鳴門と渦潮と自転車と
「ふっこう周遊割」を使わないともったいない!という考えだけでまずは岡山の倉敷~直島に目をつけるも宿がなく撃沈。ならば徳島だ渦潮だと無計画に決定。そういえば渦潮ってどういうものか実は知らないなと。色々な意味で話題になった鳴門の渦潮PR動画が消えてしまったのは少し残念。代わりにまじめな渦潮の紹介動画を。
■旅程
徳島市内もホテルが満杯、よく分からないけど渦潮を見に行くから鳴門でいいのでは?と鳴門で宿を予約。後に電車未開の地であることに気が付かされます。渦潮を中心に観光して、後は眉山ロープウェイに行ければいいかとアバウトに予定を決め、実際の旅程が↓。
■1日目:鳴門公園
高速バスから降りるといきなり白く波打つ海面が見えて期待大。まずは鳴門海峡全景を見ようとエスカヒル鳴門へ向かいます。
エスカヒル鳴門は1989年のバブル真っ只中に開業した展望台。施設は老朽化しており、展望台もぶっちゃけただのビルの屋上。そして他に何もない。お金を払ってまで行く必要ある?と悩まれるところかと思います。
しかし、高所から見下ろす景色は入場料の価値があります(渦の道とセット購入すると合計710円)。現在は抜かれてしまったものの竣工当時の「東洋一のエスカレータ」がどんなものかも話のネタにもなりますしね。
外観で見ると結構な距離を上っています
エスカヒル展望台からは鳴門海峡と観潮船が一望
逆側では兎(白波)が跳ねていました
高所からの景色に満足したら次は渦の道へ。エスカヒルがスッカスカなのと対照的に渦の道は人だらけで大人気。渦の道は大鳴門橋を設計したときに鉄道を通す計画があり、そして頓挫した鉄道部分を観光用に流用したもの。渦潮よりもまずはこの架構が最高にカッコいい。
問答無用の浪漫です
さて、肝心の渦潮ですが流石によっぽどな好条件、時期でないと真下には来てくれません。そして展望室は観光客が鈴なりなのでいい場所は順番待ち順次交代、そして盛大に映り込みが発生します。
さらに渦潮は映画とかのイメージと違い、色々な場所に10秒くらいで出現しては消えてを繰り返します。なので渦の道からこれだという渦潮を撮影をするというのは結構な運が必要かと。
盛大な映り込み、なかなか難しいものです
ガラス床の上でジャンプする蛮勇はやめましょう
鳴門公園最後はお茶園展望台へ。こちらでは松の間から覗く鳴門海峡を見ることが出来ます。とにかく鳴門公園に行くなら渦潮の発生する時間がベスト。潮見表と日の出ているときを見比べて計画しましょう。
注意点としては、渦潮の出ている時間で鳴門公園を散策するとその日は渦潮タイムに観潮船に乗ることが出来ません。2日ある場合は別々で行けばいいですが、1日しかない場合は観潮船を優先するのをお勧めします。
■1日目:大塚国際美術館
鳴門公園を一通り散策したらお昼過ぎとなったのでそのまま歩いて大塚国際美術館へ。徒歩10分くらいだったと思います。ここはシスティーナ礼拝堂や各種名画を原寸大で再現することが許された世界でも貴重な美術館。さらに写真撮影もOK。
それにしても実際回ると広い広い。様々な時代、種類の作品があり、本気で見ようとすると1日では全く足りません。予め見たいものの作戦を立てた上でじっくりと見てください。個人的にはヴィッカーズ家の娘たちとかが気に入りました。この美術館については各ガイドを参考いただくのが一番です。
この山をくりぬいて全5Fが美術館、広い!
