桜花賞 ふりかえり
はじめに
助手
牝馬クラシック第1戦、桜花賞が終わりました!ステレンボッシュが阪神JFの雪辱を晴らす快走で、桜の女王を襲名。1番人気の2歳女王アスコリピチェーノはわずかに及ばずの2着でした。
いぬたい
バッチバチの殴り合いのようなレースだった。上位人気陣はみんなチャンスがあったと思うけど、それでも結局阪神JFのワンツーで決まるあたり、改めてあのレースのレベルの高さを思い知ったよ。
ラップグラフ
いぬたい
今年の桜花賞は、10戦平均の黒いグラフのようなラスト4Fの総合力勝負を想定していたけど、それよりもさらに全体的なペースが速く、ハイレベルな1戦だった。阪神JFを煮詰めたような内容で、ここで好走できた馬は、これから大きな飛躍が期待できるんじゃないかな。
助手
テン3Fが34.5と速い流れで序盤を迎えましたが、それでもラスト3Fが34.1とさらに速くなり、結果として後傾ラップになりました。前の馬で掲示板に残ったのは5着のエトヴプレのみと、後ろの馬に有利な流れだったのではないですか?
いぬたい
後ろにいたから単純に展開が向いたとは言えなくて、このペースを追走しても脚を溜められるスタミナ、そして直線を向いて爆発的に加速できるスピード。サラブレッドとして必要な両方の資質を備えていないと、掲示板には来れなかったと思う。
助手
大絶賛ですね!
ステレンボッシュ
いぬたい
スタート直後に大きく寄れてダッシュがつかず、後方集団から。でもちょうど、アスコリピチェーノを内からマンマークする位置にピッタリとつけた。道中はじっくりと2歳女王を見据えながら進める競馬。4コーナー手前から、アスコリピチェーノと並走する形でガシガシと追い始める。
直線に向くところで運がステレンボッシュに向いた。アスコリピチェーノがわずかに外にモタれた瞬間、マジックマン・モレイラは強引といえるくらいに馬体を寄せ、進路をこじあけてしまった。
助手
このシーンが今年の桜花賞のハイライトですね!もしアスコリピチェーノが外を締めたままであれば、ステレンボッシュの行き場はなかったかもしれません。
いぬたい
進路を確保したあとは、長く長く脚を伸ばし、阪神JFでは足りなかった勝負根性すら発揮して、追いすがるライバルを押しやっての勝利。騎手もうまかったが、やはり馬が強かった。
助手
この高速マイル戦を制したにも関わらず、血統的には父、母父、母母父に中距離馬がズラリ。オークスへの視界は良好です!
アスコリピチェーノ
いぬたい
スタートは普通に出て、馬なりで中団の外へ。リスク承知で、外枠から内に潜ったステレンボッシュのモレイラとは対象的なコース取り。中枠発走からわざわざ外に行ったあたり、1番人気ということでマークを警戒して、自由に動ける位置で競馬したいという思惑を感じた。結果的に、アスコリピチェーノが4コーナーでモタれたことで外に弾かれ、3/4馬身という差で負けたわけだから、北村騎手は相当悔しかったと思う。
助手
1、2馬身ロスしたところから2着まで巻き返してくるんですから、あのモタれがなければ十分に勝ちはあったと思います。
いぬたい
ほんとにね。オークスへの展望という点では、ここまでのレースぶりを見ると2400mは長そうだし、少しスピード色が豊かすぎる血統。母系のサドラーが、どれだけタフネスを注入してくれているかが鍵かな。調教パターンも変えてくるかも。
助手
ステレンボッシュとはいいライバル関係ですから、オークスもがんばってほしいです!
ライトバック
いぬたい
スタート普通に出て、決め打ちのように後方2番手から。カッとなりやすい気性を考慮したのか、あるいは前が速くなると読んでいたのかもしれない。4コーナーでは内に4着のスウィープフィートを閉じ込めたまま、自分だけ大外を加速して上がり最速の脚を見せた。今回のような追走力を問われる展開は始めてだったけど、坂井騎手が馬の末脚を信じて上手にエスコートしたと思う。
助手
上がり32.8は鬼脚ですよね!東京が舞台のオークスでも面白いんじゃないですか?
いぬたい
この溜めて弾ける感じは、同じキズナ産駒のソングラインを思い出す。母系が全然違うから、ライトバックはまた異なるキャラクターを持っているとは思うけど。
助手
まだまだ未知数な魅力があるということですね!
スウィープフィート
いぬたい
スタートは出遅れてもいないのに、のんびりと最後方に構えるオペレーション武豊。他の騎手だと心配になってしまうが、レジェンドだけは安心感が違う。どっしりと腰を据えて虎視眈々と仕掛けを待つ。しかし、勝負どころの4コーナーで坂井騎手にフタをされたこと。あるいはライトバックの加速力がスウィープフィートと同等だったことは、武騎手の誤算だったかもしれない。行きたかった外への進路が、完全にふさがれてしまった。
助手
ステレンボッシュとアスコリピチェーノの戦いの後ろでは、ライトバックとスウィープフィートも高度な駆け引きをやっていたんですね~。
いぬたい
でも、そこからが武豊がレジェンドであるゆえんだった。外に活路なしと判断するや否や、迷わず前の壁へと馬のハナを向ける。そして交錯するライバルたちの隙間をスルリと抜けて、魔法のようにライトバックのさらに外へと持ち出してしまった。この進路変更を苦にしない操縦性の高さを見せたスウィープフィートもえらい。
助手
ただ、追い出しが遅れてしまったのはもったいなかったですね。
いぬたい
スウィープフィートにステッキが入ったのは、残り200mを過ぎてからだったんじゃないかな。ライトバックがバシバシ叩かれているときは、まだ進路を探していた。もしスムーズに最初から外に持ち出すことができていれば、やはりこの馬も頭まであったかもしれない。
助手
ええーーもったいない。スウィープフィートのアイドルホースのぬいぐるみ欲しいです!オークス勝って欲しいです!
いぬたい
武騎手も言ってたけど、オークスはほんとに楽しみにしてていい。桜花賞は負けたけど、勝負づけは済んでない。引き続き「怖い」馬だよ。
エトヴプレ
いぬたい
距離延長でさすがに逃げはしなかったけども、スプリント能力が高いだけあって、外枠からでも自然に番手へ。そのまま前を逃がしながら着いて行き、4コーナーからロングスパート。切れで4頭に劣ったものの、ただ1頭、前で勝負して掲示板に残った価値は大きい。フィリーズレビューでの走りと合わせて、この先、ナムラクレアのような上質なスプリンターになれる器だと思った。
助手
全然最後まで脚が止まってないですもんね!すごかったです!
いぬたい
フィリーズレビューを当てたこともあるけど、こういう尖った個性を持ってる馬ってすごく好きなんだ。だから、エトヴプレのアイドルホースのぬいぐるみ欲しい!オークス勝って欲しい!
助手
マネしないでください!でもさすがにオークスはきついのでは?
いぬたい
さすがにきついだろうね。次はNHKマイルカップが目標と聞いたけど、本命に据えたいのはやっぱり1200mのG1。スプリンターズSと高松宮記念で厚く張りたい馬。
助手
では、今日はこのへんにしておきましょうか。このノートを楽しんでいただけましたら、ぜひスキを押していってください!今後の励みになります!ありがとー!!