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出資馬紹介③キングスコール(レインオンザデューン22)


はじめに

 バヌーシーの23年度募集が始まりました!募集前には、出資済みのファイナルドリーム22を除いて、すべて様子見とするつもりでした。

 しかし、募集馬の発表から開始までのあいだに更新された動画を見て、大きく手のひらを返さざるを得なくなった馬が1頭。最終的にはレインオンザデューン22に出資することに決めました。

 今回は、そのレインオンザデューン22の魅力について、あれこれと語っていきます。呼び方は、まだ名前が決まっていませんので、ここでは親しみを込めて「レインくん」とします。

 10月から名前の公募が始まるとアナウンスされていますので、バヌ民の叡智を結集させた、素晴らしい名前がつくのが楽しみです。

第一印象

セレクトセール2022動画

 レインくんを始めて見たのは、当歳時のセレクトセールの映像です。

 入場直後に植木に突っ込んで、カッとなって走りだそうとしたり、リードにいらだって後ろ脚で立ったり、引き手の人を攻撃するために前脚を持ち上げたりと、とにかく気の悪さが全開。退場するときもまた植木に突っ込んだあげく、ガンつけて去っていきました。なんなんだこの馬・・・。

 毛色は、吸い寄せられるような黒でも、輝くような明るい茶でもない、地味な中間色のこげ茶で、ハリもツヤもよくわからない馬体でした。

 対照的に、同じ日にバヌーシーが落札したもう1頭のドゥラメンテ産駒であるリトルモンスター22(以下「リトルくん」)は、微動だにしないモデル立ちで、鮮やかな栗色の馬体に派手な金髪も相まって、華やかなスター性を備えていました。

レインくんカタログ画像

 レインくんのセレクトセールのオンラインカタログの画像も見てください。目がギョロっとしていて、毛がぽそぽそしていて、雑草感あふれる佇まいです。体形は寸胴のようで、距離適性はマイルくらいになりそうだと思いました。

リトルくんカタログ画像

 リトルくんのオンラインカタログはこちらです。これがまた、利発そうな顔つきで、健康そうな明るい栗毛で、胴と四肢のバランスが良く、社台生産のエリートらしい上品さがあって、クラシックを目指せそうな中距離馬になりそうな雰囲気なんです。

2頭のドゥラメンテ産駒

 同じセールでバヌーシーに落札されたドゥラメンテ産駒の牡馬として、共通点の多いこの2頭は、自分だけでなくバヌ民なら皆ずっと比較し続けていたのではないでしょうか。

 個人的には、気性という点でも見栄えという点でも、陰のレインくんに陽のリトルくんといった印象で、事前の評価としてはダントツでリトルくんに軍配を上げていました。

血統

 血統からの分析は以前の検討会の方で詳しくやりました。

 レインくん部分の要約は ①父ドゥラメンテに母サドラー系は相性が良さそう ②距離が短めに出そう という感じで、他に ③気性面での成長が必要で育成牧場が重要 ④価格はリーズナブル というポイントを挙げました。

 「レインオンザデューン22は、4頭の中では一番安く募集されそうで、できればこの仔のデキが良かったりすると嬉しいです」とは書きましたが、実のところ同じドゥラメンテ産駒ならリトルくんの方に興味を持っていましたから、この時点で出資するつもりはほとんどありませんでした(ひでえ)。

気性

 これまでまったく評価されてこなかったレインくんは、出資馬の選定を競馬に例えれば、後方で馬群に包まれていたわけですが、そこから大外一気の大逆転を決めたのが一連の動画です。更新順に紹介します。

歩様動画その1

(2023.6.22撮影)

 とはいっても、最初に公開されたこの動画では、あまり魅力を感じませんでした。全頭のレビューをまとめたノートで、レインくんのレビューも書いています。

 ①ドゥラメンテに似ないゴツゴツした各部位の作りの大きさ ②全体的にゆるく母系の欧州的な奥手さが出ていそう ③クビを前に出してひょこひょこした動きが好きじゃない ④芝向きの柔らかさはある といった感想で、ハービンジャー産駒みたいとすら思いましたし、「ドゥラメンテらしさを求めると、たぶん違う」というのが結論でした。

生産者インタビュー

(2023.7.31撮影)

 これまでチェックしてきた項目のほとんどで赤点を取り続けてきたレインくんに対して、一転して手のひらクルーっとしたのがこの動画です!

 飛野社長の味わい深い話しぶりに魂を持って行かれないよう、あえて音をミュートして、馬体と歩様に集中して見ていました。

 これが1つ目の動画とはまるで別馬で、力強さと柔らかさが同居した素晴らしい踏み込みに加え、人間を屁とも思っていないプライドの高さ、そして野生馬のような猛々しさを全身で表現する姿に、すっかり心を奪われてしまいました。

 そして、画面の奥まで歩いていってターンして振り向いたあと、クビを振り上げてこちらを睥睨した三白眼。これが最後の決め手でしたね!

 1年前、植木にケンカを売っていた仔が、牧場の王として(これは完全に想像)、各段にスケールの大きい若駒に成長してくれました。

 近年は愛嬌のある馬がもてはやされていますが、その軟弱なトレンドに逆行するようなレインくんの不遜な態度は、「引かぬ!媚びぬ!顧みぬ!」という名言を残した北斗の拳のサウザーさんのようで、とってもかわいいです♡

歩様動画その2

(2023.7.31撮影)

 2番目の動画と同じ日に撮影されたはずですが、やる気が失せてる印象で大人しく歩いています。でも最後は鼻膨らませて変な顔します。なんなんだこの馬・・・。

 正直、走りそうと思った馬は他にいます。でも、これほどキャラが立っている仔はレインくんしかいませんでした!

