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DMMバヌーシー 2024年度1期募集馬 ファーストインプレッション
はじめに
バヌーシーの1期募集のメンバーが公開されました!
牡馬5頭、牝馬5頭の計10頭です。他にもセリでの落札馬と自家生産馬を合わせると8頭いますので、彼らが2期に回る形となりました。うむむ、もどかしい!
今回は、1期募集の10頭について、募集開始時に公開された血統・馬体写真・サイズ・歩様動画を見て、思ったことをツイッターXよりも本音で率直に書いていきます!なお、先行募集の4頭はすでに別のノートに書いていますので、そちらも楽しんでいただければ!
また、今年からコントレイル産駒が募集されます。各クラブがエース格に位置づけており、バヌーシーも今回の10頭の中に2頭も投入してきました。コントレイルについては特別に考察しました。こちらもよろしければ!
要約すると、コントレイル産駒で三冠を目指す配合の課題は、スタミナと底力の強化であり、それを実現するために欧州中長距離血統を持つ牝馬との相性がいいのではないかという内容です。
それでは、ここからが本題。1期募集馬のファーストインプレッションになります。どぞ!
スウィッチインタイム23
(血統)コントレイルきたー!母父ガリレオは、スタミナと底力の強化をしたいというオーダー通りで、父ディープだと重すぎるが、父コントレイルならむしろバランスがいい。面白いのが、アメリカの軽快なスピードを伝えるファピアノをクロスしているところ。総じてスタミナとスピードそれぞれに配慮した好配合。牝馬三冠路線は十分に対応できそう。
(馬体)ころんと丸っこい体型。トモはまだまだ肉がほしいが、胸前は容量がある感じ。筋肉の質は柔らかそうで、牝馬らしくバネを活かす競馬ができるかも。
(サイズ)全体的に小柄。管囲19.5センチと最低限はクリアしているが、気になる人もいる水準。ただ馬体重は428キロあるから、デビュー時には標準的な大きさに育ってくれそう。
(歩様)サイズはものたりなかったが、動かすと印象が一変。後ろ脚は力強く踏み込みが深い。前脚は可動域が広く滑らか。全身に連動性があって、体をいっぱいに使った走りが今から想像できる。歩様という点では、先行募集と1期募集の中では最上位。
(総評)さすがの矢作セレクト。血統構成は理想的で、運動神経もかなり良さそう。高額馬ではあるが、コントレイル産駒はどのクラブも高価だから、キャッシュバックを使えば総額1億円相当で出資できるのは良心的だし妥当。1期募集の中から牝馬三冠を目指すならこの馬1択。
スティールパス23
(血統)サートゥルナーリアも、クラシックを目指すなら牝系からスタミナを補強したいところ。その点、母父ネオユニヴァース、母母父ブライアンズタイムはスタミナがある種牡馬なので歓迎。ただ、ストームキャットクロスはスピード強化の反面、短距離やダートに寄る可能性もある。芝がダメならダートに行けると考えられるならあり。
(馬体)トモがまんまるで立派!筋肉の質は、柔らかさと硬さの両方を兼ね備えてそうでいい。胸前の深さだけはもの足りない。蹄が4つとも白いことから、ケアは他の馬よりも気を使うはず。
(サイズ)管囲19.6センチと、牝馬のスウィッチインタイムに近い数値。胸囲も同様で、各部位のサイズについては、高額馬だけにちょっと注文が出そう。
(歩様)後ろ脚の踏み込みの深さはあるが、力強さが今一歩。なんかペタペタした歩き方という印象。全体的に滑らかさは及第点で、ダートよりも芝かと思わせる。
(総評)福永セレクトということで注目していたが、ファーストインプレッションとしては、高額馬に求める突き抜けた何かを感じることはなく、良くも悪くもまとまりのいい馬という感想。ここからどう変わっていくかを楽しみに見守りたい。
シスタリーラヴ23
(血統)きたきたコントレイル牡馬!母はアメリカ系ながら、珍しくスタミナに富むタイプ。ガリレオほどがっつりとスタミナ強化はされないが、中距離なら不足はない。5代血統表の奥にあるインリアリティのクロスがスピード強化の隠し味。いかにも2000mがベストで、ダービーまで視野に入る。最後の一冠、菊花賞となると少し底力が足りないか。
(馬体)体高があり、胴と脚が長く、骨が太い。バランスが整った好馬体。今回の高額馬3頭の中では、もっとも見栄えがいい。筋肉の質はやや硬めの印象。芝でもダートでも走りそう。
