シトウレイ×犬山紙子 往復書簡VOL5
かみちゃん
パリコレから戻ってきたよ~。すっごい楽しかった!やっぱりファッション好きだなぁ、ストリートスナップのこと、やっぱりすごい愛してるわ…って改めて感じた10日間だったよ。
パリ、我ながらフルスロットルで駆け抜けてきた!…ということで日本帰ってきたら、急にプツッと糸が切れたかのように体調が崩れ、この連休はベッドで日がな一日過ごしてました。体調壊さないと身体を休ますことができないのは、我ながら不器用な性分だなぁ、と毎回思うのだけど。
ちなみに今日は気が付けば15時間以上寝てた(←寝すぎ)!ということで体調はすっかり戻ってきて、今体内チャージは抜群です。今すぐどっか動きたい…!ワークアウトとかしたいわ!!
さてさて質問。
ワークアウトを始めたきっかけ。私もかみちゃんと一緒なところがある。私ずっと20代からひょろっとした少年体形で。これは自分自身好みだったんだけど、同時にうっすらコンプレックスでもあって(それに関しては後述するね)。
でもなんか去年おととしあたりから身体が丸みが出てきて。(体重は同じなのに!)。常日ごとから「もっと太った方がいいよ」「もっと食べて」とかよく言われてたから、まぁこれはこれでいいのかなぁ、と思いつつ「うーむ?でもなぁ…」とかもやもやしてたの。
で、まぁ雑誌の連載の取材で、偶然パーソナルのトレーナーさんと出会って、物は試しで始めたのがきっかけ。ぶっちゃけ最初はあまり好きでもなかったよ(キツイしね!)
でも、こんなに好きになったきっかけは「どんな体になりたいですか?」って聞かれたときに答えられなかった事が大きかったかな。
自分の理想像を肯定出来てなかった自分に気が付いたの。
みんなが「こういう体形がいい」って基準と、
自分が「こういう体形(ちょっと細すぎくらいの少年体形)がいい」って思う基準が違ってた事に対して、心の奥底で自信がなかったんだと思う。
「私が好きなのってダメなのかな」って。
先ほどのコンプレックスと書いたのは、それ。「みんなのとは違う」ってのがコンプレックスだったの。
自分でそれを気が付いた時に一番自分自身に驚きました。これ、私子供の時と全然メンタル変わってなかったんじゃん!って。
フォトグラファーになって、ファッションを楽しんでいる人たちに触れるようになって、何より私が変わったのは、たとえ人と趣味嗜好が違ってても「でも私はこれが好き!」って思うなら、それを貫くのが一番だってことに気が付いた事。
他の人の意見はあくまでその人の意見でしかないから、
自分の着る服を決めるイニシアチブは自分が持つのが一番だってこと。
「ファッションに正解はない」って言葉は、言い換えると「自分が好きだと思うファッションを着るのが正解」ってことだよね。
人それぞれに趣味嗜好があって、その一つ一つが正解で。
ダイバーシティがあまねく認められているのが、私にとってファッションの一番の魅力。
で、ひるがえって身体について。
ダイバーシティがあることのすばらしさをファッションから学んでたいたのにも関わらず、身体に関してだけは、勝手にプロトタイプであらねば、(みんなが良いっていうものが良いんだ)と勝手に思ってた自分もいたわけです。そうじゃないとダメかなって刷り込みすら気が付かないうちに彫り込まれてたというか。
ちょうど20代頭くらいかな?の時にファッションにも、すべてにおいてもあまり自信がなかった時のメンタルと変わってなかったの!
で、今は自分がなりたいプロポーションが明確で、それに対して「これがいんだ」って言う自信もあるし…ということで理想がクリアになっているからボディワークが楽しいの!
ま、そんなことを言いつつもパリの怒涛で最近全然やってないので、また来週から始めるつもり!
なんか今書いてて、自分の基準が定まることが、自己肯定感を上げるに対して重要なことなのかな…って今書いてて感じた。ファッションも、身体も、政治や社会に対しても、自分がジャッジすべきものに対してのすべてに、自分の文責で判断し、それに基づいた行動をするってことが、気持ちよく生きる(自分を肯定した生き方)ことに対して重要なのかなって。
自分がすることに対して責任をもって生きる、というか。
閑話休題。
かみちゃんから送ってもらった「フガフガ闘病記」読んだーーーーーーー!!!!送ってくれてありがとう。感謝です!!もうこれ、一気読みしちゃった!!!!もう最後の方のくだりとか私、鼻の奥が勝手にツーンってなって、読了前に号泣してた!前かみちゃんにおすすめさせてもらった「ののはな通信」と同じくらいに大きな愛のようなものを感じた。
後書きにかみちゃんが書いてた「羨ましい」って気持ちがとてもわかる(不謹慎な物言いにとられるかもしれないけれど)。
主人公のなおみちゃんの強さ。あいくるしさ。彼女のそばにいるパートナーの菊池さんの愛と、けなげと。彼が撮った写真があたたかなのは、菊池さんの彼女に向ける愛が写真に投影されているんだろうなって思う。
個人的には藤代冥砂さんの「もう家へ帰ろう」の写真集を思い出しました。これもとっても素敵な一冊で!ぜひ今度機会あったら読んで(見て)みて。
私の大好きな写真集の一つなの。ちなみに私が出したストリートスナップの写真集も、彼のこの一冊に影響されてるところが多くって。
闘病日記のなおみちゃんのファッションの物欲が生きる糧となっているのとさながらに、私もパリ撮影を頑張るうえでのでのモチベーションは「パリ最終日のお買い物!」
今回はマルジェラのバッチバチにスパンコールのついた足袋スリッポンと、あとエルメスのブレスレットにしちゃった(ウッシッシ)。物欲万歳!
かみちゃんは最近何買ったー?
ではではまたね、良い夜を!
レイ♪
PS
往復書簡を始めてから、「あ、これかみちゃんに言いたいな」「かみちゃんはこれをどういう風に感じるんだろう」なんて目線で日々過ごすようになりました。(←付き合い始めのカップルか 笑!)
それはすなわち「自分はどう思っているのだろう」を考え直す作業でもあって。(自分の意見を持たずにかみちゃんの意見だけ聞くのって、不躾になっちゃうしね)。
楽しいです。