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桜花賞展望(トライアルふりかえり)

はじめに

今回はアネモネSとフィリーズレビューのふりかえりです。チューリップ賞とあわせ、桜花賞のトライアルがすべて終了しましたので、その展望までしていきます。結論を先に言うと、チューリップ賞組(特にナミュールとサークルオブライフ)のインパクトが強く、その2頭ですんなり決まるか、今回取り上げる2つのトライアルに、出走していない馬の方に可能性を見出しています。

チューリップ賞の回顧は以下になります。桜花賞のラップグラフも載せていますので、今回のアネモネS、フィリーズレビューのラップグラフを見ながら比較してみてください。
→ チューリップ賞 ふりかえり

アネモネS ラップグラフ

[条件]
中山芝1600

[集計対象]
2012~2021年 アネモネS 10戦

[グラフの見方]
赤:10戦のうちRPCIが小さい3戦の平均
紫:10戦すべての平均ラップ
青:10戦のうちRPCIが大きい3戦の平均
緑:今回のラップ

[タイム・ラップ・RPCI]
赤:1:36.6(34.8-37.5)RPCI44.6
紫:1:35.7(35.2-36.2)RPCI48.6
青:1:35.9(35.9-35.4)RPCI52.5
緑:1:34.4(35.4-34.6)RPCI53.7

[分析]
・RPCI44.6~52.5とハイ~ミドル
・スピード持続力とラスト3Fの瞬発力が問われる
・内前有利だが過度に流れると後ろが届く

[狙いどころ]
・内枠
・前走で好位で競馬して勝利
・1勝馬でも馬券に絡む

アネモネS ふりかえり

今年のアネモネSは、RPCI53.7と、スロー寄りのミドルペースではありますが、過去と比較するとかなり遅い流れとなりました。予想では「スピード持続力とラスト3Fの瞬発力が問われる」と書きましたが、スピード持続力を問われる要素はほぼなく、位置取りとラスト3Fの瞬発力で決まったレースでした。実際、勝ったクロスマジェスティは、番手追走から直線抜け出して楽に勝利しました。

本番の桜花賞は、多くはRPCI50.0前後のミドルペースとなりますし、時にはRPCI45.0前後のハイペースにもなります。たまにRPCI60.0前後の超スローペースもありますが、基本的にハイ~ミドルの展開になりやすいレースです。

それを踏まえると、このアネモネSはスローすぎるため、むしろここで好走した馬は本番では見込みが薄いと思っています。逆に後方待機で負けた馬に巻き返しのチャンスがあるかもしれないと、各馬のプロフィールを見ましたが、後方に控えて負けた馬の中に、桜花賞に出られそうな馬はいませんでした。

桜花賞の出走メンバー次第ですが、スローにならなそうであれば、アネモネS組はすでに切るつもりでいます。

フィリーズレビュー ラップグラフ

[条件]
阪神芝1400

[集計対象]
2012~2021年 フィリーズR 10戦

[グラフの見方]
赤:10戦のうちRPCIが小さい3戦の平均
紫:10戦すべての平均ラップ
青:10戦のうちRPCIが大きい3戦の平均
緑:今回のラップ

[タイム・ラップ・RPCI]
赤:1:21.8(33.8-36.3)RPCI44.0
紫:1:21.8(34.3-35.7)RPCI46.8
青:1:22.1(34.9-35.2)RPCI49.9
緑:1:19.9(33.5-35.0)RPCI46.2

[分析]
・RPCI44.0~49.9とハイ~ミドル
・スピード持続力が問われる

フィリーズレビュー ふりかえり

今年のフィリーズレビューは、RPCI46.2のハイペースとなり、後方につけていたサブライムアンセムが直線で狭いところを割って抜け出し、力強く重賞初勝利を挙げました。

グラフは綺麗な右肩下がりのグラフとなっていて、短距離戦らしい消耗戦になったといえます。それでいてラストはあまり減速しておらず、走破タイムも優秀で、なかなかレベルは高かったのではないかと思っています。そこで勝ったサブライムアンセムと、それにアタマ差のナムラクレアは、このメンバーでは力が1枚上という印象を残しました。

ただ、桜花賞に繋がるかというと別問題で、フィリーズレビューと桜花賞では、アネモネS以上にレースの質が違います。実際、フィリーズレビューから桜花賞に向かい、馬券になったのは2017年のレーヌミノル(1着)までさかのぼります。この年のフィリーズレビューと桜花賞は、偶然似た流れになっており、経験が活きた形となりました。

今年のフィリーズレビューは、緩みがまったくない短距離走の典型といった流れですが、桜花賞はマイルですので、どんな速い展開でも多少は中間で緩みます。つまり、今回の経験が活かされることはまずありません。フィリーズレビュー組の実力そのものはアネモネS組よりも評価する一方、本番ではやはり軽視の方向で考えています。

