![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/78815767/rectangle_large_type_2_681205702f4d7f6ded4e271356427e85.png?width=1200)
【信州ダービー】レビュー (5/15)A
・信州ダービーレビュー
何か少し後味の悪い試合になったとはいえ、11年振りにリーグ戦であいまみえた両チームの戦いは面白かった。
ただ、北九州戦と同じように勝てそうな試合を勝てなかったということは悔やまれる。
・両チームメンバー
![](https://assets.st-note.com/img/1652867089584-0EihX78Mey.png?width=1200)
山雅は大胆なターンオーバー。
天皇杯のスタメンからは住田・安東が継続して起用。
北九州戦後にコンディション不良が明かされた前・下川・小松は3人そろって間に合った。
フォーメーションは天皇杯と同じく4-2-2-2。
一方の長野は変則的な3バック。
天皇杯からの変更は住永と東の二人のみ。
そして後半勝負を匂わせるメンバー構成となった。
一応フォーメーションは5-3ー2のようにとらえていいか。
・サッカーをしない選択肢
敢えて相手の言葉を借りるとすればこんな感じだろう。
前半長野は山雅のプレスを嫌がり、最初から割と飛ばす選択をしてきた。
簡単に表現すると、右のWBだけ攻撃時に縦ズレする5-3-2と言った方がいいだろう。
![](https://assets.st-note.com/img/1652867079940-fmlIQYKZjy.png?width=1200)
ややこしい配置になっているが、割とロングボールでサイドの深い位置を楽に取りに行く・中盤の人数を極力減らさない・守備人数をかけたいという3つの条件を叶える上では理屈が通る配置にはなる。
おそらく、そこでアンバランスなフォーメーションに山雅が混乱すれば儲けものという感じだったのだろうが、さすがにそこまで上手くいくはずもない。
1度ビルドアップとなると左しかルートがないため、結局飛ばす。中央を封鎖されて外回りという状況に追い込むことが出来た。
(SPORTERIA図、中央でパスが出来ていないことが分かる)
相手がサッカーをしなかったことで、1stのゲームプランが少し崩れてしまった部分はあるが、大崩れせず耐え抜いたこと、その中でも多くのチャンスを作れたことはチームにとってポジティブになってくる。
あとは決めきるだけだったが、対策を徹底されたことや、難しいシュートになってしまったことで先制点を取りきることが出来なかった。
内容としては、対策を上回るサッカーをした山雅だったが、結果がついて来なかったことで、相手として最低限いいという状態になってしまったことだけが悔やまれる。
・水物の得点力、必要なのは超越?
ここ数試合無失点である代わりに、得点数が伸び悩んでいる。
もちろん調子であったり、守備に力を入れる上で微妙なバランスが崩れているという要因も考えられるが、大きいのは個々人の特徴が対策されていることにあるだろう。
簡単に言うと、打つとバレていながらうちに行っている。
昨シーズンから積極的に振っていくことを求めている名波監督のアプローチからすると、割と自然な現象ではあり、名波監督としてはそこに対してブレない・かつそこに評価をしているだろう。
ここからはどっちに超えるかの我慢比べの時間だ。
わかってても止められないスーパーな状態になるか。
得意なプレー以外で相手を翻弄し、工夫して自分の形(ないし味方の形)を作りに行くか。
今シーズンの山雅のいい所は、大所帯であるが故にライバルが多い事。
うかうかしていたらあっという間にライバルに越されてしまう。
もう1つ2つ成長した姿はもう少しで見れそうか。
・苦しんだ後半
話を試合に戻すと、相手は後半仕込んでいたギアチェンジを次々と実行する。
HTに宮阪、60分過ぎにデュークと攻撃の切り札を投入。
対する山雅も60分、時を同じくして宮部と佐藤を投入して対策をする。
途中交代策に関しては完全に読み切って対応していた。
ところが、体力面に関しては想定外だった。
想定外を先制点を取れなかったツケと言い換えてもいいかもしれない。
前半相手がけっていたのに対して少しプレスに行き過ぎた節があり(こちらも起用を考えると割と妥当なのだが)、必要なタイミングでプレスをかけきれなかったため、なかなかボールを奪って自分たちの攻撃に繋げることが出来な
かった。
また、それに伴ってパス交換も減少。
(SPORTERIA図、時間帯別であるため、視覚的にパス数が減少していることが分かる)
惜しいシーンはところどころ作れ、全くもって上手くいかなかった訳では無いが、あと一歩及ばなかった。
体力的な問題や前半勝負自体は、ピークを9月に持っていく計画や、けが人続出を考えると致し方ない部分ではあるため、この試合に限って言えば後半に(戦術的側面で)できることは少なかったように感じる。
・データで見る山雅のゴール
今節に関しては、試合全体のデータとしてもやはり前半の方が期待値が高く、ゴールに迫れていたことは明白だった。
特に跳ね上がっている場所は横山の決定機逸に該当するのだが、0.3ポイントほど上がっているため、だいたい3回に1回入るようなチャンスだったと言える。(SPORTERIA図)
ただ、今季の松本はリーグ全体と比較して、期待値のわりにゴールを決めているチームである(Football Labより)ため、今までこのような確率が高くない得点機会を複数回繰り返す中で、得点を決めているチームであると言える。
(Expected Goal、ゴール数と期待値より)
![](https://assets.st-note.com/img/1652867766392-gY0CIfbadT.png?width=1200)
ちなみに、ゴール期待値の測定方法は複雑で、必ずしもそのチームの実情を表しているとも限らないと解釈しているため、他チームとの比較で使用している。
そのなかで、ここ数試合複数得点がないのはデータ的に言えばまあまあ普通であるといっていい。
守備から入っているチーム状況を考えても、特にこのデータを問題視する必要はないと考えられる。
・おわりに
正直、書くのが難しい試合で、読んで欲しいと思えなかった。
それを何故だろうと振り返った時に、この信州ダービーにおいて、チームとしての文脈以上に結果を求めている自分がいたのだ。
おそらく、短期的な勝利という側面だけを見れば、課題は山ほど出てくるだろう。
それはもちろん勝てていないからだ。
ただ、チームの目標は信州ダービーに勝つことだけではない。
前節の北九州も含めて、ありがたいことに今の山雅のリスペクトすべき強みと、狙うべき弱みはあぶりだしてくれている。
今は耐え時。
ちなみに横山が次節以降いない可能性もあり、そこも耐え時である。
ただ、最後に笑ってるのは俺たちだ。
原点回起