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オブシディアーナ 3戦目(3歳未勝利) 観戦記


過去のノート

はじめに

 2025年1月19日、京成杯が開催されたこの日に、バヌーシー所属の出資馬・オブシディアーナが3戦目を走りました!条件は前走と同じ中山ダ1800。本来なら1週前の牝馬限定戦が目標でしたが、除外のため牡馬との混合戦を走ることになりました。

 競馬を理解していなかった1戦目、途中でやめてしまった2戦目。調教で素質を感じさせる動きを披露しているのか、国枝調教師からも褒められるようになりましたが、課題がメンタルにあることは明白です。師もそのあたりを見極め、今回は馬が前向きな気持ちを持っている状態でレースに送り出してくれました。

結果

 オブシディアーナ、大きな躍進で4着と掲示板を確保!!!!はたから見れば馬券に絡まない、つまらない4着かもしれませんが、この4着はファイナルドリーム一族の初めての掲示板です!

 ということで、はりきってレースを振り返っていきます!

レース回顧

ラップグラフ

集計:3歳未勝利中山ダ1800 1月19日前後開催の過去10戦+今回

 これは、毎年1月19日前後に、中山・ダート・1800という条件で開催された3歳未勝利のレースを、10戦分集計してグラフにしたものです。黒が10戦平均、赤が相対的にハイペース、青が相対的にスローペースで、黄色が今回オブシディアーナが走ったラップのグラフとなっています。

 今回、ラスト1Fが右上に跳ね上がる特殊なグラフの形となっており、これは勝ち馬ロンパイアとそれに並入した2着馬オキョンピーの2頭が、脚を余していたことを意味します。結果、走破タイムは1:56.3と、10年平均のタイム1:57.2を0.9も上回りました。勝ち馬からわずかアタマ差及ばなかったオキョンピーですが、これも近い内に勝ち上がるレベルの馬だと考えられます。

 展開としては、テン3Fと1000m通過がほぼ10戦平均と近いため、前半はごく平均的な流れだったといえます。特徴的なのが中盤の4Fから6Fの加速区間で、コースでいうと向正面から3角にかけて一気にギアアップしています。この流れを作った逃げ馬にはキツいラップだと思いますが、2番手に着いたオブシディアーナにとってはもっと厳しかったようで、勝敗という観点ではここで振り落とされてしまいました。

 勝手な言い訳をすると、逃げたライズトゥザトップはスタートが抜群で、軽く押しただけでそれほど無理なくハナを取ることができましたが、オブシディアーナは残念ながらスタートはどちらかというと悪く、けっこう強引に番手に取り付いたので、序盤のポジション争いで余分に脚を使っていたと思います(もちろんスタートセンス含めて競馬ではありますが)。

 ただ、オブシディアーナは前3頭からは離されたとはいえ、後続の追撃は完封しており、4着という着順もさることながら最後まで競馬を完遂したという点で、大きな前進があったレースだと評価しています!

序盤

 前回は4コーナーの直線入口あたりで撮影しましたが、今回は直線の半ば、残り150m付近に陣取りました。もし勝つようなら、急いでウィナーズサークルで行われる口取り式の撮影に向かうためです。

 さてオブシディアーナ。遠目から見る限りはトラブルなくゲートに収まりました。

ゲートオープン!

 お?普通に出たかな?って押して前に出ようとしてる!

 予想していなかった菅原ジョッキーの積極策に、こちらが後手を踏んでカメラを構える余裕がありません。すっと目の前を通り過ぎるオブシディアーナ。あわあわしながらシャッターを切りましたが、正面からのかっこいい写真は撮れませんでした。

1周目はお尻しか撮影できず

中盤

 隊列が定まり、オブシディアーナは逃げ馬を眺める2番手に収まりました。新馬戦は出遅れて馬群の後方を着いていっただけ。前走はポジションこそ先行でしたが、実際はスタートが悪く、それでも教育のためか強引に前に行きました。そういう意味では、勝ち負けを意識して前へと自然に取り付いたのは初めてで、ずいぶんと競馬センスが向上しています。

 ほう・・・と思わず後方で腕を組みました。

 向こう正面でも位置取りは変わらず番手のまま。場内の大スクリーンを見る限りは、リズムよく運んでいるようです。もしかして、あるのか?

終盤

 しかし、その手応えの良さは3角まででした。残り600mを過ぎたあたりから、菅原ジョッキーの腕が動き始めますが、逃げ馬との差は縮まるどころか、むしろ開いていきます。これは、大失速して後続に飲み込まれるパターンか・・・?そんな予感が頭をよぎり、大敗を覚悟しました。

 せめて最終直線の勇姿をカメラに収めようと、フレームの中にいるオブシディアーナが4角を抜けてくるのを待ちます。

 外から勢いよくライバルが抜かしていきます。もう勝ちはない。あとはどれだけ負けるかだ。一体どれほどか・・・とこちらが勝手に心の整理を始めていると、直線を向いたオブシディアーナが懸命に脚を動かしています。何頭かには抜かされましたが、彼女が諦めたようにはまったく見えませんでした

 菅原ジョッキーは勢いよくステッキを振り下ろします。ライバルたちが蹴り飛ばす砂を全身に浴びながら、オブシディアーナは前だけを向いて走り続けます。

 どれだけ突き放されようと、1頭と1人の闘志は尽きることがありません。その走りは、今日のゴール板には繋がりませんでしたが、きっとこの先の未来に待つゴールへと繋がっているはずです。

 砂塵を切り裂いて、1頭の黒い牝馬が目の前を駆けていきました。たぶんこの日、競走馬オブシディアーナは誕生しました

感想

 4着?快挙だと思いました。そりゃ出資時は桜花賞だオークスだと大きな目標を勝手に高々と掲げますが、走ってしまえばそんな上手くいくことはほぼありません。でもそれは期待外れとは違います。実際にはその馬ごとの課題があり、競争の中でそれをクリアしてくれると、勝ちにも等しい喜びがあります。こういう視点を持てるのは、一口馬主ならではの楽しみです。

 この一戦で、オブシディアーナのメンタルが今後もずっと競馬に向かうとは限りませんが、少なくともこの日の彼女は、これまでになく立派な競争馬でした。

写真館

パドック

返し馬

最終直線(別カット)

レース後

おわりに

 これでオブシディアーナは、兄トラウムライゼが叶わなかったデビューを果たし、母ファイナルドリームが届かなかった掲示板にその名を刻みました。弟ファイナルドリーム23も決して順調とは言えないなか、中央競馬で孤軍奮闘する彼女が背負う想いは決して軽くありません。

 だから、勝ち馬から遠く離された4着ですし、タイム的にも大したことがないのはわかりますが、そういうのが全然気にならないくらい嬉しいし、大はしゃぎしています。まるで勝ったときみたいな気分です。

 でも、もうオブシディアーナが一族のために走るのは、ここまでで十分でしょう。あとは自分のために、ただ1頭の競走馬として走り、そしていずれは実際に勝利を掴んでほしいと願っています。

 一緒にがんばろうクロチビちゃん!いや、オブシディアーナ!!!!

おねがい

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使用機材

 カメラ CANON EOS R10
 レンズ RF100-400mm F5.6-8 IS USM

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