見出し画像

POG24-25シーズン 指名馬10頭


はじめに

 日本ダービーが終わりました。勝者はエピファネイア産駒のダノンデサイル!!皐月賞をトラブルで回避してからの見事な巻き返しに、馬と陣営が一体となった力を感じました。

 そんな余韻に浸る間もなく、同時に考えないといけないのが来期の指名馬たち。各所では指名大会が始まり、自分としても身内のドラフト会議を先日終えたところです。

 今回は、毎年このノートの企画としている「ひとりPOG」の指名馬10頭を選びましたので、その紹介をしていきます。ここで選んだ10頭は、そのままJRA-VANとnetkeibaのPOG大会に登録し、両方で上位を狙います!

 なお、何でも自由に指名できるというのはかえって味気ないので、例年通りいくつか縛りを決めています。指名馬の紹介のあとにルールの解説をしましたので、興味のある方は読んでみてください。

 では、指名馬の発表です!!

POG指名馬

牡①フィブリーレン

父   オルフェーヴル(350万)
母   ヴァイブランス
母父  ヴァイオレンス
調教師 菊沢隆徳 (美浦)

 牡馬のトップバッターは、エピファネイアでもキズナでもなく、オルフェーヴルだあああああああ!!!!ということで、フィブリーレンを選出しました。

 オルフェーヴルの種牡馬としての評価は、小柄・晩成・長距離・ダート、みたいな感じになりつつあり、POG的には避けられがちですが、ウシュバテソーロやマルシュロレーヌといった世界基準の馬を輩出したことで再評価され、繁殖牝馬の質も上がってきています。そのわりに種付料は350万円で据え置きなことから、今一番お買い得な種牡馬です!(バヌ、わかってるよね?)種牡馬生活も晩年に差し掛かり、エポカドーロ以外に芝G1を勝つ後継者がそろそろ出て来てほしいものです。

 そんな期待を込めたフィブリーレンは、小柄に出やすいオルフェーヴル産駒ながら、体格は5月頭の時点で480キロほどに成長しており、サイズの心配はまったくありません。毛色も父を思わせる明るい栗毛で、オルフェーヴルをそのまま大きくしたような感じなのが最高です。募集時の立ち姿を見ましたが、バランスの良い骨格十分な量の筋肉をすでにまとっており、両親の名前を見なくても、素直にいい馬だなって思わせる風格がありました。

 母ヴァイブランスは、BCジュヴェナイルフィリーズで3着となったアメリカ馬で、社台が導入して日本に連れてきました。フィブリーレンが初仔になるので繁殖能力は未知数ですが、2番仔にコントレイルをつけたあたり、社台としてはかなり期待している母だとわかります。オルフェーヴルの繁殖牝馬の質が上がってきているというのは、こういうことです。

 そして母父ヴァイオレンス。競走実績こそ4戦3勝うちG1を1勝と、志半ばで現役を去った感は否めませんが、種牡馬としてもアメリカG1馬をすでに出しており、じわじわと評価を上げている馬です。そんなことより、日本語でシンプルに「暴力」って名前が良くないですか?父「金色の暴君」×母父「暴力」!!いやもう、これ以上ない組み合わせ!!

 日本だけでなく世界が震撼するほどの、オルフェーヴルの後継者にふさわしいサラブレッドになってほしい!フィブリーレンが綴る、黄金伝説の新章の幕開けです!

牡②ミニトランザット

父   エピファネイア(1000万)
母   イチオクノホシ
母父  ゼンノロブロイ
調教師 杉山佳明 (栗東)

 デアリングタクトとエフフォーリアで名を挙げたエピファネイアは、繁殖の質がぐっと上がりました。いくらでも良血馬を選び放題のなか、牡馬の2頭目として母イチオクノホシのミニトランザットを選出しました!