モネ「睡蓮の庭」
天才の考えは難しい・・・
お昼ご飯は期間限定のイギリスランチ
美術館は17時までなのでバスに乗って鳴門駅のホテルへ。このバス、めちゃくちゃ混みます。臨時バスの増便も来ますが安心のために時刻表をチェックしたうえで15分前くらいに並んでおくのが良いです。
■1日目:中華そば いのたに ~ 妙見山公園
ホテルについて一休みすると18時を回り夕食の物色に。しかし鳴門駅周辺全然なにもない!地方の店じまいの早さが頭から抜けていました。慌てて助けてGoogleと周辺を検索し、なんとか営業時間内のお店にIN。
実はここ超有名な徳島ラーメンのお店で、普段は激混みだとか。でも時間が良かった(悪かった)のか他のお客は1人だけ、そして安い。中華そば(中)で550円、肉入りで650円です。結構好みの分かれる味かもしれないと思いつつこれが徳島ラーメンと頷きながら完食。
食後は軽い運動を兼ねて夜の妙見山公園へ。途中で人懐っこい黒猫と戯れます。急な階段を上ってたどり着くも当然ながら城跡後は営業時間外。夜景もいまいちなのでここに夜来るのはあまりお勧めできません。
■2日目:レンタサイクル ポカスタ ~ 妙見山 ~ 渡船
鳴門駅から観潮船乗り場までド平坦なことを確認し、この距離ならバスより断然自転車でしょとレンタサイクルがないかを検索。鳴門のレンタサイクルはなると物産館もしくは鳴門市観光情報センターで借りられます。
ただし、問題はママチャリしかないこと。久しぶりに乗るとめちゃくちゃしんどい乗り物ですよこれ。アップハンドルで肘伸ばせないしギアチェンジもなし。さらにカゴに「○○1号」とかぶら下がっているため結構恥ずかしいです。宣材探しに職員が乗ってますみたいな顔で走ってました。
心を落ち着けてまずはポカスタから昨晩も行った妙見山へ。
ゲートが開いており中を覗けてラッキー
妙見山に鎮座するはトリーデなると。土日祝には天守閣が開放され鳴門の街をぐるりと見渡すことができます。しかしこのお城もどき、内部は完全にただの事務所。お城らしく見せる気が微塵もなく、清々しさを感じさせるほど。妙見山公園探索に満足したら渡船で小鳴門海峡を渡ります。
大塚製薬工場とポカスタ
お城を模す気がゼロの内部
鳴き声に呼ばれて子猫とエンカウント
自転車で乗る船っていいですよね
ポカスタ出てから計測するのを思い出しました
■2日目:渡船 ~ 観潮船乗り場
観潮船乗り場までは海岸沿いをのんびりとサイクリング。今回の道中、ロードバイクのトレインに1度追い抜かれた以外に自転車に乗ってる人とは全くと言っていいほど遭遇しませんでした。完全に車社会です。
しかし変なものを見つけたりしたときに躊躇なく止まって写真を撮ったりできるのは自転車だからこそ。折角だから途中停車しまくります。
鳴門リゾートと砂浜
This is バス停
■2日目:観潮船わんだーなると
今回の最も大きな目的、渦潮観光。観潮船にも種類があり、鳴門からは鳴門観光汽船、うずしお汽船の2つの会社が観潮船を出しています。恐らくですが橋と絡めた写真を撮るなら前者の大型船わんだーなると、近くからの迫力が欲しければ後者の高速船だと思います。また、前者では海中から渦潮を眺めるアクアエディもありますがこちらは事前予約が必要。
橋との写真がいいんじゃないかなあと思っていたので今回はわんだーなるとに乗船。わんだーなるとは絶対に1000円UPして1等がいいです。めちゃくちゃ乗客がいるため2等の1階では船の反対側に渦潮が出ても移動が困難。1等の2階なら自由に動けるので渦潮チャンスが断然上がります。
この人の多さ!
