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そうだ、尾道、行こう1
旅先の決め方ってなんでしょうか。私の場合は非日常な空間を感じたい、絶景が見たいというのが大きな割合を占めます。大学時代は京都、現在は大阪城まで結構すぐなので「街の一角に神社仏閣や城郭がある」ではなく「街全体が異質な空間そのもの」を重視して選んだのが尾道なわけです。
実際行ってみてめちゃくちゃ良かったので備忘録のメモ帳代わりに。
・坂の町
京都盆地・大阪平野住みとしては坂の町の石畳だけで既に非日常。
・猫の町
せっかくカメラ買ったし猫と戯れたい思いに大ヒット。
・瀬戸内海の風景
理由は分からないけど瀬戸内はノスタルジックで旅行に来た感満載。
・サイクリングの聖地
黄金のペーパーからすると自転車移動できるのは最強。
こんなん見たら行くしかないやん?
■真夏のサイクリング
で、後は行くだけの状態で起こったのが平成30年西日本豪雨。尾道も断水が続き宿の営業再開が2日前。断念することもよぎりましたがこういうときはむしろキャンセルするべきではないと予定通り出発。
新幹線福山→在来線尾道→高速船で生口島は瀬戸田。北回りモデルコースは短めなので南回りの多々羅大橋経由40kmへ切り替えて走り出します。
が、暑い!とにかく暑い!!真夏の真昼。気温はぐんぐん上昇、生口橋到達時点で汗だく、ペットボトルも既に3本消化で脳みそが痛い。
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他のサイクリストも全く見かけないしこの炎天下で走ってるのはアホなのでは?と思いつつも何とか尾道にたどり着き、坂道を迷いに迷いながらお宿の千光寺山荘へ。このアップダウンがこれまたきつい。
到着してお風呂入って休んだりしていると夕方になりお店やロープウェイが早くも終了。尾道の街をしっかり見ることが出来ないままに翌日は広島へ。BRA★BRAコンサートは初めてだったけど坂口北瀬コンビがゲストとか含めて最高of最高。その後植松さんの活動休止が発表されただけに行けるときに行っておいて本当に良かった。体調回復をお祈りいたします(2019年活動再開!)。
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撮影が解禁された観客参加の演奏会(坂口北瀬渋谷お三方はフルート)
■おのなび
お店の開いている時間に活動出来てなくても、夜景を撮ったり(千光寺山荘屋上は展望用に開放されている)、日の出時に散策したりで尾道に目をつけたのは正解と確信したので次は真面目に観光しようと考えていたところ、このイベントを見つけます。行くしかない。
■尾道の猫さん
尾道と言えば坂、そして猫。散歩をするとあちこちで猫さんを見かけることが出来ます。タイプ①:人慣れしていて近づいても寝ころんだままの猫、タイプ②:人間は石ころとでも思っているのか目もくれず我が道を行く猫。みんな可愛いです。尾道市立美術館の黒猫は全国な話題になりました。
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間違いなく早朝散歩で出会ったこの黒猫なんですよねー。タイプ②で動きが早くてピントを合わせさせてくれなかったのがかなりの心残り。
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幸せそうな千光寺の猫さん
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イケメン猫さん
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猫さんはどこから撮っても可愛い
■浄土寺山展望台
ひとしきり猫と戯れたら点灯が始まるまで絶景ポイントと名高い浄土寺山展望台へ。木が倒れて道を塞いでいたり被害が感じられる状況のなか黙々と登ります。撮影には展望台まで登り切ってしまうより、途中にある不動岩よりやや下の岩場からの方が視界が開けていて良いかもしれません。
そろそろ日が暮れてきたと下り始めるとかなり真っ暗。ここから夜景を撮るなら懐中電灯必須ですね。完全な暗闇での下山は怪我の元です。
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不動岩下の岩場から見た尾道水道
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展望台からの夕景
■尾道灯りまつり
さあ色々見るぞーと意気込んでいたらあっさりと迷子に。そして気の向くままに歩き回っていると聞こえてくる「secret base」。境内ライブとか大好きな人種なので当然ふらふらと入り込みます。
周りを眺めていると地元の人たちが楽しそうに自分の描いた灯りがどこにあるか探していて、15回目の比較的新しいお祭りでも地域に根付いてる感じが良かったです。
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今回目的とした灯りまつり以外にも尾道中心部には千光寺を代表とし、映画アニメ関係、喫茶店など多くの見どころがありますが書き始めると長くなりすぎるので別稿で。ここではしまなみ海道の尾道3島についてのメモを。
■向島(むかいしま)
2日目は自転車で向島へ。土日の尾道駅前レンタサイクルは異様なペースでお客が来るようでママチャリかミニベロしか残っていませんでした、流石サイクリストの聖地。クロスバイク等が必要な場合は忘れずに事前予約を。
向島に行こうと思った目的は2つ。1つは瀬戸内海の景色が眺められそうな高見山。もう1つはグーグルMAPでここにも海に向かって鳥居あるぞ?と見つけた「厳島神社」です(実際にあるのは岩子島)。
高見山山頂へは向島洋らんセンターにミニベロを置いて遊歩道から登山。日曜なのに行き帰り誰にも遭遇しないのは人気がない場所か?と思いつつたどり着くとこれが大当たり!今回イチと言っていいくらいの素晴らしい景色。
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人も少ないし絶対来るべき絶景ポイント
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残置されたままのリフトとか廃墟マニアも喜ぶ
