Netflixにて配信中!『エイリアニスト』思わず一気見してしまう面白さ!
今回はkayserが担当します。
先週に引き続き、Netflix配信ドラマを紹介します。その作品は、『エイリアニスト』。現在、配信されているのは『エイリアニスト』とその続編にあたる『エイリアニスト 暗闇の天使』の2作品です。なんとなんと計18話を一気見してしまいました。そんな『エイリアニスト』2作品の魅力を紹介します。
原作は、ケイレブ・カーの『エイリアニスト 精神科医』
Netflixにて配信中の『エイリアニスト』はケイレブ・カーのベストセラー小説『エイリアニスト 精神科医』を原作としています。日本ではハヤカワ文庫にて上下巻の大作です。
もうすぐ20世紀になろうとしている19世紀末のニューヨークが舞台。今では当たり前となっている歴史上初のプロファイリングを扱っています。
ドラマの冒頭にも紹介されていますが、19世紀、精神病患者は人間の本質を失っていると考えられていました。精神病の研究者つまり精神科医は「エイリアイスト」と呼ばれていたそうです。作品タイトルにもなっているこの「エイリアニスト」が本作の主人公。
その当時のエイリアニスト、ニューヨーク・タイムズ紙の挿絵家、女性初のニューヨーク市警職員がタッグを組み、警察にも困難な難事件を解決していくという物語です。
アメリカではTNTにて放送、日本ではNetflixにて配信
この作品、2018年にターナー・ネットワーク・テレビジョンが製作を発表。その翌年、2019年には続編製作が発表された経緯があります。
日本では、Netflixにて配信されていますが、2019年に『エイリアニスト NY殺人ファイル』というタイトルで、最初のシリーズがDVD化されました。2020年には、第2シリーズの配信が開始。現在は、Netflixにて第1シリーズ、第2シリーズを見ることができます。
最初のシリーズは、あくまでエイリアニストであるドクター・ラズロー・クライズラーが中心の物語とでした。第2シリーズでキーパーソンとなるのは、第1シリーズでニューヨーク市警初の女性職員となったサラ・ハワード。彼女が立ち上げた探偵事務所に舞い込んだ事件が、物語の中心となっていきます。
史上初のプロファイリング、女性の社会進出など目まぐるしい時代。20世紀を目前に、世の中が大きく動き出す予感のする激動の時代を舞台にした骨太のサイコミステリーです。
あらすじ
『エイリアニスト』
1896年ニューヨーク。少年の男娼が次々に被害者となる連続殺人事件が起こります。当時、エイリアニストと呼ばれた精神科医のラズロー・クライズラーは、ハーバード大学の学友でニューヨーク・タイムズ紙の挿絵画家のジョン・ムーアとともに、同じ学友だったニューヨーク市警の新警察本部長セオドア・ルーズベルトからの依頼で、この殺人事件の捜査を始めます。
ルーズベルトの秘書でニューヨーク市警初の女性職員、サラ・ハワードとユダヤ人双子刑事、マーカス・アイザックとルシアス・アイザックを加えたチームを結成し、内密に独自捜査を進めていくのでした。
当時は行われていなかったプロファイリングや指紋判定などの科学捜査を駆使し、難事件に挑む姿を追った物語です。
『エイリアニスト 暗闇の天使』
前作からの1年後、1897年ニューヨークが舞台。探偵事務所を立ち上げたサラ・ハワード。彼女は、ジョン・ムーアとラズロー・クライズラーとともに、無実を訴える女性の死刑執行を阻止しようと奔走しますが、無念のまま死刑執行に。クライズラーは死刑執行となってしまった女性とその赤ん坊の行方を追うことを約束します。
同じ頃、夫がスペイン領事館で働く夫妻の赤ん坊が失踪するという事件も起こります。スペインとアメリカが緊張状態にある中、警察に届けることができずにいた夫妻は、サラの探偵事務所に依頼することに。
ニューヨーク・タイムズ紙で記者となったジョンとクライズラーとともに、またチームで事件解決に挑むサラ。サラの事務所の女性アシスタントなど新たなメンバーも加わり、事件の謎を追っていく姿を描いています。
ここに注目!