余談で、この乗り場の岸壁で地元の人が大勢釣りしていて、爆釣でした。釣りが趣味の人は渦潮を見るついでに釣り道具持ってくるのもありかも。
約30分の乗船を終えたら次は徳島に向かうぞーと来た道を引き返して鳴門駅へ。途中で住宅街の中にあるカフェでランチ。美味しいながらもめちゃくちゃ柔らかい煮込みハンバーグで、綺麗に食べるのにかなりの苦戦。
さて、今回のレンタルママチャリによるサイクリング。普段乗ってるミニベロの2倍くらい疲れました。30km弱しか走ってないのに50km以上走ってる感覚です。尾道でちゃんとした自転車を借りたときと逆の意味で、自転車によって疲れ方が全然違うんだなあと。
個人的にはママチャリライド結構楽しめましたが、多分これで観潮船乗り場まで行く人ほとんど存在してないと思います。鳴門サイクリングロードも整備されているようなのでここで自転車に乗るなら自分のを持ってくるしかないですね。輪行というもの、いつかやってみたい。とか書いてたら気になるニュースが飛んできました。
以前の渦潮PR動画でも感じましたが、素材はあるのに宣伝を広げる工夫が足りてない部分が多々ありそうだと。自転車道整備したならロード・クロスバイクのレンタル始めれば自転車客も呼びやすいのにと強く思いました。
でもこの記事で一番気になったのは「大鳴門橋の下部をサイクリングロードにできないか調査を進めている」ですね。淡路島から自転車で直接乗り込めるようになれば様相はかなり変わりそうです。
■2日目:眉山ロープウェイ
徳島と言えば渦潮の他にもう1つ、阿波踊り・・ではなく眉山ロープウェイ。阿波踊り関係は多人数でないと楽しめないのではと判断してパス。では徳島駅へ向かいましょうと電車の時刻表を確認するとなんと1時間に1本。焦ってバスを調べたらそれなりに本数があったのでバスで徳島駅に。
一目散に阿波おどり会館へ向かいチケットを購入。3連休の中日なのにロープウェイは全然混んでいませんでした。このロープウェイ、2連のゴンドラが連結している珍しい方式。街を見下ろすときにもう片方のゴンドラが邪魔にならないように、登り口では後ろ側に乗るのが良いと思われます。
山頂駅に降りると何故かアニメコラボの阿波踊りポスターが連発。駅から出たところのマチ★アソビCAFEでもアニメグッズが売っており、その上の無料展望室では声優さんらの手形が。
帰ってから調べてみるとマチ★アソビというのは徳島のアニメ会社の企画で2009年から始まり、今や徳島の観光にとって大きな収入源となる一大イベントまで成長しているようです。
夕方に眉山山頂に辿り着いたので夕景を撮りながら後は日暮れまで待ちます。個人的には眉山からの景色は日中よりも夕方~夜にかけてが一番だと思います。
一通り夜景を楽しんだら下山。新町川水際公園は橋梁がライトアップされているため街中でも夜景が楽しめるようになっています。そして夜ご飯ははなや食堂さんへ。予想以上にボリュームがあり、色々動いて減ったお腹が完全に満腹。
■3日目:徳島の鉄道
最終日は電車で鳴門駅から徳島駅に向かいます。改めて所要時間を調べると、徳島駅まで35分もしくは50分くらいかかります。徳島⇔鳴門は道路距離で14.5kmなのにこれだと自転車以下じゃないですかー!
そして実際に駅に行ってみると色々納得いきました。まずはこのご時世に自動改札じゃない、そして単線。さらにさらに電車ですらない!!なんと日本で唯一電車の走っていないのが徳島県らしく、ディーゼル車なので汽車と呼ばれているらしいです。
■3日目:徳島中央公園(徳島城跡)
3日目は何をするか全く決めていなかったのでとりあえず近くの徳島城跡へ。観光的には特にこれといった見どころはありません。蜂須賀小六に思い入れがある人向けか、地元の方のお散歩コース的な感じです。
とはいえSLが保存されてプラットホームが再現されていたり、なんだか良く分からないすべり台があったり、可愛い猫さんがいたりで、歩き回れば色々な発見があります。
■3日目:ひょうたん島クルーズ~帰路
後は帰りのバスまでひょうたん島クルーズ。保険料200円で30分ほど河川をぐるりと周ってくれます。このクルーズ、かなり地元に馴染んだものになっているようで、同乗されたご家族はなんと5回目の搭乗でした。
また、船を見かけた人が沿道や橋から手を振ってくれたり、橋の下をくぐるときは橋桁にタッチ出来たりで楽しかったです。これは川の涼しさを楽しめる夏にこそ本領を発揮しそうな乗り物です。
クルーズが終わったらお昼ごはん。徳島はうどんも美味しいよ!と聞いていたので徳島駅前の有名格安うどん屋さんへ。きつねうどん中を頼むとそれだけで完全お腹いっぱいになってしまったので、かけうどん小とサイドメニューを頼むのが良かったのかも。麺はコシがあって美味しかったです。
後の写真は街中で見かけた興味深いお店を。レンタサイクルが進化したら今度はしっかりと走ってみたいですねー。
地元の方がオススメしていたチュロス店
高速バスで帰路へ
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