 エピファネイアが抱える銀河系軍団のような産駒たちにあって、少し小粒に感じるセレクトかもしれませんが、決して軽んじてはいけません。全姉はフェアリーSの勝ち馬イフェイオン!管理はその姉と同じ杉山佳明調教師という、すでに結果を出している組み合わせになります。

 また、父父シンボリクリスエス、母父ゼンノロブロイと並ぶ5代血統表は、在りし日の藤沢厩舎を知っている人からすれば実にエモい配合で、血統の細かい知識はなくとも、そりゃエピファネイア×ゼンノロブロイはニックスになるよね、とニヤつける組み合わせです。

 赤本の馬体写真からは、腰高の子供っぽい雰囲気が抜けていませんが、育成の動きは十分なようで、すでに4月のうちに入厩済み。早めのデビューが期待できます。

 そして最後の決め手は、調教師がかなりの期待をかけていることを赤本の取材で明かしたことです。ちなみにこの情報、紙面には間に合ってなくて、ネットでログインしないと見られません。まだイフェイオンがデビューしていないうちからその素質を見抜き、先手を打って、全弟であるミニトランザットを押さえた師の慧眼を信じます。

 エピファネイア、シンボリクリスエス、ゼンノロブロイ。一族に連綿と続くダービー2着の呪い。ミニトランザットが悲運の海を切り拓きます!

牡③ゴージャスドラゴン

父   スワーヴリチャード(200万)
母   フィールパラダイス
母父  ドゥラメンテ
調教師 田中克典 (栗東)

 2021年当時のスワーヴリチャードの種付料は200万円。種牡馬生活2年目とあって、種付頭数も少ない不人気な年ではありますが、その中にあって、おじにアドマイヤマーズがいるとびきりの良血馬を選出しました。ゴージャスドラゴンです!

 POG本では全然取材されていなかったのですが、馬主のTNレーシングさんはXをやっていて、2023年11月時点の馬体写真を見ることができました。500キロを超える大型馬らしい雄大な馬体ながら、柔らかさを感じる立ち姿で、赤みがかった栗毛が眩しいグッドルッキングホースです。

 母フィールパラダイスはデビューできませんでしたが、アドマイヤマーズを出した牝系にドゥラメンテをつけられたあたり、もし無事に走っていたら、かなりのところまで行けていたかも?しかし、競走馬になれなかったことで、かえって繁殖牝馬としての活力は十分。初仔であるゴージャスドラゴンの馬格が、大きく出てくれたのはそのおかげかもしれません。

 そうこの馬、父ドゥラメンテは指名不可というマイルールをかいくぐる、母父ドゥラメンテなんです。見つけたときには、それだけで「もう指名するしかない!」と興奮しました。しかも、サンデーとトニービンを同時に内包するハーツクライアドマイヤグルーヴの2×3クロスを持つ馬は、今のところゴージャスドラゴンしかいません。血統的にも非常に興味深い、攻めた配合となっています。

 スワーヴリチャードの昇竜の勢いのまま、空高く舞い上がれゴージャスドラゴン!

牡④ブレイントゥルー

父   イスラボニータ(150万)
母   トップデサイル
母父  コングラッツ
調教師 久保田貴 (美浦)

 イスラボニータ産駒は、23-24シーズンでルカランフィーストを指名し、2勝の他に重賞で3着、皐月賞にも出走と、今期の稼ぎ頭になってくれた相性のいい種牡馬です。

 そんなイスラボニータから、今年はブレイントゥルーを選出しました! イスラボニータは、種付料150万円と社台グループのなかでは安価な種牡馬ですが、牧場からは常に気にかけられていて、繁殖の質は決して低くありません。ブレイントゥルーの半兄は、ダービー馬ダノンデサイル。さらに半姉のスタティスティクスも、POG期間に1勝しています。

 ゴージャスドラゴン同様、ブレイントゥルーもPOG本ではほとんど取材がありませんでしたが、丸本でちょろっと褒められていたことと、4月に入厩・ゲート試験も合格済なこと、そしてXに上がっていた動画で、バネ感ある柔らかな踏み込みをしているのが気に入りました。