【キャストが豪華!】
『エイリアニスト』シリーズ通しての主演を務めるのは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』のダニエル・ブリュー、『美女と野獣』のルーク・エヴァンス、『アイ・アム・サム』のダコタ・ファニングです。
ドクター・ラズロー・クライズラーをダニエル・ブリュー、ジョン・ムーアをルーク・エヴァンス、サラ・ハワードをダコタ・ファニングがそれぞれ演じています。
特に『アイ・アム・サム』の名演技で子役として大ブレイクを果たしたダコタ・ファニングを注目してほしいところ。美しく成長したダコタ・ファニングの変わらぬ光る演技に魅了された視聴者も多いのでは。
第2シリーズの暗黒の天使では、ダコタ演じるサラ中心の物語となっているのも、彼女の好演がひとつの理由かもしれませんね。
【とにかく物語が秀逸】
史上初のプロファイリングや当時の最先端の科学技術を駆使した捜査とはいえ、19世紀の捜査ともいえば、現在とは格段の差でしょう。言ってみれば、犯人にたどり着くまでに、かなりの時間を要しています。第1シリーズは全10回でようやく犯人が判明するわけです。
それまでに、警察内部からも横やりを入れられながらの捜査は難航していき、なかなか進展しない捜査。しかし、それがかえって面白く感じられるのもまた事実。
この捜査の苦労や進展しないところが逆にハマってしまう要素かもしれません。さんざん待たされたところで、ようやく犯人がわかります。その犯人判明によって大きなカタルシスを得られるような構成になっています。
【フィクションとノンフィクションの融合】
この作品では、ノンフィクション部分も多く取り入れられているという特徴があります。たとえば、サラのモデルはニューヨークで女性初の刑事とあったイザベラ・グッドウィンといわれています。
また、第1シリーズではしばしば取り上げられるサフラジェット。このサフラジェットと呼ばれる女性の参政権を主張する人たちが現れ、女性の社会進出に大きく貢献しています。第2シリーズで、サラが警察を辞め、探偵事務所を立ち上げたことにも影響しているのでしょう。
【ジョンとサラの恋愛物語】
第1シリーズでも、ジョンとサラの関係が描かれています。もともと幼馴染として育った2人。ジョンもサラも互いに大事な人を失くし、大きな傷を抱えています。
ジョンは再会当初から彼女へ好意を見せており、この2人の恋の行方も気になるところ。しかし、第1シリーズにおいてのサラは恋より仕事といった体で、なかなか心開きません。
そんな2人ですが、第2シリーズでは、ジョンに婚約者がいるにも関わらず、第1シリーズよりもその関係が深く描かれていくことに。この2人のやりとりに毎回ヤキモキさせられてしまいますが、最終的にどんな結末を迎えるかは直接、確認してほしいところです。
【当時の街並みが素晴らしい】
本作は1890年代のニューヨークを舞台にしており、その再現にも力を入れている作品です。撮影はハンガリーの首都・ブタペストで行われています。
当時のアメリカの街並みである街灯や石畳、店舗などを見事に作り出し、作品の世界観に貢献しています。それを見るだけでも楽しめる、魅力ある作品です。
まとめ
さまざまな魅力に溢れるドラマ『エイリアニスト』シリーズ。筆者の琴線には触れまくりの作品ではありますが、特に満足度が高かったのは、ダコタ・ファニングのキャスティングでしょうか。上手に成長を遂げた彼女の大人の演技に釘付けとなりました。
いわゆるサイコパスものなので、遺体の状態が、かなりエグいのは否めません。苦手な人もいるかと思いますが、ぜひおすすめしたい作品です。
kayser