価格

 レインくんの募集総額5200万円は、20%のキャッシュバックによって、実質4160万円でした。予算は4000万円を上限に考えていましたので、わずかに足が出てしまいましたが、許容範囲内で収まってくれたのはありがたかったです。

 シルクやキャロットのドゥラメンテ産駒の価格を見ましたら、ノーザンファーム産の牝馬で3500万円からとなっていましたので、日高産の牡馬のレインくんが4160万円なら妥当というところでしょうか。キャッシュバックがないと割高感はあります。

厩舎

 リトルくんと比べて地味な立ち位置にいたレインくんが、一気に注目されたのが、担当する調教師の名前です。世界のYAHAGIこと矢作先生に預けられることが発表され、さらにその後、先生があらかじめ目をかけていたことが判明しました。

 矢作先生だからと、レインくんの評価を上げるつもりはありませんでしたが、やっぱり日本のトップ調教師が面倒を見てくれるというのはポイントが高く、出資にあたってのプラスアルファの魅力になったのは事実です。「この価格で矢作先生に預けられる馬なんて、この先出てこないかもしれない」とも思いました。

 とはいえ、日本あるいは世界中から走りそうな馬を集めてくる矢作厩舎だけあって、厩舎内での序列争いは熾烈です。積極的にレースに使ってもらうためには、自分の資質を師に認めさせ、一定のポジションを築く必要があるでしょう。その意味では、レースに出る前から競争は始まっています。

 エリート集団に混ざったヒールという意味で、サッカー漫画・アオアシの阿久津クンのようなイメージを持っています。阿久津クンは攻撃的な性格で第一印象は最悪ですが、屈強なフィジカルと貪欲な向上心で、年代別代表に選ばれるほど成長しました。レインくんにもこれくらいの活躍を期待します!

出資RTA

 レインくんは、もともとドゥラメンテのラストクロップということで注目されてはいましたが、矢作セレクトが判明したことで、バヌ民からの期待値が爆上りしました。自分も出資を決めましたが、昨年レイデラルース(カンデラ21)が1時間もせずに満口になったことから、それ以下の時間で売り切れるだろうと予想していました。

 仕事を定時で終えて帰宅途中、募集開始の18時ちょうどにスマホでログインしましたが、アクセスが集中して全然画面が読みこみません。でも、みんな同じ状況だろうとタカをくくっていました。ところが、5分ほどして出資画面まで繋がると、すでに半分以上売れたことを示す黄色の文字が目に入り、あと5分で満口になるのではないかと、ものすごく焦りました。

 そこからも操作が重く、なかなか次に進みません。何度もリロードして、祈るような気持ちで1つずつ操作をやり直して、18時10分になんとか出資が叶いました。出資完了の画面はホワイトアウトして見れませんでしたが、メールが届いてくれて、ぐったりと肩の力が抜けました。

 その後、18時17分に満口ということで凄まじい人気ぶりでした。事前に検討を進めておいたので、当日迷わず出資する心の準備をしておいたのは良かったです。

展望

 当歳の頃は寸胴でマイラーかと思いましたが、今見ると中距離向けに胴が伸びていますので、身体的にはダービーまで充分に持つと思います。

 一方で、気の強さが悪く作用すると、ゆったりとした追走ができないため、気性的には結局マイルくらいで落ち着く可能性はあります。このあたりは矢作先生に何とかしてもらうしかないでしょう。

 母に流れるハイペリオン直系の零細血脈によって、意外な活力が発揮され、競走馬として爆発力を生んでくれれば、面白い存在になりえると思っています。

 できれば、1番人気で迎えたG1で、スタート直後に立ち上がって出遅れるくらいの大物になってくれると嬉しいです。

 やったれ!!

(ᐡ`-ܫ•´ᐡ) ニヤリ

これまでの出資馬

ウィープディライト

ドリームクルーズ

書いた人

 このノートを楽しんでいただけましたら、ぜひ「スキ」を押していってください。次回のモチベーションになります。

 メジロマックイーン対トウカイテイオーの天皇賞・春が、競馬に関する最初の記憶。母がテレビ観戦しているところを、興味なく横目で見ていた。レース後、母は嘆いていたから、トウカイテイオーを応援して馬券を外したらしい。

 数年後、ウイニングポストやダビスタに触れ、本格的に競馬に目覚める。ナリタブライアンからディープインパクトまでの時期に熱中。一番好きな馬はヒシミラクル。2022年には牧場まで出向き、十数年越しに初めての対面を果たした。

 ディープインパクトの引退と時期を同じくしてプライベートが忙しくなり、しばらく競馬から離れる。それでもオルフェーヴルの凱旋門賞チャレンジは、リアルタイムでテレビ観戦した。

 ウマ娘ブームをきっかけに本格的に競馬に帰還。以後、予想記事を書いたり、血統を調べたり、牧場見学に行ったり、一口馬主になったりと、競馬が趣味の中心となりつつある。

 犬と馬が好き。

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