 血統は、イスラボニータにはナスキロの塊のようなコジーンが流れ、母系にはこちらもナスキロの権化、エーピーインディ系のコングラッツが流れています。つまり、アメリカで育まれた2本のナスキロ血統をフジキセキで束ねたのがブレイントゥルーといえます。

 近年は日本競馬のアメリカ化が進んでおり、中距離でも脚を溜めずにテンから飛ばしていくレースが増えてきました。そういう時代にあって、ナスキロの特徴である柔らかな大跳びという、長くいい脚を使えるタイプのアメリカ血統は、とても親和性が高いはずです。

 弥生賞のフジキセキ、皐月賞のイスラボニータ。輝く流れ星の軌跡の先には日本ダービーが待っています。幻のダービー馬・フジキセキのバトンをブレイントゥルーに託します!

牡⑤グロスビーク

父   シスキン(300万)
母   アドマイヤセプター
母父  キングカメハメハ
調教師 田中博康 (美浦)

 牡馬ラストは新種牡馬から、シスキン産駒のグロスビークを選びました。母はドゥラメンテの全姉アドマイヤセプター。上にはオープン馬のスカイグルーヴデシエルト。ダイナカールから連なる華麗なる一族の末っ子です!

 母の競争能力、繁殖能力の高さはいうまでもありませんので、シスキンという未知の種牡馬と配合されたときの可能性を探りました。これが非常に興味深くて、結論としてはグロスビーク≒リバティアイランドみたいな血統構成になっています。

 ドゥラメンテとアドマイヤセプターが同血の上、シスキンの2代母シルバースターと、ヤンキーローズの母父ザールが全きょうだいで、別の祖からエルグランセニョールを持ってきているところまで共通しています。つまり、リバティアイランドというドゥラメンテ配合の模範解答を、父と母をひっくり返して再現したのがグロスビークなんです!

 逆に両者の大きな違いは、シスキンがアンブライドルズソング系、ヤンキーローズがロベルト系というところになりますが、スワーヴリチャード産駒の大躍進を見るに、アンブライドルズソングの血はこれからさらに重要性を増してくるはずです。

 グロスビークの募集時動画は、必要最低限の筋肉に張りのある薄い皮膚が乗っていて、ドゥラメンテを思わせる品の良さがありました。クラブのコメントでは芝のマイラーに出ると紹介されていますが、皐月賞の2000mは十分に射程圏に見えますし、日本ダービーの2400mもこなせるのではないかと思わせます。

 今年はたった7頭の産駒しかいないシスキン。その1頭が、日本競馬の王家のひとつにやってきたのは偶然ではありません。成功を約束された新しい王子・グロスビークの戴冠を心待ちにしています!

牝①トロピカルレイン

父   サートゥルナーリア(600万)
母   シュガーショック
母父  キャンディーライド
調教師 斉藤崇史 (美浦)

 牝馬のトップバッターは、エピファネイアやリオンディーズに続くシーザリオ系の種牡馬として、社台からの期待がとても高いサートゥルナーリアから1頭、トロピカルレインを選出しました!

 母シュガーショックはアメリカ重賞馬。上にはきさらぎ賞の勝ち馬ラーゴム。ニュージーランドトロフィーの勝ち馬エコロブルーム。未勝利戦から4連勝でオープンまで駆け上がったスパイダーゴールド。G1まで突き抜けた兄弟こそいないものの、父が変わっても重賞クラスの産駒を複数輩出している母であることから、トロピカルレインにもとても高い期待を寄せています。

 母父キャンディライドは、アルゼンチンでデビューしてG1を含む3連勝。あまりの強さにアメリカに移籍し、そこでもレコードを叩き出しながらさらに連勝を重ね、全6戦を無敗で終えた怪物です。後継種牡馬としてはアメリカ年度代表馬のガンランナーがおり、自身の高いスピード能力を余すところなく子孫に伝える、優秀な種牡馬といえます。

 トロピカルレインのそういった血統背景も強力ですが、なによりこの馬は丸本で見た馬体が素晴らしいです。牝馬は筋肉量が牡馬よりも少ない傾向にあるところ、胸前しっかり、腹袋が丸く、トモがパンと張って、まるで牡馬のような厚みのある肉体をしています。それだけで牝馬のドラフト1位として、来年のオークスまで賭けてみたくなる魅力がありました。また、すでに入厩済で7月デビュー予定という、仕上がりの早さもポイントです。

 目指すは祖母シーザリオが制した樫の舞台。男装の麗人と龍王の孫娘・トロピカルレインの走りが、恵みの雨をもたらしますように!

