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ウィープディライト 8戦目(許波多特別)観戦記


過去のノート

はじめに

 ッッッシャ!!やった!!!!
 勝った!!!!これで3勝クラス!!!
 あと少しでオープン馬!!!!!!!!
 うっそまじで!!!?

 というわけで、2025年2月1日の京都競馬場で、バヌーシー所属の出資馬・ウィープディライトが8戦目を走り、見事に勝ち切ってくれました!条件は京都芝2400m。G1開催こそありませんが、歴史あるG2・京都大賞典の舞台として、数々のG1馬を送り出してきた日本競馬を代表するコースです。

 ウィープディライトは、昨年の春から夏にかけて精神失調をきたし、一時は競走馬としての危機に追い込まれましたが、陣営の献身的なサポートが実り、秋の新潟で鮮やかな2勝目を上げて復活!返す刀の中2週で東征し、秋天の日の東京競馬場で昇級初戦を戦って3着でした。

 あれから3か月半。レース直後は完全な休養。高まったテンションをいったんオフにしてからじっくりと立ち上げ、年内は馬に合わせた調整が続きました。年が明けて厩舎に戻ると、心身ともに充実しているという報告が続き、追い切り映像からも明らかな成長が見て取れました。

結果

 ウィープディライト、強烈なイン突きで快勝!!!!

 無根拠に勝ちそうという予感も、メンバー構成からすると走力は最上位という予想も持って現地応援に臨んでいましたが、実際に勝つと「信じられない・・・」という思いがまず最初に湧き出るのが不思議です。

 ただ、この日のウィープディライトのパフォーマンスは、1勝目と2勝目のように「競馬わからんちん」という顔をしながら能力の片鱗だけでなぜか勝つという甘いものではなく、馬が意志を持ってねじ伏せに行く気迫がみなぎった競馬で、強烈なインパクトがありました。

 まだまだメンタルに配慮しながらの調整は続くとは思いますが、ウィープディライトが競馬でここまで前向きな姿勢と高い操縦性を見せたのは初めてで、競走馬としての完成形を想像するとつい顔がほころんでしまいます。

レース回顧

ラップグラフ

 これは、過去の京都芝2400・4歳以上・2勝Cを10戦分集計してグラフにしたものです。許波多特別は昨年まで2200m戦だったため、過去の集計には入っていません。具体的には、白川特別・琵琶湖特別・睦月賞の直近10戦分となっています。黒が10戦平均、赤が相対的にハイペース、青が相対的にスローペースで、黄色が今回ウィープディライトが走ったレースのラップグラフとなっています。

 10戦平均の黒いグラフを見ると、中盤で大きく緩んで、ラスト4Fの瞬発力と持続力が問われるレースになりがちということがわかります。しかし、今回の許波多特別は、逃げた⑥ウェイビーのペースが速く、2番手から5番手の馬まで、前との差が3馬身ずつ空いてバラけるという、めずらしく超縦長の隊列となりました。

 そんな中、ウィープディライトの位置取りは、ほぼど真ん中の5番手。それでもTARGET frontier IVによると馬自身のPCIは52.7ということで、2400m戦にしては平均よりも速いペースを刻みました。結果として2:24.9というタイムが出ましたが、馬場差は無視すると、これは古馬オープンクラスの1着馬平均の水準(TARGET frontier IVで過去10年分のデータを集計してクラス別に表示したもの)であることから、今回はウィープディライトの能力の一端が数字に表れた最初のレースといえます。素晴らしい!!

序盤

 この日の撮影ポイントは、ゴール手前50mほどの最前列。京都芝2400はスタンド前の端からスタートするため、1周目と2周目で2回の撮影チャンスがあります。

 肉眼では遥か彼方のゲートをターフビジョンで見ると、ウィープディライトが中でもぞもぞしていました。いやちょっと落ち着いて!ゲートオープン!!ちょまっ!って・・・開くと普通に出るんだねウィープくん。

 スタート前の挙動に一瞬ヒヤッとしましたが、特に出遅れることなく走り始めます。こうなると気になるのは位置取りで、ここしばらくは前半は馬の気分のままに走らせて、後半でガツンと勝負に行く"夏休み最終日作戦"がハマっていましたが、いつまでもそればかりでは頭打ちです。

 中間で調子がいいのはわかっていたため、積極策もありえると思って序盤を注視していました。松山ジョッキーは無理に押すことはしませんでしたが、馬自身の前向きさで変に立ち遅れることなく中団に収まろうとしています。うん。2勝目は追込で勝ったとはいえ、わざわざ下げる必要はない。いいと思う!