なお、他の人は車やバイクで山頂に来てました、道理で遊歩道誰もいないわけだ。上りがないと物足りないというガチノリ系なら山頂まで自転車で来るのもあり。そして登山の後はカレー。洋ランセンター自体はあまり見るところはありませんがカレー屋さんがあるのはGoodです。
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体力を回復したら海岸をぐるっと回って岩子島(いわしじま)へ。映画でロケに使われたというトンネルをくぐり反対側の海岸に。これまた観光客とすれ違うことが全くなく到達。こちらの理由は期待外れでした。
神社としては既に滅びているのか賽銭箱も置いておらず、手水舎にも水がなくてしめ縄はボロボロ。ただ、7月には管弦祭なる祭りが行われるようで、この日には一夜限りの復活?を果たし幻想的な光景が見られるそうです。もし訪れるならそのときがお勧めですね。
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波打ち際の鳥居には心惹かれますが… 下はロケに使われたトンネル
ちなみに岩子島に入ったところでミニベロがパンクしました。こいつは困ったとレンタサイクルで説明された番号へ連絡。尾道から比較的近いこともあり15~20分で替えの自転車を届けてくれました。ここら辺のフォローもしっかりしているのは流石サイクリストの街、安心してお借りしましょう。
■生口島(いくちじま)
今回は瀬戸田の耕三寺に行くことも大きな目的です。仕事中にGoogleMAPを眺めるのが趣味で、尾道周辺を調べてると耕三寺 未来心の丘の写真でなんだこれ?となりました。こんなん行くしかないやんと。
で、実際行ってみると未来心の丘は期待通り凄くて、千仏洞地獄峡というのがそれ以上かもしれないくらいやばい。エンターテインメントとしてとにかく面白い寺院で1時間半くらいうろうろしてしまいました。
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めっちゃしろーい!
耕三寺に満足したら尾道観光協会 瀬戸田支部でレンタサイクル。瀬戸田出発の人は多くないのか、ここでは好きな自転車を選択できます。それにしても大きくて細いタイヤの自転車は楽で速い。全然疲れなくて欲しくなる。
今回は多々羅大橋周りでなくモデルコースそのままの30kmコース。ミーハー体質として寄らねばならぬ瀬戸田ドルチェでジェラートを食べるためです。で、写真が↓なんですがこれ手に持って換算50mmレンズで撮るのしんどいんですよ。周りを見るとカップにして柵の上に置いて撮ってました。絶対そっちが正解。コーンじゃなくてカップで買うのがお勧めです。
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影になってインスタバエしない写真
生口島南回りだと多々羅大橋の美しい風景が見れたり大三島に渡ったところにサイクリストの聖地記念碑があるので、余裕のある人はお勧めです。北回りモデルコースだと瀬戸田ドルチェ以外は特に何もありません。
どちらにせよ海の色が死ぬほど綺麗でやべー最高とか口走りながら爽快にサイクリングすること必至。とある仕事のプレゼンで、クライアントが尾道の海の色にとてもこだわっていたと聞いたことがありますがその気持ちがとてもよく分かります。
■因島(いんのしま)
因島水軍城へ行くコースは勾配がきつそうなのでモデルコース通りの因島フラワーセンター経由で。季節が悪かったのか温室内に花が1つも咲いていないという残念な状態。そしてこれまた自分の他に誰一人としていない。
時間があればここから白滝山へ登りたかったんですが案内板で往復1時間以上かかりそうなことを確認して断念。白滝山も結構な絶景が見られるそうなので次回は行ってみたいところ。
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なぜか少女漫画誌月刊デザートのみが置いてある休憩?所
突然ですが因島には恐竜がいます。この通称「ザウルス君」は行方不明となった相方を探し求めて海を眺めているんだとか。いつか再会できることを祈りましょう。
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因島アメニティ公園からの眺め
最後は因島大橋たもとのはっさく屋さんで名物のはっさく大福を、と思ったら月火は定休日。仕方ないので自転車を置いて大浜埼燈台へ。うーんここも誰一人としていない。しまなみ海道沿いだと結構サイクリスト見かけたんですけどね。マイナーどころなんでしょうか?
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この灯台、何気に土木遺産でした。1人だと結構怖い山道抜けていく上に、灯台記念館の説明ボタン押すとスピーカーから歌とかが流れてきてより怖い。でも因島大橋を下から眺められるという展望の面では優秀。ここを通る船を間近で眺められます。
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因島大橋と輸送船?
■小噺
尾道から瀬戸田に向かう高速船。普段は船内説明等はないのですが団体さんがいるので折角だからといくつか豆知識を披露下さいました。この船員さん、元々は横須賀の自衛官で1年前?に転職したそうです。毎日8便運航していても季節で光景が変わって飽きることがないとおっしゃっていました。
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小噺その1。生口島と因島を結ぶ生口橋。当時は世界最長の斜張橋で設計段階からとても苦労したんだとか。工法も日本初の特殊なものを取り入れており、この生口橋での経験が後の多々羅大橋や瀬戸大橋の設計・施工に活かされたそうです。
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小噺その2。生口島と高根島を結ぶ高根大橋(こうねおおはし)。このアーチで支えてそれに橋桁を通す方式も日本初の工法だそうです。瀬戸内海の島々が連なるだけにその間に橋を通すため、様々な努力が試された場となったんですねー。
■まとめ
めちゃんこ長くなったのでとりあえずまとめ。尾道中心部についてはその2に分けてメモります。
・レンタサイクル素晴らしい、走ってるだけで景色最高&気分爽快
・ただし真夏の炎天下は死ぬ
・絶景ポイントとしては高見山が超オススメ
・耕三寺はエンターテインメントとして超優秀