(サイズ)この体格で456キロしかないの?絶対これから大きくなる。デビューする頃には、500キロ前後のちょうどいい大型馬になると予想。各部位も必要十分以上のものを備えていて理想的。
(歩様)ずいぶんとゆったり歩くけど、これ歩幅が大きいのか。後脚の踏み込みの深さ、力強さは素晴らしい。対照的に、前脚のさばきはイマイチで、後脚が生んだ推進力を止めてしまっている。このあたりが成長待ちの部分。
(総評)まだまだ荒削りながら、いくつもの魅力が光る原石。半兄ディープモンスターが届かなかったダービー制覇を、1期の募集馬で目指すならこの馬かな。コントレイルの本格牡馬という魅力もある。
メジャーマジック23
(血統)母自身は1勝馬とはいえ、ソーマジック牝系の良血馬がバヌーシーに。血統ギミックとしては、ヘイルトゥリーズン×ノーザンダンサーの相似クロスが3本成立。日本競馬との相性面では間違いのない配合ではあるが、気性・体質面では心配が残る。主戦場は、父と母父から素直に考えると芝1800m。
(馬体)こちらも体高があって、胸前が豊かで、トモにボリュームのある好馬体。立ち姿は、同じ牝馬のスウィッチインタイム23より上に取りたい。胴が長く、血統のイメージよりは距離延長に対応できそう。素直にいい馬。
(サイズ)でかいね!牡馬のシスタリーラヴ23をさらに一回り大きくしたサイズ感で、牝馬にしてはかなり恵まれた体格。仕上がりが早そうで、早期デビューを目指せそう。
(歩様)んんん??スウィッチインタイム23とは反対で、動かすと良くないタイプか。歩幅が狭く、力強さを感じられず、漫然と歩いている印象。残念ながら、1期の募集馬の中ではワースト1位を争う歩様。
(総評)血統よし!馬体よし!サイズよし!ときて、歩様で評価がガタ落ちという珍しいパターン。しかし、牝系には魅力があるし、素材もずば抜けていいわけだから、これからの育成次第で大きな変わり身は期待できる。募集価格は落札価格よりだいぶ値引きされているので、歩様が改善されれば一気にお買い得に。
ヴィンクーロ23
(血統)キンカメよりボリクリっぽいレイデオロは、種牡馬としてはタフネスや持続力を産駒に伝えるタイプ。母父キズナとの配合でハーヘアクロスが成立することから、スタミナや底力も強調される。なので配合としてはダートに出そう。しかし、未完の大器に終わった母ヴィンクーロのスピードを引き継ぎ、芝の王道路線での活躍を期待したい。
(馬体)まだちょっと馬体が薄いけど、なかなか整った立ち姿で、なんとなく筋肉のつき方が良さそうな気がする。胴は長く、血統からのイメージに近い中距離タイプ。つなぎは立ち気味なので、やはりダートかな。
(サイズ)初仔にしてはごく標準的な大きさに育つと思う。特に管囲21センチが頼もしい。丈夫な競走馬になれる。
(歩様)これも歩様は良くない。歩幅が狭くてせかせかした歩き方。それ以上に、落ち着きなくクビを動かしていて、集中力がなさそう。気性面に大きな課題を感じた。
(総評)優秀な母の仔、それも牡馬ということで期待していたが、こちらも歩様でマイナスがつく結果に。レイデオロの繊細さも伝わっているようで、気性も難しそう。関東の牡馬で木村厩舎、3600万円募集というのは個人的には大歓迎のカタログスペックなだけに、これからの良化を期待している。
アポロフィオリーナ23
(血統)スニッツェルは母父に入っても短距離馬を多く輩出。その上、本馬も5代血統表の奥でインリアリティのクロスが成立。これによりスピードの爆発力が高められる一方で、ハーツ由来のスタミナは減退しそうな印象。そう考えると距離適性はマイルまでか、あるいはダートに出る可能性もある。
(馬体)寸胴気味で丸っこい体型は、やはりマイルまでというイメージを強くさせる。トモは小ぶりだけど、まるっとしたいい形を持っている。全体的に幼い印象が強く、他の馬以上に成長による変わり身が期待できそう。
(サイズ)馬体写真は幼く見せていたが、各部位のサイズは必要十分。これからさらなるサイズアップが予想され、けっこうな大型馬になるかもしれない。
(歩様)前脚のさばきはイマイチで推進力がロスしがちだが、後ろ脚の踏み込みが深く力強さもまあまあ。躍動感にあふれるとまでは評価できないが、全身の連動性もそれなりに取れており及第点。つなぎは柔らかく、これなら芝で行けそう。
