ウィープディライト 3歳未勝利 観戦記
過去の観戦記
1 2歳新馬
はじめに
年明けのJRA3日開催の最終日である2024年1月8日、京都競馬場6Rで、バヌーシー所属の出資馬ウィープディライトの2戦目が行われました。
条件は京都外回りの芝2200m。新馬戦は京都内回りの芝2000mでしたので、単純な距離延長に加えて、直線も長くなりました。スタミナはあるけれども、エンジンのかかりが遅い(?)ウィープディライトの特性を考慮したレース選択のようです。
例によって、関東から淀まで遠征してきました!前回は、観光を兼ねて2泊3日の旅程を組んでいましたが、今回は日帰りの強行軍。しかし、ウィープディライトは、それだけの価値ある走りを見せてくれました!!
結果は・・・
みごと1着!!!!!!!
一口馬主として初めて選んで出資した仔が、2戦目にして早くも初勝利をプレゼントしてくれました。ほんとうに嬉しいです!しかも写真判定の大接戦。興奮が冷めないまま帰宅して、リプレイを何度も観ながらこの観戦記を書き始めました。
写真もたくさんアップしましたので、ウィープディライトファンの方に楽しんでもらえれば嬉しいです!
レース回顧
ラップグラフ
レースは、道中12.5秒以下のラップを刻む区画が多かったにも関わらず、上がり3Fがとても遅く、35.3-37.3というけっこうな前傾ラップとなりました。50.0を基準とするRPCIも、平均よりやや速いペースを意味する48.7を示しています。
この日の京都競馬場は良馬場発表でしたが、未明に降った雪の影響か、見た目以上に緩く、タフネスが要求される時計のかかる馬場になっていました。1000m通過がほぼ1分ジャストというのは、軽い芝なら平均的なペースですが、今日の芝だと速かったことになります。
ただし、前崩れというほどのことはなく、掲示板に載った5頭のうち、3頭が先行、2頭が差しでした。つまり、勝敗を分けた大きな要因は、展開の有利不利ではなく、この特殊な馬場に適応できるかどうかでした。
ハービンジャー×ワークフォースのオリエンタルナイトが2着に来た理由は、重い馬場を得意とする欧州血統が活躍しやすい馬場だったからではないでしょうか。
ともあれ、ウィープディライトにとっては、初戦はスローペースからの末脚比べという日本競馬らしい展開から一転、2戦目には欧州競馬のようなタフな戦いが待っていたことになります。なかなかハードな経験となりました。
序盤
新馬戦では出遅れたウィープディライトでしたが、今回はちゃんとスタートを決めることができました。とはいえ、どちらかといえばゲートは苦手な印象。わずかに出足がつかなかった分を二の足でカバーして、ジョッキーに少し促されたら、馬なりで前に行きました。
18頭立てのレースなので、位置取り争いがごちゃつくようなら嫌だな、と思っていましたが、それほど前は忙しくならず、比較的すんなりと好位を確保しました。出遅れて大外を回るはめになった新馬戦とは、真逆の競馬です。ウィープディライト成長してる!
中盤
内の4番手という、理想的な位置取りで向こう正面へ。隊列が決まったあとは大きな仕掛けはなく、淡々とレースが進んでいきます。
終盤
4コーナーを過ぎて直線の勝負どころです。内ラチ沿いを走っていたウィープディライトはそのままインを狙いましたが、逃げる2番がスペースを潰します。
ならばその外をと、ジョッキーが手綱を左に引くと、ウィープディライトは戸惑ったのか、まったく加速しません。それどころか、一頭だけ集中せず、横を向いてふわふわとしています。この一瞬の隙に、ライバルたちがこぞって外から抜かしていきました。
それは、今まで幾度となく見て来た、負ける馬のよくあるワンシーン。先行馬が一杯になって直線で下がっていく光景に似ていました。観客目線としては、正直この時点で勝ちを諦めるほどの手応えの悪さ。せめて3着に入って複勝を回収させてくれ・・・。
そうやって後手を踏み残り300m。時間にしてわずか1秒ほどの悪夢を振り払うように、鞍上松山騎手の渾身の左ムチが唸ります。一発、二発と気合いを入れられて、ようやくウィープディライトの目が覚めました。顔が正面を向くと、前を行くライバルたちの間に突っ込みます。えっそこから勝ち行くのお前!?
