釣り、リベンジ。
フグとネンブツダイを釣りまくった次の週、前回は釣ることが叶わなかった大物へのリベンジを果たすことになった。
我々の心は燃えていた。
午前6時。
上州屋にてまた新たに仕掛けとアミ姫を購入。
かっこいい竿とリールが欲しいと駄々をこねるも、その高さにびびりたおす。
午前７時。
深夜から釣っていたであろうおじさん達が何の釣果も無く帰っていく様を横目に、堤防で釣り糸を垂らした。
午前10時。
釣れない。雑魚の1匹も釣れやしない。
周囲の釣り人も、誰も釣れている様子がない。
場所を変えることにした。
午前11時。
釣り場を堤防から汽水域の川に移した。
頭の悪そうなボラが水面を跳ねたくっている。
これは期待できそうだ。
午前12時。
釣れない。魚が目視で確認できる距離にいるのに、竿はピクリとも動かない。
そろそろ諦めの空気が漂ってきた。
私もすでに川辺に腰掛け、ボケーっとリールを巻いているだけの虚無の釣り人と化していた。
そんな時、
ガチッ！
くるくると巻いていたリールが止まった。
竿を引いても横にスライドさせてもびくともしない。
しまった、根掛かりだ……。
現時点で友人のルアーを1個ロストしている身としては、これ以上の犠牲は避けたい。
しかも釣竿も上州屋で買った安物のマイ釣り竿ではなく、友人のものを借りていた。
なんとしてでも根掛かりを解消せねば。
ボチャボチャと跳ねるボラに見守られながら、アホみたいに竿を左右に振っていた。
するとどうだろう、いきなりラインがギリギリと嫌な音をたてて引き出されていく。
“なにか”がいる。
釣り初心者の自分でもわかった。
ギークルクル。ギークルクル。
たぬきの糸車みたいな攻防を繰り広げ、ちょっと竿をが折れないか心配になりつつも、ついに、川面にその姿が見えた。
獲物のデカさにビビって喚く私と、タモを片手に全力で走ってくる友人たち。
かなりシュールな光景だった。
そして釣り上げたものがこちら。
アカエイである。
ボラじゃないんかい。あんなに飛び跳ねておいて。
いやでも、一応サイズ的には大物か。
よく一人でリール巻けたね。寄せるのが早い。アカエイの中でもこれは小さい方。など。
褒めに褒められ、私の鼻は高々だった。
釣りって気持ちいいな……。
一通り写真や動画を撮った後、アカエイには川に帰ってもらった。
もうこないでねー。
こうして、大物釣りの目的は果たされた。
でもやっぱり魚の形をした大物を釣りたいので、12月あたりにまた大物リベンジ2ndをやる予定だ。
ちなみにこの日の釣り後の麻雀は大勝ちした。
