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ヒシミラクルに会ってきた 1

旅の目的

2022年初夏。1泊2日の日程で北海道の牧場めぐりに行ってきました。目的は、2002年の菊花賞馬・ヒシミラクルに会うこと。当時から大ファンで、菊花賞を含むG1を3勝したあと、繋靭帯炎でひっそりと引退してから、「いつかは会いに行きたい」と思っていました。それから生活に追われて17年。いろいろなタイミングが噛み合って、ようやく実現できました。

埼玉~新千歳空港

自宅は埼玉。新千歳空港までの飛行機は、6時15分羽田発で、始発で空港に向かっても間に合わない便のため、仕事を終えて前日の夜から出発です。

ナインアワーズ浜松町の看板

前泊の宿はナインアワーズ浜松町。21時くらいにチェックインして、シャワーを浴びて、4時起きの予定なので、22時には寝ることにしました。ベッドもシャワールームも綺麗で、寝るだけなら必要十分な、コストパフォーマンスの高いカプセルホテルでした。

ただ、夜中にチェックインした他の客の物音が伝わってくるため、初めてのカプセルホテルとあって熟睡はできませんでした。慣れれば大丈夫そうですので、今後の牧場見学の前泊にも使おうと思います。

あまり眠れずに4時になり、身支度を整えてモノレール浜松町駅に向かいました。が、

改札開いてないじゃん

来るのが早すぎて、まだ改札は開いていないし、人もいない。これならもう少しゴロゴロしていればよかった。

始発のモノレールで羽田空港へ。時間通りに飛行機に搭乗できました。ただ、機内に急病人が出てしまい、30分ほどの遅延となってしまいました。

新千歳空港の到着は、8時を少し過ぎていたでしょうか。そこからさらに、レンタカーの送迎バスを待ちます。東京は38度前後の猛暑が続いていましたが、この日は北海道は20度と、半袖では寒いくらい。さすが北国です。

岡田スタッド

最初の牧場見学は、10時30分にタイトルホルダーを輩出した岡田スタッド。当初は予定に入れていませんでしたが、タイトルホルダーの宝塚記念制覇を見て、急遽「聖地巡礼」に行くことを決めました。

新千歳空港からは、車で1時間20分ほどかかります。8時30分には出発したかったのですが、今度は送迎バスがなかなか来ない。久しぶりの旅行すぎて、予定通りに進まないことを想定しておらず、ちょっと焦りました。

結局レンタカーで出発できたのは9時すぎ。ナビ的にはなんとか間に合うようですが、知らない土地を急いで運転するのは少し怖い。それに、どこかのコンビニ(セイコーマート希望)で朝食を買うつもりでしたが、そんな暇もなくなりました。

ただ、そこはさすが広大な北海道という感じで、「日高自動車道」という自動車専用道路が無料で利用できます。実質高速道路みたいなもので、アメリカみたいだな、と思いながら快適なドライブができました。

おかげで、10時25分に無事岡田スタッドに到着です。

サウンドトゥルー

この旅で最初に出会った馬がサウンドトゥルーです。チャンピオンズカップを含むダートG1(Jpn1)を3勝したダートの雄です。馬主はタイトルホルダーと同じ山田弘氏。2012年にデビューしてから、2021年に引退するまで、68戦も走った「無事是名馬」の究極といっていいでしょう。今では激戦を終え、生まれ故郷の牧場に帰って、功労馬として余生をのんびりと過ごしています。

ガッチリした体つきで、引退してもまだ筋肉が落ち切っていない印象
牧草を食べているところを接写に成功

母父フジキセキということで、この日はフジキセキの大ファンという女性が、このサウンドトゥルー目当てに見学に来ていました。フジキセキの血統を追いかけ、競馬場にも良く通っているそうです。

フジキセキはサンデーサイレンスの初年度産駒として、ナリタブライアンに続く2年連続の三冠制覇を期待されましたが、4連勝した弥生賞後に屈腱炎を発症、引退しました。ナリタブライアンフィーバーに沸いた当時、「三冠馬」に憧れる思いは今より遥かに強かった上、自分もまだ幼かったですから、フジキセキの突然の引退には、落胆のあまりしばらく競馬を見られなかったことを覚えています。ただ、こうして、その子孫の活躍を目にできることは、競馬の喜びのひとつです。フジキセキの血は、今後キンシャサノキセキやイスラボニータが、さらに広げて行ってくれることでしょう。

オメガフレグランスの21

この日の岡田スタッドには、セレクトセールを控えた何頭かの仔馬も放牧されていました。「今年の目玉です」と紹介されたのがこれ。オメガフレグランスの21です。

オメガフレグランスの21

東京大賞典を4連勝中の、オメガパフュームの半弟と言った方が通りがいいでしょう。父がエピファネイアに変わり、芝適性が期待されます。ちょうど帝王賞が終わったあとで、オメガパフュームは善戦するも3着と惜しかったのですが、牧場の方も「帝王賞を勝ってればセールで億行ってたと思うんだよ~」と残念がっていました。

鼻の上を撫でたらくすぐったかったみたい

こんなお茶目な顔も撮らせてくれたオメガフレグランスの21ですが、セレクトセールでは2つ上の兄・ホウオウルーレットの馬主さんでもある小笹芳央氏に、8200万円で落札されました。ホウオウルーレットが先日2勝クラスでものすごい勝ち方をしましたし、馬主さん的にはこの血統にかなり手応えを感じているのでしょう。このレースがセール前なら、オメガフレグランスの21はもっと値段が上がっていたかもしれません。

オメガパフュームに続き、ホウオウルーレットも重賞を勝てる逸材ですから、オメガフレグランスの21にも大きな期待がかかります。できればこちらは芝のクラシックで見たいです。

ネオヴィクトリアの21

オメガフレグランスの21は、他2頭とあわせて放牧されていましたが、柵を分けてぽつんと1頭放牧されていたのがネオヴィクトリアの21です。

ネオヴィクトリアの21

「あまり食べてくれなくて体重が増えない」と紹介されただけあって、線の細いホスト風のイケメンさんでした。

母は中央で2勝。兄弟には今のところ、これといった活躍馬はいません。この馬の特徴は、レイデオロ×ディープインパクトということで、ウインドインハーヘアのクロスが成立しています。名牝のクロスは時に大物を産みますから、おもしろい配合です。セレクトセールでは2000万円で、新しい馬主さんでしょうか、岡本明日香氏に落札されたようです。

今回はここまで。続きます。次回はビッグレッドファーム!(写真なし)

(関連リンク)

ヒシミラクルに会ってきた 1(今ココ)
ヒシミラクルに会ってきた 2


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