残り100mで壁を割って、一歩一歩差を詰めていきます。凄い勝負根性。ゴール直前、ついにウィープディライトがライバルに並び、わずかにハナをねじこんだようでした。しかし、大外から勢いよく14番が飛んできて、同時にゴールを駆け抜けました。脚勢は完全に14番の方が上でした。
感想
入線直後
自分が観戦していた位置からでは、ウィープディライトは差し切られているように見えたので、がっくりと肩を落としました。仮にここで負けていても、気持ちを切らさず応援を続けるつもりで出資しています。しかし一方で、総額1億円という超高額馬にベットした本音は、最低でも重賞クラス、もしかしたらG1まで勝てる器だと期待しているからです。
でも、どんなに素質があろうと、ほんのわずかな巡りあわせで勝てない馬はいくらでもいます。運も含めて実力といえばそれまでですが、この先も未勝利を脱出するために、今日のような死闘を続けないといけないのかと思うと、競馬の厳しい現実を突きつけられた気持ちになりました。
写真判定
ふと我に帰ってゴール後のウィープディライトの方を見ると、負けた馬のようにすぐに帰る素振りがありません。勝敗は写真判定にもつれていました。慌てて近くまで駆け寄り、シャッターを切ります。
判定の結果はすぐに出ませんでしたが、ウィープディライトをとりまく人々の空気がどこか明るく、柔らかで、もしかしたら勝ってるのか?とようやく思い始めました。
優勝!
しばらくして場内がどよめき、カメラを覗くのをやめて振り返ると、電光掲示板の1着のところに、ウィープディライトの番号である「6」が点っていました。
勝った、と書けなかったのは、「負けたと思っていたのに勝ってる」という意味だからです。勝てると信じて出資して応援しているのに、実際に勝つとすぐに信じることができないという、なんとも不思議な気持ちでした。出資馬の初勝利は奇跡の形をしていました。
写真館
ここからは、写真を中心にこの日のウィープくんの様子をお伝えしていきます。
パドック
返し馬
レース後
おわりに
展望
よく競争馬の特性を、持続力型(ハイペースに強い)とか瞬発力型(スローペースに強い)とか分類することがありますが、真に強い馬だと、それが役に立たないことがあります。ペースなんか関係ないほどの馬が存在し得ることは、つい最近イクイノックスが証明しました。
現状のウィープディライトの能力査定をすると、少なくとも3歳未勝利レベルであれば、ハイペース(今回)もスローペース(前走)も関係ないくらいに強い馬のようです。早い内にもう1勝はできるのではないでしょうか。
今回は、ハイペースを先行し、勝負どころで集中力を一瞬失うも、盛り返して馬群を割る強い競馬でした。騎手の指示通りのタイミングで仕掛けることができていたら、写真判定のハナ差ではなく、もっと余裕を持って勝っていたはずです。
また、前走はスローペースを後方でふわふわと遊び、大外を回りながら勝ち馬(ホープフルSで4着のアドミラルシップ)と遜色のない内容でした。
ウィープディライトは、今回勝利を上げましたが、いまだに子供っぽすぎて競馬を理解しておらず、まだまだ底を見せていません。馬体についてもトモが緩いと評されていますし、心身ともに本格化が先なのが明らかです。
ちょうど今年の5月くらいに覚醒してくれれば、多くの人の夢を乗せて大舞台を走る彼を見られることができるかもしれません。少なくとも、まだその夢を、期待を、希望を抱かせてくれる馬です。
ありがとうウィープディライト!
ダービー(ᐡ`•ﻌ•´ᐡ)イクゾ!!
使用機材
カメラ CANON EOS R10
レンズ RF100-400mm F5.6-8 IS USM
注意事項
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