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好きなモノ、大事なヒトと出会う場所「東京蛍堂」の魅惑の世界『ゆめのまにまに』

今回はkayserが担当します。
俳優や音楽家のマネージメント会社・ディケイド。その設立30年を記念した映画が作られました。タイトルは『ゆめのまにまに』
東京・浅草に実在する骨董店「東京蛍堂」を舞台に、さまざまな物と人が出会う様を描いた物語です。今回は、そんな『ゆめのまにまに』を紹介します。

個性的な表現者の集うディケイド

芸能事務所ディケイドの設立30年を記念し製作された映画『ゆめのまにまに』ディケイド所属の俳優陣が揃って出演しています。

ディケイドといえば、俳優だけでなく、音楽家や小説家、映画監督といったアーティストのマネージメントを行っている事務所です。

俳優陣をみても、非常に個性的で魅力的な人ばかり。村上淳、山本浩司、三浦誠己、中村優子、渡辺真起子など日本映画を牽引してきた名優が多く揃っています。

昨今は村上淳の息子村上虹郎も俳優として同事務所にて活躍する姿が。事務所設立から30年経過したことを思えば当然ですが、時間の流れを感じますね。

筆者も大好きな俳優陣が所属している事務所です。ディケイド所属の俳優が出演しているだけで、いい作品だなと思ってしまうくらい。

そんな事務所で製作された映画が面白くないわけがない!そんな思いで『ゆめのまにまに』を観てきました。

新鋭監督・張元香織が描くノスタルジックな出会いの物語

『ゆめのまにまに』は、本作で劇場長編監督2本目となる張元香織監督のオリジナル作品です。張元監督は長く助監督として映画に参加してきました。

実相寺昭雄監督、瀬々敬久監督、菊池健雄監督、横浜聡子監督などの現場で助監督の経験を積んでいきます。

2018年には、長編初監督作品となる『船長さんのかわいい奥さん』を発表。沖縄国際映画祭にて上映されました。

本作『ゆめのまにまに』は、実在する「東京蛍堂」という骨董店が舞台。そこに置かれた素敵なモノたちは、時代を超え集まった誰かの大切なもの。そこでは、モノとの出会いだけでなく、人と人との出会いもありました。そんな出会いの物語です。

監督が「理由もなく惹かれる」という強い感情を表現するために、この骨董店を舞台に、その想いを描いた作品とのこと。その想いの先にあるものとは。ぜひその目で確かめてみてください。

作品世界を彩る俳優陣

『ゆめのまにまに』は、アーティストとしても活躍するこだまたいちとモデルとして数々のファッション誌に登場している千國めぐみを中心に物語が進んでいきます。

こだま演じるマコト「東京蛍堂」の店員、千國演じる真悠子は熊本から「東京蛍堂」の店長・和郎に逢いにやってきます。どうやら、和郎は真悠子の思い人のよう。そんな和郎を演じるのは村上淳。年を経てもなお魅力的な俳優です。

また、そのお店には、さまざまな人たちが集まってきます。着物が好きで、大正時代の着物を粋に着こなす唐子や彼女に憧れる女子高生、京都からやってくる着物友達などなど。その唐子を演じるのは中村優子。粋で美人な唐子は中村優子そのものです。

村上や中村が出演しているだけで、映画的な作品へと昇華されていくよう。作品全体が引き締まります。

蛍堂の常連を山本浩司、ご近所さんを三浦誠己が演じています。それぞれ登場する時間は短いですが、これもまた贅沢な出演者ですよね。

エンディングテーマ『サンローゼ』

『ゆめのまにまに』のエンディングテーマは、主演のこだまたいちが所属する「酔蕩天使」『サンローゼ』が起用されました。この曲の作詞作曲をこだま本人が手掛けています。主演俳優が作った曲ということもあり、作品の世界観にピッタリなテーマ曲となっています。

浅草という街にひっそり佇む蛍堂。
人が人を想うこと、何かを大切にする想い、好きという気持ち。
シンプルだけど、普遍的なメッセージが優しくゆっくり心に染みこんでいく。そんな素敵な映画が『ゆめのまにまに』です。
ぜひ映画館で鑑賞してみてください!

kayser

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