(総評)初めて存在が判明したスワーヴリチャードの牡馬。隠し玉だけあって、こうしてひとつひとつ見ていくと欠点があまり見当たらなかった。突き抜けた何かは持っていないかもしれないが、平均点が高いタイプ。問題は栗東所属なので現地応援しづらく、マイラー想定なのでそれを許容できるかどうか。
ヴィヴィッドヴィジョン23
(血統)牝馬だけど待望のキタサンブラック産駒。母父ヴァーティフォーマーはデクラレーションオブウォーの半兄で、ロベルト系ということもあって日本芝への適性が期待できる。しかし、母系に瞬発力を強化する血が少ないことから、中距離で緩急の少ないハイラップの持続力戦に向いてそう。
(馬体)クビと脚が長く、バランスが悪く見える。これだけクビが長いと、しっかり頭を使って走れるかどうかが、競争能力を発揮させる鍵になりそう。トモはやや薄いが、肩の筋肉はしっかりついている。血統のイメージ通り中距離向きっぽい。
(サイズ)馬体を大きく見せているけど、各部位を見ると標準的。やっぱりクビが長いところが見た目のインパクトになっているんだと思う。ちなみにこの特徴、母父ヴァーティフォーマーに良く似ている。
(歩様)全身の連動性が低くて、まだ四肢だけで歩いている感じ。歩幅が一定ではなく、体を持て余している印象。ときおり見せる深い踏み込みは「おっ」と思わせるので、乗り込んで良くなっていく可能性は十分ある。
(総評)歩様に課題を残すも、欠点の少ないお値ごろキタサン牝馬。ただ、キタサンブラックはコルトサイアー気味なので、募集価格が上がったとしてもこれが牡馬だったらなあとは思う。顔つきは利発そうで好き。
モードフランス23
(血統)父は芝ダート兼用のスピード種牡馬・マインドユアビスケッツ。母は菊花賞馬・アサクサキングスの仔なので、底力に優れたスタミナ豊富な血統。父が持つ北米的な軽さで、母の欧州的な重さを中和する意図か。噛み合えば父からスピード、母からスタミナを受け継ぐはず。ダート中距離で勝負根性を発揮するイメージ。
(馬体)4本の脚に均等に体重が乗る、きれいな立ち姿は好印象。肉付きそのものは特筆すべき長所も欠点も見当たらず、平凡といえばそうだし、まとまりがいいといえばそう。
(サイズ)牝馬ながらすでに478キロ!牝馬は体重で苦労することが多いから、その心配がなさそうなのは良い。立派な馬格がありながら、しっかり地面を踏みしめて立てるというのは、それだけでも才能。
(歩様)ありゃ、この仔も歩様で減点。踏み込みの力強さはあるが、歩幅が狭く、前脚のさばきは硬い。トボトボとした歩き方で、せっかくの大きな体を活かせていない。
(総評)馬体は恵まれたものを持つが、歩様がまだそれについてきていない。血統も地味なので、馬自体の良さを発揮してほしいところ。素材はいいので、今後の変わり身に期待。
ランプフィーバー23
(血統)父クリソベリルは、ゴールドアリュールの後継者にして、エルコンの血を現代に復活させようとするヴァーミリアンの再来。母父ゴーストザッパーは、デアリングタクトを重馬場で退けたギベオンのイメージが強く、その母コンテスティッドとランプフィーバーが同血の姉妹ということで、本馬への期待も高まる。総じて、ダート向けのスピードと底力が詰め込まれた好配合。
(馬体)トモがまだ小さめで、胸前もやや物足りなさが残る。ただフレームがしっかりしているので、肉がつくのはこれからか。実際、重心が上にあってまだまだ幼い雰囲気。成長期はこれからという感じで、大きな変化が待っていそう。
(サイズ)馬体重が432キロしかないのか。そのわりには大きく見せているのはいい。4月生まれでこのサイズなら、標準以上の馬格になるはず。
(歩様)ちょっとのっそりはしているが、後脚は深く力強い踏み込みができており、前脚もそれなりに可動域が広そう。推進力のロスが少ないスムーズな歩きで合格点。
(総評)安価なのに出来がいい。茶木厩舎に行くとあって、今年のベルウェザー枠はこちら。馬に文句はないが、関西でダートで牝馬というプロフィールが、個人的に求めているものと真逆なのが悩むところ。
アイワナシーユー23
(血統)父も母もサンデー×ノーザンテースト×ミスプロの相似配合。その中で唐突に現れる異系の英国スプリンター・アホヌーラがスピード強化のアクセント。キセキ×ステゴなら基本はステイヤーだとは思うが、ロンドンブリッジやワナダンスの影響が濃いと短距離に出る可能性もある。チャレンジ精神の塊のような未知数の配合。
