歯科医によって違うEラインのとらえ方

●歯科医によってEラインのとらえ方が違うって知ってた?

Eライン※という言葉を聞いたことがある人も多いと思う。
念のために説明すると、Eラインとは、横顔の鼻先と下アゴの突端部を直線で結んだラインのこと。横顔から見て、人差し指を鼻先とアゴ先にまっすぐ付けた時に、唇が人差し指につかない状態が理想のEラインと言われている。

こちらについて、実は、歯科医によって見解に相違があるのだ。
そもそも、「外国人を基準としたEラインに美の基準を合わせる方がおかしい!東洋人が口元がある程度出ているほうが自然で美しいのだ!」、という歯科医もいる。
一方で、「美しい口元は外国人のようなEラインなのである。とにかく出来るだけ、口元を奥に引っ込せることが口元の美につながるのだ!」という歯科医もいる。レントゲン写真からパソコンで口もとの出ている角度を測ってくれて、理想のEラインと比べてどれくらい口元が出て切るか計算してくれる先生もいた。

●Eラインのとらえ方は治療方針につながる!

これらのEラインの考え方は、治療方針にもつながる。
口元が出ているほうが自然と捉えるタイプの歯科医だと、歯並びの程度によるが、本人も抜歯に積極的でない場合、歯を抜かない矯正を勧められることがある。
外国人のようなEライン派の歯科医だと、とにかく歯を抜くことが矯正治療の前提となる。その場合、たいてい親知らずも含めて8本抜くことを推奨される。

●自分の理想の矯正後のイメージを持っておくことが大切!ちょっと出てても自然な方がいいの?外国人みたいにとにかく引っ込んでいた方がいいの?

矯正終了後に、いくら歯科医が成功したと思っても、患者がその仕上がりに満足しないことがある。

それは、歯科医と患者の仕上がりイメージが異なることに原因がある。歯科医の考える口もとの美と、患者の考える口もとの美のイメージが違う場合があるのだ。
例えば、患者が言語化できていなくてもぼやーっと、自分の口元は少し出ていた方が自然と考えていた場合、外国人のようなEラインを目指す歯科医に矯正治療を行ってもらった結果、ストーンと垂直になった鼻の下に違和感があるかもしれない。

逆に、外国人のようなEラインにあこがれていたのに、東洋人は口もとが出ているほうが自然だと考える歯科医に矯正治療を行ってもらった場合、自分の理想とは違う仕上がりになってショックを受けるかもしれない(実際、外国人のようなEラインが理想だという、私の友人は抜歯せずに矯正をし、完成したがEラインが納得いかなかったため、また初めから歯を抜いて、再度矯正を始め、トータルで矯正期間が5年以上かかった)。

このようなことを防ぐためには、あらかじめ歯科医と患者とカウンセリングですり合わせておくと、矯正後の口元について、双方が納得した仕上がりになる。矯正開始前にどんな口元が自分にとって理想なのかちゃんと把握しておこう!(もし、どんな口元が理想なのかイメージがわかない時は、まず矯正治療をはじめ、完成形が見えてから、矯正治療期間は延びるが抜歯を決断するという方法もある)。
そしてそのイメージを、矯正歯科医にきちんと伝えておこう。そうすれば、完成後のイメージを医師と共有できて、きっと矯正治療がうまくいくよ☆

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