桜花賞展望

アネモネS(中山芝1600)から
クロスマジェスティ ラズベリームース

フィリーズレビュー(阪神芝1400)から
サブライムアンセム  ナムラクレア  アネゴハダ

チューリップ賞(阪神芝1600)から
ナミュール  ピンハイ 
サークルオブライフ  ウォーターナビレラ

クイーンC(東京芝1600)から
プレサージュリフト  スターズオンアース

エルフィンS(中京芝1600)
アルーリングウェイ

紅梅S(中京芝1400)から
フォラブリューテ  ナムラリコリス

フェアリーS(中山芝1600)から
ライラック

阪神JF(阪神芝1600)から
ラブリイユアアイズ

優先出走権・賞金順で出走確実なのは上記16頭で、ベルクレスタ他が回避待ちという情勢かと思います。

1番人気の最有力は、本番に近い展開となったチューリップ賞で、前が壁になりながらも圧倒的な末脚で差し切ったナミュールです。2番人気は、トライアル仕上げで同レース3着の2歳女王・サークルオブライフでしょう。

トライアルに出てこなかった馬の中では、プレサージュリフトフォラブリューテライラックが、それぞれ前走でインパクトのある勝ち方をしており、彼女らがどこまで上位2頭に絡んでこれるか注目しています。

桜花賞と同じ舞台の阪神JF・チューリップ賞でそれぞれ2着に入ったラブリイユアアイズピンハイ、毎回善戦を続けるスターズオンアースあたりは、あまり人気しないようであれば狙い目です。

桜花賞と直結しないとはいえ、レースレベルが高そうなフィリーズレビューで互角の戦いを演じたサブライムアンセムナムラクレアも、展開次第では上位争いできる素質のはずです。

想定される展開としては、有力馬がのきなみ後方脚質で、昨年のソダシのように強力な逃げ・先行馬がいないことから、例年よりもスロー寄りになるかもしれません。そうすると、前走で初めて先行したサークルオブライフはその経験が活きてきますし、ラブリイユアアイズ、スターズオンアース、アネゴハダ、アルーリングウェイ、クロスマジェスティといった先行勢が穴をあけるかもしれません。

反対に、例年通りの速い流れになれば、後方から行くナミュールが有利ですが、ラスト3Fの末脚勝負となった時の爆発力は、もしかしたらフォラブリューテの方が上かもしれません。

現段階で買いたい馬を挙げると、総合力のサークルオブライフ、末脚自慢のナミュール、隠し玉のフォラブリューテ、穴に先行馬のアネゴハダという感じです。

(POG)サブライムアンセム

サブライムアンセムはPOG指名馬です!同厩のルージュスティリアとデビュー日が同じ(8/1)で、どちらにしようか迷ったのですが、短距離志向の父ロードカナロアに、中距離で戦えるスタミナを補完する母父シンボリクリスエスなら、マイルの桜花賞を走れそうだし、気性によってはオークスもいけるかも、と思って指名しました。

結果、サブライムアンセムはデビューで気性難を露呈し4着。ルージュスティリアは勝ちっぷりのいい1着で、その時は正直少し後悔しました。その後もサブライムアンセムは未勝利戦で2着を3連続で繰り返し、なかなか勝ち上がれません。

ただ、ルージュスティリアも怪我があり、順調に使うことができていませんでした。その後、2戦目でチューリップ賞に出走し、大きく出遅れて6着と、可能性のあるところは見せましたので、オークスに間に合えばこの馬も楽しみです。

サブライムアンセムに話を戻すと、前走で、2着入線後の審議繰り上がりという、なんとも珍しい形で未勝利を脱出しました。乱暴者の鬼っ子が、やっと1勝を上げてくれて、おおむね満足していたのですが、休む間もなくフィリーズレビューに出てきました。

しかし、何しろ勝ち上がるのに6戦かかっていますから、いきなり重賞でどうこうできるとまでは思っていなかったところ、力強い勝ち方でまさかの1着!初めての1着入線が重賞ということで、少し話題になりました。

今シーズンからPOGを始めて、初重賞馬がサブライムアンセムというのは、気性難で惨敗とか、なかなか勝ち上がれないとか、これまでの苦労もずっと見てきているだけに、たいへん感慨深いものがありました。

本番はなかなか厳しいでしょうが、距離は伸びても大丈夫そうですし、愛おしい鬼っ子の激走を期待しています。

(POG)フォラブリューテ

フォラブリューテもPOG指名馬です!まさか桜花賞に2頭出しになるとは。新馬戦の勝ちっぷりはけっこうな衝撃がありましたし、気性難で2走目はつまづいたものの、前走も危なげなく上り最速で一蹴しており、高い能力を秘めています。

気性面ではナミュールよりも繊細なところがあり、強い相手とまともに戦っていない経験の浅さが弱点ではありますが、春の桜を「満開」にするのはフォラブリューテしかいません。とても楽しみです。

トップ画像について

今回は桜花賞の展望ということで、桜のつぼみの写真としました。フォトギャラリーに画像を提供していただいた、フレッシュさん様に感謝します。

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