(馬体)まるっとしたトモに、しっかりした胸前もある。肩のあたりなんか意外と筋肉質で、馬体写真そのものは1000万円の馬とは思えないくらい良くまとまっている。
(サイズ)馬体重390キロ。これが安い原因か。体高も低く、成長しても小柄で収まるのは間違いなさそう。ただ、小さいなりに胸囲がそれなりにあるため、心肺機能の高さは期待できる。
(歩様)後ろ脚の踏み込みはまあまあ深く、そこそこ力強い。前さばきがもっと上手くなればと思うが、決して悪くない歩様だと思う。
(総評)小ささを気にしなければ、案外に欠点が少ない好素材。ノルマンディー募集なら即満口なのではなかろうか。目指せクラシックという馬ではないが、血統面で未知の魅力があり、読み通りステイヤーに出てくれるのであれば、価格以上には楽しませてくれそう。
おわりに
厳しく評価した仔もいたので、気を悪くした方がいたらごめんなさい。
初回の動画でよく見えなくても、今後更新される動画でどんどん良化する仔がいるから、ファーストインプレッションの先入観にとらわれないで検討を続けよっと
— いぬたい珈琲@rofo (@rofokan) August 7, 2024
とにかく確定はレインオンザデューン23だけ!
でもそうすると、募集時期が1か月半後ろ倒しになったのと同じなんだわ・・・
今回、1期募集馬を精査して思ったことは、「ジャストイマジニング23のデキ良すぎだろ・・・」ということでした。そのため、来年以降も運営側が自信を持てる馬は400口で先行募集されると予想します。
400口はクラブのプレミアムセレクションみたいな位置づけにしたいんだろうなー
— いぬたい珈琲@rofo (@rofokan) July 25, 2024
馬選びで迷ったら、バヌの400口買っとけば高確率で当たりが出るよ!みたいに
ジャストイマジニング23、まだ動画見られてないけど、馬の出来にはかなり自信がありそう
本当にそうなれば、先行募集は様子見ができないわけですから、出資戦略をちゃんと持って臨まないと、欲しい馬が買えなかったり、意に沿わない出費になったりしそうです。
さて、こうして時間をかけて1期募集馬を見てきて、改めて良い馬と思った仔は5頭います。その中で予算オーバーのスウィッチインタイム23とシスタリーラヴ23を除くと、以下の3頭になります。
アポロフィオリーナ23
ランプフィーバー23
アイワナシーユー23
ただし、こちらとしては「芝クラシックを狙える関東の牡馬」が注文なのですが、アポロフィオリーナ23は関西でマイラー、ランプフィーバー23はダートで関西で牝馬、アイワナシーユー23はそもそもクラシック狙いの血統ではない、というあたりに出資に踏み込めない理由を抱えています。
現状、キングスコールの妹であるレインオンザデューン23に心を決めていることもあり、1期募集は様子見しつつ、2期募集を待つことにしますが、3頭ともその前に満口になりそうで、とても悩ましいです。
駆け引きするつもりはないので正直に言いますが、アポロフィオリーナ23とランプフィーバー23はまじでイイ!と思っています。アイワナシーユー23はロマン枠だけど。
もしバヌがレインオンザデューン23を競り落としていなければ、おそらく1期募集開始直後に、まずアポロフィオリーナ23に1口出資していると思います。ランプフィーバー23は、それでも関西ダート牝馬が自分の注文と正反対なので、2期募集前に満口になるなら諦めでしょうか。
レインオンザデューン23以外に、2期募集で気になるのはファイナルドリーム23です。今判明している2期の牡馬で、血統面から芝クラシックを目指せそうなのはこの馬くらいと思っています。キタサンブラック牡馬をひっそり確保している、なんてサプライズなんかがあったらいいのですが。
馬の成長を想像し、どの未来にベットしようか、あれこれと検討している今が一番楽しい時期ですよね!ツイッターXやノートで、皆さまが書かれる検討内容も、楽しく読ませてもらっています。実際に出資を決めた馬が出たら、また報告したいと思います。
ここまで読んでいただいてありがとうございます。皆さまに、いい仔との出会いがあることをお祈りします!
ʕ•ᴥ•ʔ♥
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