ウィープディライト すみれS 観戦記
過去ノート
2戦目
1戦目
出資馬紹介
はじめに
2024年2月24日、バヌーシー所属馬ウィープディライトの3戦目にして、クラシックへの登竜門・すみれSが行われました。条件は阪神芝2200。距離こそ2戦目の未勝利戦と同じですが、舞台が京都外回りから阪神内回りに変わったことで、ゴール前に急坂があったり、直線が短かかったりと、瞬発力よりも持続力を求められるコースです。
ウィープディライトにとっては初めてのコースになりますが、前走の勝ち方は上がりのかかる競馬を強引にねじ伏せるものでしたし、スタミナの豊富さをずっと褒められてきた馬なので、特に問題はないと思っていました。
必勝を期して阪神競馬場に遠征。未勝利戦の馬券の儲けをそっくり応援馬券に交換し、撮影のベストポジションを探すべくパドックとコースを下見して、いよいよ発走の時が迫ってきました。「潜在能力は1番、絶対に勝てる」と信じていても、自然に体が震えてきます。
結果は・・・
まさかの最下位!失意の10着でした。負けるにしても、ここまで大敗するとは夢にも思っていません。現地で見ていた限りでは、何らかのトラブルがあった様子はなく、普通に走って普通にしんがり負けという感じでした。
しょんぼりしながら関東に戻り、さすがにすぐ観戦記を書く元気もないので、一度寝て起きてからこれを書き始めました。大負けしたのでこれまでよりトーンが重いかもしれませんが、いつものように写真もたくさんアップしましたので、ウィープディライトファンの方に楽しんでもらえたら嬉しいです!
レース回顧
ラップグラフ
この記事を書くためにラップグラフを作成して驚きました。今年のすみれSは、テン3Fが異常に速く、中盤で一息つけたと思いきや、サンライズアースの早仕掛けでラスト5Fのロングスパート戦となる、かなりの激流となりました。
序盤が速かった分、本来なら7~8F目もしっかり脚を溜めておきたい区画なのですが、そうもいかなくなったことがグラフからわかります。実際、先行勢は総崩れとなりました。ウィープディライトもこの流れに翻弄され、最後は力尽きたといったところでしょうか。
勝ち馬サンライズアースは、前半で楽していたとはいえ、後半で自らこれだけのハイラップを作って勝ち切るのは心肺機能が優れている証拠です。大味な競馬でしたが、まだたった2戦目。時計も優秀で、重賞級のパフォーマンスといえます。タフな馬とデムーロの剛腕が噛み合ったレースでした。
序盤
スタート前、ウィープディライトはゲートにイヤイヤしてなかなか入りません。これまではわりとすんなり入ってくれていたので、すでに嫌な予感はありました。
スタートは上に伸び上がるようないつもの出方。それでもだいぶ慣れてきたようで、トトトトッと細かいステップで五分に持ち込みました。そのまま前へとポジションを取りに行きます。
直線の短い阪神内回りは、一般的に先行が有利です。現地ではラップを測って見ているわけではありませんので、それほどごちゃつくことなく4番手を確保でき、ヨシ!と心の中でガッツポーズしました。
中盤
隊列が定まってしばらくは大きな動きがありません。向こう正面に入っても、ウィープディライトは自分のリズムで走れているようでした。
しかし、1000mの通過タイムが60秒ほどで、あれ?少し速くないか?と思いました。簡単に潰れるほどのペースではありませんが、先行という位置の有利は相殺される流れです。こうなると、ウィープディライトのスタミナを信じるしかありません。
直後にレースが大きく動きます。後方2番手に潜んでいた9番が、残り1000mから大胆に仕掛けてきました。大外をグーーーーンと回って、先頭に立とういうという勢いです。3コーナーの入り口で、ウィープディライトは並ばれました。あっそれダメ!
