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まるで大人のおとぎ話!爽やかで軽やかな気分になれる映画『ツユクサ』

今回はkayserが担当します。2022年4月より公開されている映画『ツユクサ』。主演の小林聡美が悲しい過去を抱えながらも、前向きに生きようとする1人の女性を演じています。
以前、我が犬猫映文館の松弥々子さんも本サイトで紹介していました!主人公たちとちょうど同世代の人はもちろんのこと幅広い層に観てほしい!映画『ツユクサ』を紹介します。

映画『ツユクサ』とは

『愛を乞うひと』『閉鎖病棟-それぞれの朝-』などで知られる映画監督・平山秀幸。これまで、さまざまな人々の生きる姿を描いてきました。そんな平山監督が、本作でも悲しい過去を抱えながら、今を生きようとする女性を爽やかに描いた作品が映画『ツユクサ』

脚本は安倍照雄。平山監督とは、『やじきた道中 てれすこ』にてタッグを組みました。そんな旧知の2人が挑んだ本作は完全オリジナル作品

日常に起こる素敵な奇跡。小さな奇跡の積み重ねが人と人とを繋ぎ、ちょっとした幸せを運んでくるのかもしれない。そんな大人のおとぎ話のような愛おしい映画が『ツユクサ』です。タイトルの『ツユクサ』の意味は、直接確かめてみてくださいね。

映画『ツユクサ』あらすじ

とある田舎の港町。主人公・五十嵐芙美は、気心の知れた職場の友人たちや年の離れた親友とゆったりと暮らしていました。そんな芙美が車を運転していたある日、その車に隕石が衝突します。

なんと隕石と遭遇する確率は1億分の1。普通ならあり得ない出来事に喜ぶ芙美でしたが、さらに草笛がきっかけで、ある男性との出会いも待っているのでした。

悲しい過去を抱えながらひとり暮らす芙美。自分が幸せになることから避けて生きてきた彼女に、その出会いは変化をもたらしていきます。そして、芙美と出会ったその男性・篠田吾郎もまた心に大きな傷を負っていたのでした。

ここに注目!映画『ツユクサ』の魅力

1.出演者が素晴らしい

映画『ツユクサ』に出演している俳優陣の素晴らしいこと。いくつもある本作の1番の魅力といっても過言ではありません。

まず、主演の小林聡美『かもめ食堂』『かもめ』などこれまでも大ヒット作に出演。それらの作品で小林は、自然体に生きる素敵な女性を演じてきました。彼女の持つイメージと相まって、多くのファンを獲得することに。本作でも、そんな小林の演技が存分に堪能できます。

またそんな小林の恋の相手役には松重豊。名バイプレイヤーとして多くの作品に出演していますが、『孤独のグルメ』では主演も務める実力派。小林との息の合ったお芝居で楽しませてくれます。

そのほか、小林演じる芙美の友人に平岩紙、江口のりこといったコミカルかつ抜群の安定感を持つ俳優陣で脇を固めました。小林と平岩、江口が3人でランチをする姿は、まるで何十年も一緒に過ごした昔からの親友のようで、筆者も大好きなシーンです。この空気感、なかなか出せるもんじあありません。必見です!

2.重たくなりそうな内容をあえて軽やかに

主人公・五十嵐芙美には悲しい過去があります。そんな芙美の恋のお相手・篠田吾郎も訳ありです。2人とも、舞台となる田舎町へ、1人移り住んできました。

彼らの過去の話を考えれば、とてもつらい物語になりそうでありますが、何故かこの作品には悲壮感がありません。むしろ、コミカルでほっこりする物語です。

出演者の演技がそう感じさせることもありますが、やはりここは脚本の力の大きさではないでしょうか。ともすれば重く、暗い話になってしまいそうなところを隕石のエピソードなど入れることで、明るく前向きな物語へと牽引しています。芙美の年の離れた親友の存在も大きな役割を果たすことに。

芙美は49歳。人生100年としたら、ちょうど折り返し地点にきました。多かれ少なかれ、どんな人でもいろいろあっておかしくない年齢です。しかし、人生を諦めるにはまだ早い。どんなことがあっても生きてさえいれば、自分次第で幸せになることができます。そんなことをそっと教えてくれる素敵な作品です。

3.温かさに溢れた視点

本作を監督するのは、『愛を乞うひと』『閉鎖病棟-それぞれの朝-』平山秀幸。これまで多くの映画作品を手掛けてきましたが、その作品はいずれも人間を温かく見つめる監督の視点が感じられるものばかりです。

本作は平山監督と脚本の安倍照雄が10年以上温めてきた企画。しかも完全オリジナルストーリーとくれば、思い入れもひとしおでしょう。そんな作り手たちの優しく温かい気持ちに溢れています。

そんな作品だからこそ、鑑賞後は、これからの芙美の人生に幸せが訪れそうな気配を感じながら、爽やかな気分なることでしょう!

まとめ

今回は、大人が観るにふさわしい映画『ツユクサ』を紹介しました。ここに登場する人物たちは、自分たちなりにそれぞれの事情を抱えています。家族のこと、恋愛のことなどなど。

そんな登場人物に影響されて、なんとなく自分を見つめ直すことができる映画だと思います。鑑賞後には、ふっと軽やかな気分になる。そんな不思議な作品です。

kayser


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