中盤

 先にも書いたように、逃げる⑥ウェイビーが後続を突き離してドンドン前に進み、2番手の馬ですら大逃げのような位置。そうすると5番手のウィープディライトは実質3番手のような形になりました。周囲にプレッシャーをかけてくるライバルもなく、伸び伸びと走っているようです。良さげ!

 しかし、3コーナーの800mのハロン棒を過ぎても、先頭がまだ気分よく逃げています。さすがに不安になってきました。これホントに追いつくの?万が一にも逃げ切られたりしない??頼むぜウィープ(馬券もしこたま買ってるんや・・・)。

終盤

 4コーナーの中ほど、600mのハロン棒あたりでした。あれほど広がっていた前との差を、いつの間にかウィープディライトが射程圏に収めていたのです。背筋がゾッとする感覚がしました。

 4コーナーの出口、獰猛さすら感じる勢いでウィープディライトが内に突っ込みます。前が詰まるのを心配しましたが、ライバルたちは下り坂の遠心力で外に振られました。直線を向くと前がポッカリと空いています。さらにギアを上げ、2番手を進んでいた③ログラールを瞬時に交わします。自分の眼には、もうここで先頭に立ったように見えました。よし!!!来い!!!ウィープ!!!!来い!!!!

 必死にシャッターを切ります。ウィープディライトが単独先頭で最終直線を走る姿。彼のこの姿をどれだけ見たかったことか。

 ウィープディライトの脚色は衰えません。勝ったと思いました

 眼の前を通り過ぎるウィープディライトを見送り、目線をカメラからコースに戻します。

 ????外にもう1頭いた!!!!うっそ!!!

 道中3番手を進んでいた⑦クルミナーレが離れた外で抵抗し、ウィープディライトと同時にゴールしました。ウィープしか視界に入れていなかったので気づきませんでした・・・。

 ここまで来たら勝ちでしょ!勝って!お願いウィープディライト!!!おろおろしながらも勝利を信じ、口取り式での勇姿を撮影すべく、ウィナーズサークルに向かいます。横目にゴールシーンのリプレイが映り、わずかにウィープディライトが凌いでいるようでした

感想

 写真判定はすぐに結果が出ました。ウィナーズサークルに出資者さんが集まっていたようで、歓声が上がりました。ウィープディライト、ハナ差で1着。

 ほとんどの競馬ファンからすれば、1億円ホースによる下級条件戦のあたりまえのような勝利かもしれませんが、出資者にとっては、苦楽をともにした愛馬の今年の飛躍を告げる大きな1勝です。

 いい大人なので涙こそガマンしましたが、泣きました。

写真館

パドック

返し馬

レース後

おわりに

 レース後、管理する池添調教師からウィープディライトの春の大目標が掲げられ、出資者一同が騒然としました。さすがにもう1つは勝たないと出走すらできないでしょうが、まだまだ奥がある走りで、潜在的には通用しそうという気はします。そうでなくともすでに3勝馬。もう1つ勝てば晴れてオープン馬ということで、これからどんどん大きいところを狙っていきましょう!

 この馬なら重賞やG1を目指せるんじゃないかな、と値段に目をつぶって思い切って出資した仔が、想像どおりに成長していることに高揚感もあります。

 しかし、その過程は予想だにしないものだっただけに、ウィープディライトを表す一言は「奇跡」。これに尽きると思っています。

 こうして、今年の初勝利も叶えてくれました。

 かっこよくて可愛くて変顔もできるウィープディライトに弱点なんてあるんですか?最高!!!!

おねがい

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使用機材

 カメラ CANON EOS R10
 レンズ RF100-400mm F5.6-8 IS USM

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