瀬戸内に行って島を見よう3
古い旅館に泊まりたい! これは誰しもが定期的に来る衝動です。せっかくなので折り畳みで輪行するついでに行ってきました。今回の目的は大崎下島~岡村島を巡って三原で最も古い旅館の山根旅館に泊まること。
大崎下島には以前にも訪れており、夕景や朝の雰囲気を感じたいと思ったのでそれを果たすためでもあります。さらには岡村島のナガタニ展望台にも行きたすぎたので行ってきました。
まさに空中ブランコ
■三原~竹原
11月は祝日もあり絶好の天気とあって新幹線の大型荷物席は全員が輪行! しまなみ海道おそるべし。福山につくまでしばし歓談し、こちらは三原からさざなみ海道で竹原に向かいます。
まずは海に浮かぶ鳥居や海水浴場を通過してうさぎ島への入り口である忠海までひとっ走り。路面もいいし景色を眺めながらだと一瞬でつきました。やはり自転車は海岸沿いを走るに限る。風景がいいところを走るのめちゃくちゃ気持ちいいんですよ本当に。
忠海では黒滝山にまた登りたいなーと思いながらエデンの海展望台へ。私は未読なのですが若杉慧の超有名小説の映画舞台らしいです。竹原についたらほり川さんでお好み焼きを食べてから普明閣へというお決まりのルート。
■大崎下島
そういうわけで大崎下島。前回は日中の短い時間だけだったので夕方~早朝を味わいたくて今回は泊まりに。夕暮れ時を楽しんで日の出前に歩き回る。その静かな時間が好きなんですよね。
みはらし旅館
大崎下島に大手の予約サイトで予約可能な宿はなし。そして離島だけに遅くまでやってるお店も少なく夜ご飯のハードルが高い。朝夕食付きの旅館がないかと探して見つけたのが御手洗中心街にあるみはらし旅館さん。6000円ちょいでこの種類と量は本当にお得だとしか言いようがない。
部屋は「広縁」のある落ち着いた和室。水回りの古さに目をつぶれば完全にお値段以上。1つだけ難点を上げるとすれば鍵がないことでしょうか。離島だし変な人がいないという前提の仕様なので、貴重品は自分でしっかり管理してください。
日本一のジャングルジム
大崎下島には御手洗の町並みの他に有名なものがもう1つあります。それが日本一のジャングルジム。日本一とつくからには島の反対側だろうと行くしかない。隣の豊島にかかる豊浜大橋のふもとにそれはあります。
しかしこれ地図では場所が分かるし下まではたどり着けるけど、実際に行くにはどうすればいいんだ?となります。具体的な手順としては、①豊浜大橋へ向かう道の横にあるミカン畑の細い道を登る→②グラウンドを突っ切ってネットフェンスの裏へ→③フェンスを伝っていくとジャングルジムへ向かう階段にたどり着く、です。
というわけで到着。見た目からして老朽化がひどく危なげだったので、横の階段をちょろっと降りるだけにして上には載りませんでした。帰ってきてから調べると「遊具としての安全基準を満たしていないため、当分の間、利用禁止としています」とのこと。2022年現在では入り口にロープを張り、知らずに来た人が立ち入らないように管理されたそうです。
■岡村島:ナガタニ展望台
とびしま海道終点の岡村島。1周11km程度のとても小さな島とはいえ、あの空海や菅原道真も訪れた伝説のある瀬戸内海の要所。県境が橋の上にあることでも有名なこの島は平成元年に「危急種」とされるクロツバメシジミが発見され、「ミカンと魚と蝶の島」と呼ばれているそうです。
というわけで目当てのナガタニ展望台へと島の南端側から登っていくんですが、この斜度がきつい! 自転車漕いで上がる?無理です無理。帰りに他のサイクリストとすれ違いましたが、その人も降りて押していたのでとても心安らかになりました。
坂を上り切って展望台に到着。の前にまずは山岡庭園というところにたどり着きます。ここからの景色が最高なんですよ。御手洗の町並みを見下ろせる絶景。私有地を開放してくれている地主さんに感謝感謝です。
漸くナガタニ展望台です。調べたときから思っていましたが何らかの儀式が行われそうな半円形状。裏手にある山への階段を登れば冒頭の空中ブランコの場所へと行けます。
間違いなく来てよかったと思える場所なのにたどり着くまでに全体力を使い果たして全然写真を撮れていない。空気が澄んでいれば来島海峡大橋が臨める好ロケーション。体力配分を鑑みた行程を組むこと大事ですねー。
■大崎上島
岡村島から大崎下島の小長港へ戻り、フェリーで明石港へ。前回も辿ったルートで大崎上島を縦断。同じ道でも自分の自転車で走ると少し不思議な感じがします。
そしてこのかもめ館。前回通った時に不思議な建物があるなあと気になっていて、次来たときは絶対に入ろうと思っていたところです。この空中通路は実は神峰山への登山口。しかし、ここからの登山道はイノシシが荒らすので困っているんだとか。
建物自体は竜宮城をイメージして造られたらしく、管内ではその映像が流れていました。
後は木江の町並みで有名な木造5階建て建築を眺め、珈琲 陶さんでゆっくりしてから竹原→三原へと戻ります。
■三原:山根旅館
山根旅館は三原で最も古い旅館。普通の町並みに時代に取り残されたような一角が現存しています。こういうのは人類皆大好き。建物内部も雰囲気ばっちりかつ旅館の主人もめちゃくちゃ人当たりがいい。泊まるだけでテンションの上がる宿、最高ですね。
最高だなと思ったことをもうひとつ。朝ごはんを食べる部屋のTVがブラウン管! こんなにも古き良き昭和を感じられるところはなかなかないですよ。ご飯の量も盛りだくさんで1食付き1泊がなんと4,200円。安すぎです。
翌日が大雨で何もすることがなく部屋でゆっくりしてから帰路へ。ほんとに良かったですよ山根旅館。尾道とか竹原とか行くときにもここに泊まろうかと思うくらい。是非また来たいですね。
■まとめ
今回はみはらし旅館、山根旅館といった古き良き宿に泊まること、初めての新幹線輪行を目的に旅行を計画しました。新幹線輪行は思ったより簡単というか荷物置いて座れるので普通の電車よりむしろ楽。歴史ある宿は泊まって楽しい。次もテンションの上がるところに行きたいですね。
書くのをサボっていたらもう2月末ということでそろそろ桜の季節。お花見は展望台リニューアルの終わる尾道か、ハマイチついでの浜名湖か。オミクロンの収束を願いながら春を待ちます。