7月15日公開オススメ映画『ミニオンズ フィーバー』『魂のまなざし』『バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー』
映画ライターの松 弥々子が、今週末、7月15日に公開されるオススメ映画3作品をご紹介します。ぜひ、映画館へのお出かけ前の参考にしてみてください。
ミニオンズ フィーバー
イルミネーションが贈る人気シリーズ、「ミニオンズ」シリーズの最新作『ミニオンズ フィーバー』。この作品は、1970年代が舞台。“Minions: The Rise of Gru”という原題からもわかるように、怪盗グルーとミニボスが悪党として目覚めていく様を描いています。
スーパーヴィランに憧れる11歳のグルー少年を“ミニボス”と慕うミニオンズ。
そんなある日、グルーは憧れの大悪党集団“ヴィシャス・シックス”に誘拐されてしまいます。ミニオンのケビン、ボブ、スチュアート、そしてオットーは、グルーを救うためにサンフランシスコに向かいます。
道中、パイロットやキャビンアテンダントに大変身し飛行機を操縦したり、カンフーマスターのマスター・チャウ(CV:ミシェル・ヨー!)からカンフーを習ったり。
ミニオンズの相変わらずのはちゃめちゃぶり、かなり楽しめます。
元ヴィシャス・シックスのリーダー、ワイルド・ナックルズ(CV:アラン・アーキン!)とグルーの師弟愛、マスター・チャウとケビン、ボブ、スチュアートの師弟愛にもちょっと心温まったりも……。
また、1970年代が舞台ということで、70年代のソウルミュージックがふんだんに使われているのもかなり良い感じ。サントラ買っちゃおうかしら。。。
『ミニオンズ フィーバー』(89分/アメリカ/2022年)
原題:Minions: The Rise of Gru
公開:2022年7月15日
配給:東宝東和
劇場:全国にて
Official Website:https://minions.jp
(C)2021 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED
魂のまなざし
フィンランドの国民的画家、ヘレン・シャルフベック。
1862年生まれの彼女の、50代〜60代の一時期を描いたのが、本作『魂のまなざし』です。
この映画の舞台となっているのは、1915年から1923年の時代。第一次世界大戦末期、フィンランド社会主義労働者共和国が成立した時代であり、フィンランド国民は独立と内戦の波に巻き込まれていました。
フィンランドにおいても、この時代は当然、封建的な男性中心社会でした。
主人公のヘレン・シャルフベックは、パリ留学から戻り、老いた母と暮らす“忘れられた画家”。家族にもその才能を理解されず、鬱屈した日々を送っています。
そんな日々の中、彼女のもとをある画商が訪ねてきたことで、彼女の生活は一変します。彼女の才能は再発見され、首都ヘルシンキで大規模な個展も開催されるようになりました。さらに、その画商とともに彼女のもとを訪れた森林保護官でアマチュア画家でもある19歳年下の男性・エイナルへ、彼女は恋をします。
画家としての名声を得るとともに、彼女は報われない恋に苛まれます。
そして彼女は、エイナルに「あなたを描かせて欲しい」と願い出ます。
一人の人間としての恋心を押し込め、画家として、自分の愛を永遠に絵の上に記録したのです。
画家としては最高の愛の表現であり、恍惚であるとも言えます。
ヘレンは、恋ではなく、画家としての生を選んだと言うことなのかもしれません。
ヘレン・シャルフベックのような圧倒的な才能を持ってしても、“女である”ということだけで、男性と同等に認められない時代。
そんな時代に、透徹したまなざしで時代と自分自身を見つめ続けた画家、ヘレン・シャルフベック。この作品は、彼女の芸術家であるがゆえの孤独と恍惚を感じさせてくれる一作でした。
『魂のまなざし』(122分/フィンランド・エストニア/2020年)
原題:Helene
公開:2022年7月15日
配給:オンリー・ハーツ
劇場:Bunkamuraル・シネマほかにて順次公開
Official Website:http://helene.onlyhearts.co.jp/
(C)Finland Cinematic
バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー
2019年の映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』で、あの冴羽獠を完全再現してみせたフランス人映画監督・俳優のフィリップ・ラショー。
このフィリップ・ラショーが監督・主演を務めた本作『バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー』では、アメリカで有名なヒーローたちを独自のアレンジで映画に登場させてしまったりしています。
本作の主人公・セドリックは売れない俳優。そんな彼に、バットマンならぬ“バッドマン”という、パクリっぽいヒーローを演じる機会が訪れます。
撮影期間中、バットマンそっくりのヒーロースーツを身につけ、撮影用の車“バッドモービル”で事故を起こしたセドリックは、そのショックで記憶を失くしてしまいます
黒ずくめのヒーロースーツに、ガジェットを搭載したスーパービークル……。もしかして自分はビジランテのスーパーヒーローなのでは……?
そんな大いなる勘違いをしたセドリック。小道具に仕込まれた映像から、いもしない妻と子どもが誘拐されていると思い込み、悪役の暮らすお城に突入してしまうのです。
自身もヒーロー映画好きであるというフィリップ・ラショー、さまざまなヒーローへのオマージュをたっぷり詰め込んでいます。DCヒーローのバットマンはもちろん、ジョーカーのダンスや、マーベルのスパイダーマン、ローガン、さらにはアベンジャーズがアッセンブルしちゃったり。
ヒーロー映画好きなら、あちこちに忍びこませたイースター・エッグにニヤリとしてしまうはずです。
そうそう、個人的には、我が青春時代の憧れの俳優、ジャン=ユーグ・アングラードがセドリックの父親役で登場しているのもツボでした。まあ、すっかりいいお父さんになったのね。。。
『バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー』(83分/フランス・ベルギー/2021年)
原題:Super-héros malgré lui
公開:2022年7月15日
配給:アルバトロス・フィルム
劇場:ヒューマントラストシネマ渋谷、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国にて
Official Website:https://badman-hero.com/
©CINÉFRANCE STUDIOS - BAF PROD - STUDIOCANAL - TF1 STUDIO - TF1 FILMS PRODUCTION
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