京王杯2歳S ふりかえり
1 レース概要
(グラフの見方)
緑:今回のラップ
赤:過去10戦のうち、前傾ラップの上位3戦の平均
紫:過去10戦すべての平均ラップ
青:過去10戦のうち、後傾ラップの上位3戦の平均
※前傾ラップ=前半3F-後半3Fの差が小さい
後傾ラップ=前半3F-後半3Fの差が大きい
緑 タイム1:21.3 ラップ35.1-34.1 RPCI53.8
赤 タイム1:21.6 ラップ35.0-34.5 RPCI52.4
紫 タイム1:22.2 ラップ35.9-34.1 RPCI55.8
青 タイム1:23.5 ラップ37.1-33.8 RPCI60.3
今年の京王杯2歳Sは、赤のグラフをなぞるような速い流れとなりました。しかし、例年であればラスト2F目(6F目)に仕掛けてからのもっとも速いラップが来るところ、ラスト3F目(5F目)にそれが来ているところに特徴があります。
これはつまり、例年よりもスパートのタイミングが速くなっていることを示しています。馬場の状態が良かったのかもしれませんが、これだけ速いラップを刻んで、2番手から押し切ったキングエルメスは、期待されていた素質を開花させた形となりました。
2 キングエルメス(1着)
前走、札幌芝1500mのクローバー賞では、気の悪さを見せて5着だったことから、ここでは軽視していましたが、陣営はきっちりと立て直してきました。派手な勝ち方ではありませんでしたが、先にも書いた通り、速い流れを前から押し切って勝つというのは、ラップ的には強い内容だと評価できます。
スタート自体は他にも速い馬がいたものの、逃げる勢いで押して前に行き、内枠の馬に並ぶ位置取りで競馬を進めます。直線を向いて残り400mで先頭に立つと、後続のいい目標になると思いきや、脚色は衰えずそのまま1着でゴール板を駆け抜けました。
先行して粘りこみという競馬は、気の悪さを闘争心に結び付ける陣営の作戦だったでしょうか。マイルで同じ競馬ができるかというと懐疑的で、朝日杯FSに出てくるのであれば評価はしづらいです。
3 トウシンマカオ(2着)
スタートは抜群によく、半馬身前に飛び出しましたが、ジョッキーの判断で2列目に下がりました。このポジショニングの差がそのままゴール後の着差になっていましたので、勝ち負けに持ち込むなら、結果論ですがキングエルメスと同じ1列前で走る必要がありました。ただし、トウシンマカオはこれが2戦目の馬で、新馬戦で他馬の後ろに入れて折り合いを教えることができませんでしたから、ここで教え込んでおこうという鞍上の判断は正しかったと思います。
初の重賞挑戦で2着という結果は十分で、内容も伴っており、陣営としては手ごたえを感じるレースだったのではないでしょうか。個人的には、対抗評価ながら単勝を買っていましたので、2着という結果はとても残念です。
4 反省会
4着のコラリンが3着なら、〇トウシンマカオと▲コラリンのワイドを取れていたので、予想の内容には多少の自信をつけられたものの、結果を伴わなかったという点で悔しいレースとなりました。
本命ベルウッドブラボーは、これまで見せていた積極的な行き脚がなく、後方を追走してそのまま沈みました。乗り替わりと、レース間隔が空いたことが敗因でしょうか。いちど使ったことで変わり身が見られるようであれば、まだ追っていきたい馬です。