走るというのは馬の本能ですから、抜かされようとすれば、抵抗して相手よりもっと速く走ろうとします。それが、最後の直線の勝負どころなら問題ないのですが、3コーナーでは早すぎます。そもそも、ウィープディライトは先行している時点で後続よりも先にスタミナを使っているわけですから、ここは脚を溜める場面です。
まくってきた9番に釣られて、ウィープディライトの闘争心に火が点きかけたのが見えました。そして、それを抑えようとする松山騎手の当然の指示も。今振り返ってみれば、ウィープディライトのこの日の競馬は、この瞬間に終わりました。
行きたがる馬と、それを許さない騎手。喧嘩することはありませんでしたが、頭がすこし上がり、走りのリズムが崩れたのを現地でも感じました。4番手を順調に進んでいたウィープディライトですが、このドタバタで、いつの間にか6番手にポジションを落としていました。
終盤
騎手はレースの流れを瞬間で判断し、馬はそれに応じて即座に反応しなければなりません。行きたがる気持ちを一度は抑えられたウィープディライトですが、数秒後に仕掛けどころを迎え、松山騎手の手が大きく動きます。
ウィープディライトは一応はそれに従い、加速しようとします。ただ、脚勢は明らかに落ちています。目の前の目標である10番に並びかけようとしたところまでが限界でした。
スタミナ切れか、気持ちをこじらせて拗ねたのか、直線を向いてからは伸びを欠き、まったくレースに参加しなかった1番にすら前を譲っての最下位でした。
感想
現地ではラップを見ていませんので、こんな感想でした。ラップを見た今では、ウィープディライトを含む前の馬にはノーチャンスだったと思います。ただ、3番手のジンセイが4着、逃げたミカエルパシャが6着ですから、4番手のウィープディライトが10着というのは負けすぎで、お子様と評されるメンタルからすると、あそこで拗ねた可能性が高いと思っています。
その意味では、心を燃やして走れるサラブレッドになってほしいという結論は変わりません。
例えば、素質が100の馬と70の馬がいるとして、でも100の馬はメンタルが弱く半分の50の力しか出せない。一方で70の馬は毎回ちゃんと全力の70を出せる。だとすれば、勝つのはもちろん素質が70の馬の方です。
身体能力はすでに師に認められているウィープディライトですから、心がついて来てさえくれれれば、きっと大成すると信じています。
今日の結果は残念ですし、すぐの立て直しが難しい負け方だったとも思いますが、それはそれとして、怪我なく無事に帰ってこれたことは手放しで褒めたいです。ウィープディライトよくやった!!!!えらい!!えらすぎる!!!
写真館
パドック
返し馬
おわりに
先生のお言葉
この結果を受けて、調教師がどのような評価をするかが興味深いところだったのですが、レース後の学先生のコメントの要約。
「ショックです」
先生もかーい。なんで保護者会と同じ目線なんですか(笑)。逆にいえば、それだけ素質に期待していたのでしょうし、今回の負けを全力で次に生かしてくれると確信したので、あれこれと言葉を並べるよりも不思議と安心しました。
次走展望
勝手にこのあとのレースを考えましたが、なかなか悩ましいところです。レース間隔を空けて使いたいので、引き続きダービーを目指すのであれば、本番まで1戦しか使えないと思っていいでしょう。
そうすると重賞勝利かトライアルでの出走権獲得が必要で、毎日杯(阪神芝1800)、青葉賞(東京芝2400)、京都新聞杯(京都芝2200)、プリンシパルS(東京芝2000)あたりが候補となります。
在厩で続戦なら毎日杯ですが、距離が少し短い感じがします。個人的には短期放牧から青葉賞が面白いと思いますが、ダービーにも出るとなると、長距離輸送を2連続でこなさないといけません。京都新聞杯は長距離輸送は1回で済みますが、本番まで中2週とレース間隔が短くなります。プリンシパルSは長距離輸送2回でレース間隔も短いため、これは無しでしょう。
どのローテーションも一長一短あり、今回負けたことで改めて春のクラシックに出走することの難しさを実感しています。
そうであれば、本格化はまだ先と言われている馬ですし、無理してダービーを目指さずとも、菊花賞に照準を絞って条件戦で賞金を積み上げるのもありだと思います!
ダート路線を希望する声も聞こえますが、関係者のテンションをみると、少なくとも菊が終わってからのチャレンジとなりそうです。昨晩はサウジカップでウシュバテソーロが惜しくも2着と盛り上がりましたし、世界の砂の頂点を目指す戦いも熱いですね!
まだまだ夢は続く。次を目指そう、ウィープディライト!!
一口馬主のすすめ
前走の逆転勝利による高揚感、そして今回の不甲斐ない大敗による落胆。両方とも日常生活ではなかなかあり得ない心の動きで、一口馬主の酸いも甘いも、この2か月で存分に味わっています。
勝ちっぱなしとはいかない趣味なので、これを「楽しい」と表現するのは単純すぎるかもしれませんが、楽しいですよ!一口馬主!超おすすめ!!
使用機材
カメラ CANON EOS R10
レンズ RF100-400mm F5.6-8 IS USM
注意事項
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