。直線に向くと、逃げたプルパレイはいつもの粘り腰がなく、外からはセリフォス、中からはソネットフレーズ、経済コースを通ってきた最低人気のカワキタレブリーにも前を譲ってしまいます。
ラストはセリフォスとソネットフレーズの叩きあいですが、コーナーで大外を選択したセリフォスが、距離ロスをものともせず脚を伸ばし、クビ差抑えてて重賞2連勝を飾りました。
2 セリフォス(1着)
スローペースを後方から大外を回っての完勝。着差以上の強さを見せつけ、この世代、牡馬のマイル戦はセリフォスを中心に回っていくことを予感させました。同じ舞台で開催される朝日杯FSでも、おそらく1番人気でしょう。あえて懸念を示せば、今回は少頭数でしたので大外からでも差し切れましたが、フルゲートになったときはそういかないかもしれません。それにしても「ヘタレ三銃士」の1角「ダメジャー」から、晩年にこれほどの大物感ある産駒が出てくるとは驚きです。ダイワメジャーのサイアーラインは、カレンブラックヒルやコパノリチャードの産駒が走り始め、アドマイヤマーズも種牡馬入りしていますが、まだまだ盤石とは言えませんので、セリフォスには後継としての期待も高まります。
3 ソネットフレーズ(2着)
セリフォスが強すぎただけで、ソネットフレーズはこれが2戦目ながら、スローペースを他馬の後ろで我慢しつつ、直線でしっかり伸びてくるという、競馬を勉強しながらの重賞2着ですから、充分な結果です。クラシックを逆算しながら使われているようで、年内は休養らしいですが、重賞級の素質は見せてくれました。
4 プルパレイ(4着)
プルパレイ本命でしたが、逃げるのはいいとして、相当なスローに落としたことは想定外でした。「重賞以上では上り勝負に弱く、持続力勝負に強いタイプ」と分析した通りの負け方で、結果論ですが、もっと離して逃げるくらいの強気が必要でした。
この馬はスタートはポンと出てくれますが、飛びが大きいためにテンの加速が遅いことから、純粋な逃げ馬としては大成しづらいです。基本は番手から好位につけて早め抜け出しの競馬を心掛け、スローになるようなら自分が先頭に立ってペースメイクする方針がいいと思っています。
朝日杯FSではフルゲートで、プルパレイよりも前に行きたい馬がいるでしょうから、「相手が強ければ強いほど力を発揮する大舞台向き」という自分の見立てを信じて、次も印を打とうとは思っています。ただし、好走にはいくつか条件が付きそうで(パンパンの良馬場、ミドルペース以上、他に逃げ馬がいる、など)、そのあたりの要素も考慮して、本命視するかはわかりません。