牝②リリカルガンマン

父   フィエールマン
母   サンタフェチーフ
母父  ヴィーゼンプファート
調教師 手塚貴久 (美浦)

 牝馬の2頭目は、こちらも新種牡馬フィエールマンから1頭、リリカルガンマンを選びました!母サンタフェチーフは、これまでの母の産駒は、3頭のうち2頭が2勝クラスまで上がっており、大当たりこそ出ていないものの堅実な結果を残しています。活躍馬しか出さないスーパー繁殖牝馬・サロミナの半妹という良血ぶりからしても、いつ大物が飛び出してもおかしくありません。管理は、父も担当した手塚貴久調教師というブランドつきです。

 ディープインパクトは、仕上がりの早いアメリカ血統の牝馬と配合させて成功例をいくつも生み出しました。アメリカ競馬の特徴は、テンから飛ばしていける前向きさと高いスピード持続力です。一方で、フィエールマンの母系はフランス血統です。フランス競馬の特徴は、折り合いによる溜め仕掛けどころでの瞬発力。それはそのままディープインパクトの強みでもありました。つまり、フィエールマンという種牡馬は、ディープインパクトの特徴をもっとも強く引き継いでいると考えています。

 そのため、どちらかといえばフィリーサイアー気味だったディープインパクトですから、フィエールマンからも牝馬に多くの活躍馬が出ると予想します。しかも、切れ味が鋭い、溜めて伸びる大箱向きのタイプです。フィエールマン自身も、東京や京都外回りに良績が集中しているあたり、単なるスタミナ自慢のステイヤーではなく、直線における鋭い瞬発力を備えていました。

 リリカルガンマンの血統で面白いのは、ウインドインハーヘアを回避しつつアルザオのクロスを持っていることです。アルザオはリファール×サーアイヴァーという血で、パワー・瞬発力・しなやかさなどを、母父としてディープインパクトに供給していました。これがウインドインハーヘアのクロスとなると、小柄・スタミナ・勝負根性なんかがむしろ強調されがちです。つまり、アルザオ単独のクロスは、ディープインパクトの個性を再現するトリガーになりうると考えています。

 その血に持つのは、偉大な祖父と同じ引き金。目にも止まらぬ早業で、世代の頂点をリリカルガンマンが撃ち抜きます!

牝③スニーカースキル

父   キズナ(1000万)
母   ストリートバンド
母父  イスタン
調教師 杉山晴紀 (栗東)

 牝馬の3頭目は、今年のダービーに5頭出しと勢いに乗るキズナから、スニーカースキルを選びました!母の初仔になりますが、サイズは丸本によれば490キロとまったく心配がありません。馬体は、牝馬らしいシャープさを残しつつ、まるで牡馬かのようなボリューム感があります。

 母ストリートバンドは、14戦4勝と不安定な戦績ながら鋭い切れでG1を1勝した馬で、レイクヴィラファームが末脚に惚れて買い付けてきました。その血統は、キズナと相性がいいゴーンウェストを直系父祖に持ちつつ、ストームバード・セクレタリアト・ダマスカス持ちと、キズナ自身の母キャットクイルに似た構成をしています。素軽いスピードとアメリカンパワーが凝縮されているイメージです。

 スニーカースキルはそんな母とキズナとの配合ということで、複数のクロスが発生します。結果、キズナよりもさらにアメリカ色が濃くなり、一見すると偉大な父祖ディープインパクトのイメージからだいぶ遠くなってしまうのですが、5代血統表の奥にこっそりとサーアイヴァー6×6のクロスを隠し味に持つことから、実はディープインパクトを刺激できていると考えられます。つまり、「ディープ×米国血統=キズナ」という成功例を、なるべくそのまま再現しようとしているのがスニーカースキルの配合の妙なのです。

 磨き上げられた原石が、いつしか宝石に変わる。大舞台を目指して、スニーカースキルが今日もひとつ積み上げます!

