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ゼンジンを振り返る🍏

さて今回は私の推しについて綴ってみようと思う。
本日2025/2/26はMrs. GREEN APPLEが昨年7月に行ったスタジアムツアー『ゼンジン未到とヴェルトラウム 〜銘銘編〜』Blu-ray&DVDの発売日である。
無事昨日フラゲすることができ、早速視聴した。

正に圧巻。蘇るあの夏の熱。
ミセスの自身初となるスタジアムでのライブ。
その規模ならではの演出、満席の横浜スタジアムは壮観であった。そこに響く大森の美しい歌声とオーディエンスの歓声。ひと夏の思い出を飾る、熱いライブがそこにあった。

そして全26曲という大ボリュームのセトリ。
ライラックをはじめとする2024年を彩った新曲たちはもちろん、定番曲である青と夏など幅広い層が盛り上がれるセトリだった。
この規模感ということもあって万人受けする、新規層も楽しめるセトリかと思いきやそこに差し込まれるツキマシテハ、L.P、愛情と矛先。
古参勢が狂喜乱舞である。
終始大盛り上がり必至の最高のセトリだった。
円盤を見返して個人的に印象に残った数曲をピックアップしてみようと思う。


ANTENNA

壮大な宇宙のOpeningムービーから始まり、開幕CHEERS→VIPと初手からかなり飛ばしたセトリを経てここに入るANTENNA。
はじめの2曲がコーレス強め楽曲だったこともあり、この曲でしっかりと大森の歌声を堪能できた。サビでのびのびと夏空に響き渡る歌声。そこに内包される微細なビブラート。いつまでも聞いていたくなる心地よい歌声に感嘆した。

ツキマシテハ

ロマンチシズムで盛り上がったところに突き刺すようにして始まるこの楽曲。ミセスのロックな一面がサウンドと共に表現される。ディスプレイの雷の映像演出も相まってこの曲の持つ激しさ、歌詞のメッセージ性が巧みに表現されていた。幼稚な言い方になるが、本当にただただかっこいい。
また、The White Loungeで見せたものとは違った表情にも着目すべきであろう。

CONFLICT

そしてゼンジンシリーズのオリジン、CONFLICT。
個人的には6曲目というこんな序盤にやってしまうのかと衝撃だったが、全体のバランスを見てみるとなるほどなかなかおさまりの良いポジションである。10年というゼンジンの歴史の中で歌い継いできた大切な楽曲。今、こんなにも大きな場所で同じ譜を鳴らす。ミセスとしてはphase2と銘打ってからそのあり方や表現が多角化したりと変わったことも多くあったが、やはり核となる部分、本質はずっと変わらずに居てくれている。そんなことを思いながら音を浴びた。

Blizzard

曲中大部分がヘッドボイス(?)で構成されている異色さ。ミセスの楽曲の中ではかなりアウトサイダーなこの曲。リリースされて以降、なんとも形容し難い神秘さを纏っている楽曲だなと思う。純白のレーザー、ライトとスモークによるライブ演出でその神秘さがさらに増す。白一色の会場に響く大森のファルセットを聞いていると神聖な、不思議な気持ちになる。しかしサビではしっかり藤澤のあおりに乗ってジャンプ。NOAHで感じた不思議な高揚感をスタジアムでも感じることができた。

コロンブス

今回のゼンジンを語るにあたってこれは外せない。L.P、ナハトムジークですっかり聞く姿勢にシフトした会場に響く、おなじみのダンスホールへの導入サウンド。クラップも煽られ、恐らく誰もが「いつだって~」の歌い出しを待っていたところにまさかの大穴コロンブス。

実は私は初日7/6のノエビアスタジアム神戸公演に現地参戦したのだが、この瞬間の会場の沸き方は異常だった。オーディエンス全員が絶叫していた。もちろん私も。軽快なイントロが進む中、私の席の周りには涙する人も見られた。
正直例の件以降、ファンはこの楽曲のポジションや扱い方に戸惑っていた部分も少なからずあった。そんな中、ミセス本人たちがここで答えを出したのである。リリース当初は間違いなく今年の夏のアンセムになる事だろうと思っていたので、無事そうなることができて本当に良かった。
もったいないよね。だってこんなにも良い曲なのだから。

我逢人

ライブも終盤、いよいよフィナーレという時にこんなにも熱いMCから入る我逢人。
「出逢いに感謝」
この規模で言うからこそまた意味が深まるなあとしみじみ感じた。
ギターのイントロが流れた時、涙腺が緩んだのは言うまでもない。
「人生の中で出逢えた愛しい貴方という人が、どうか幸せであってほしい」
そんな思いをメロディに乗せながら伝えるなんて、改めて思うとミュージシャンってとてもロマンチストだよね。
こちらこそミセスというバンドに出逢えて本当に良かったよ。


何曲か取り上げてみたが全編を通してどの曲も本当に素晴らしかった。
語り出すと、VIPの一音だけオク上のアレンジまじでどうなってんだ…とかライラックの初披露の盛り上がりとか点描の唄やるのえぐいとかインフェルノ最高すぎとか私は最強の最後のフェイク高ぇ〜とかLonelinessの破壊力とかL.Pの原曲通りのアウトロアツいとかナハトムジークの演出綺麗すぎとかfamilieやるの?!とかlovin'と愛矛懐かしい泣くとか、キリが無いのでこの辺で。


そしてゼンジンをこういった形でやる意味、
意図とは何か。
そもそもゼンジンシリーズはこれまでライブハウスを中心に回る、どちらかというとあまり大きくないキャパで行うシリーズというイメージがあった。
しかしそれを今回この規模で開催するという異例のツアー。
MCそしてこのセトリからも誰も置いていかない姿勢が見てとれる。どれだけ間口が大きくなろうと、表現の変革・アップデートはあっても、置き去りにはしない。ライブ全部を通してそう伝えたかったのかと理解した。
タイトルも「ヴェルトラム」なのに「銘銘編」。
一見相反するものだが、ライブを終えてみるとなるほどそういうことかと合点がいった。

ミセス史上最大規模のライブだったが、思いはきちんと一人一人に伝わったことだろう。
私はずっと、彼らのそんな姿勢が本当に大好きだ。
大切にされていると感じるし、この人たちのファンで良かったとつくづく思う。これからもたくさんの素晴らしい景色を見せてほしい。
10周年の2025年、ますます期待は高まるばかり。


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