牝④ランドネ22(馬名未定)

父   ゴールドシップ(200万)
母   ランドネ
母父  ブレイム
調教師 辻野泰之 (栗東)

 牝馬4頭目はみんな大好きゴールドシップから、ランドネ22(馬名未定)を選びました!小柄ながらとてもバランスの良い立ち姿に惹かれたのが最初のきっかけですが、この馬、バックボーンもとても魅力的です。

 馬主は小林英一ホールディングス。ええ、ゴールドシップと同じ馬主さんなんです。母ランドネは2015年産まれ。そう、ゴールドシップが引退種牡馬入りした年なんです。つまり、ランドネはゴールドシップのために小林さんが買ってきた最初期の花嫁なんです。ゴルシ嫁といえば重賞馬のロータスランドが有名ですが、花嫁としてはランドネの方が先輩です!

 ランドネ22の母父ブレイムは、ブリーダーズカップクラシックの優勝馬。負かした相手がそれまで19戦無敗のゼニヤッタと、まさに「咎める」の名にふさわしいダークヒーローでした。代表産駒は日本に輸入された種牡馬、ナダルです。

 母ランドネは、そんなブレイムの産駒というわけですが、アメリカ馬らしい仕上がりの早さと前向きさを生かしてスイートピーSを勝利。オークスへの出走も果たしています。残念ながら重賞勝利はありませんでしたが、オープンまできっちり上がった実力馬で、繁殖牝馬としてさらなる期待がかかります。

 ランドネ22の血統は近年のサラブレッドにしては珍しく、5代まで完全アウトブリードということで、健康面ではアドバンテージがありそうです。構成としては、ゴールドシップ×ロベルト系×エーピーインディと、なんか柔らかそうなイメージがつきまとう血統が並んでいて、日本競馬の牝馬にはぴったりという印象です。一方で6代前まで見ると、急にノーザンダンサーの多重クロスを持っていますので、このあたりが柔らかさを引き締める効果に出れば、とてもバランスの良い配合だと思います。

 いよいよゴールドシップ第2章の開幕。父の夢、馬主の夢、ファンの夢を乗せて、ランドネ22が出航します!

牝⑤エンブロイダリー

父   アドマイヤマーズ(300万)
母   ロッテンマイヤー
母父  クロフネ
調教師 森一誠 (美浦)

 牝馬の指名ラストは、これまた新種牡馬から。アドマイヤマーズ産駒のエンブロイダリーを選びました!

 アドマイヤマーズは、ダイワメジャーの後継種牡馬としてはもっとも筋が通った血統をしています。母系から仕上がりの早いミスプロ系に、シングスピール経由でパワフルな先行力に優れる名牝グロリアスソングの血が注入。それはそのままダイワメジャーの個性でもあります。つまり、種牡馬アドマイヤマーズは、早熟でパワフルというダイワメジャーの特徴をそのまま産駒に伝えることと思われます。すでに新馬戦1週目の6/2にデビュー予定も決まっていて、1週前追い切りではラスト11.1と好時計を出し、やはり体力の完成が早そうだと実感します。

 エンブロイダリーは、そんな父アドマイヤマーズに、母は3勝クラスまで上がったロッテンマイヤー。3代母がビワハイジという良血です。さらに、母父クロフネというのもポイントです。クロフネ自身はダートの怪物でしたが、母父に入ると芝ダート問わず種牡馬の良さを引き出すタイプで、クロノジェネシス・レイパパレ・スタニングローズ・スルーセブンシーズなど、特に牝馬の大物を複数輩出しています。

 管理する森一誠調教師の名前はあまり見たことがないと思いますが、それもそのはず。2024年の今年開業の厩舎です!経歴は、堀宣行厩舎で調教助手を務めた方と書いておけば、もう説明不要でしょう。社台関係者からの前評判も高く、今年の2歳馬はサンデー・G1・シルク・キャロットと、ノーザン系のクラブ馬を何頭も預かっています。間違いなくこれから伸びてくる調教師さんです!

 新進気鋭の父と師とともに、優勝旗にその名を縫い付けてほしい!エンブロイダリーが彩る新しい時代を心待ちにしています!

指名ルール

①牡馬と牝馬それぞれ5頭ずつ

 牡馬から5頭、牝馬から5頭を選びます。勝ち上がり率の高さや日本ダービーの賞金を考えると、牡馬を多めに指名した方が有利だとは思いますが、牝馬もちゃんと検討したいという趣旨です。

②父・母父・厩舎のかぶりなし

 今年デビューの産駒は、エピファネイア・キズナ・ドゥラメンテに良質の繁殖牝馬が集中していて、その3頭の種牡馬だけでも簡単に10頭を選べるくらいです。いろいろな種牡馬を検討したいですので、こんなルールを決めました。

 加えて母父・厩舎の重複不可まで設けることで、「期待馬2頭のうち、どちらを最終的に指名するか」という悩みがいたるところで生まれますので、縛りとしてはかなり強力で楽しいものになります。おすすめです。

③種付料の総額5000万円まで

 これは今年から新しく考えたルールです。ちゃんと書くと、「種付時の価格で種付料の総額が5000万円まで」です。今回は2022年に生まれた馬を指名しますので、2021年の種付料が適用されます。プライベート種牡馬は金額がわかる直近の種付料、海外種牡馬は当時のレートで円に換算して計算します。

 1頭の平均が500万円ですので、エピファネイアやキズナといった当時の種付料で1000万円の産駒を指名すると、その分をほかで穴埋めする必要があります。このことで、低価格な種牡馬の産駒を指名する動機が生まれ、POGリストのバリエーションが豊かになりました。この縛りも面白いのでおすすめです。

 今年は4450万円に収めましたが、種付料2000万円のイクイノックスの産駒が出てきたらどうしようかちょっと考えてしまいます。

④出資馬の種牡馬は指名禁止

 これもちゃんと書くと、「同世代の出資馬と同じ種牡馬の産駒は指名不可」です。昨年は出資馬の指名を禁止しましたが、今年はそれを拡大しました。同父のPOG馬を応援するくらいなら、出資馬を応援したいからです。

 このルールによる今年の指名不可種牡馬は、ロードカナロア・ドゥラメンテ・サトノダイヤモンド・ナダル・ミッキーアイルです。POGで有力なドゥラメンテ産駒を指名できないのは、なかなかもどかしかったです(でもそれが楽しい)。

⑤身内POGで取られた馬は指名禁止

 昨年は身内POGで取られた馬でも、気にせずここで指名しました。しかし、1年それでやってみたら「指名馬をどっちで取っていたかわからなくなる」という自体が発生したので、いっそのこと指名禁止としました。

 今年は5人で1人あたり17頭の馬を指名したので、自分を除く4人×17頭=計68頭の指名禁止リストが裏に存在します。その中には、ぜひともここで指名したかった馬も混ざっていて、なかなかシビアな縛りとなりました。

おわりに

 ブレイントゥルーを指名した時は、まだダービー前でした。京成杯の走りでダノンデサイルがダービーを勝てそうに感じていたので、下がイスラボニータに変わったこの馬は、フジキセキ好きとして絶対に指名しないといけない1頭でしたが、まさか本当に勝ってしまうとは。来年、兄弟でダービー制覇を果たし、フジキセキの系譜を繋げてほしいです。

 他の面々も、個性豊かな若駒を揃えられたと自負してます。新シーズンのPOGは現地応援を増やして、その模様をこのノートで報告できるといいなと思っています。

 このノートを楽しんでいただけましたら、ぜひ「スキ」を押していってください。次回のモチベーションになります!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?