ただ動物が好きなんです(ネタバレあり)

危険なビーナス観ていますか？
妻夫木聡さんが獣医さん役で出ているドラマです。

私の記事を読まれてる方はほとんどいないと思いますがネタバレがあるので、録画派の方は録画を観てからどうぞ。

人間の医者ファミリーの中で妻夫木聡さん演じる伯朗は獣医師です。
今日のセリフで

どうして人間の医者じゃなく動物の医者に？

という問いかけに｢ただ動物が好きだから｣と答えていて胸がジーンとしました。

私が動物に関わる仕事をしようと思ったきっかけは何だっただろうと思い返してみました。
両親共に動物好き一家で育ち、物心着く前からキューカンチョーとかを飼っていた両親。
私が小学生の時社宅だったのですが、結構大きめの敷地で駐車場が広く並んで駐輪場も社宅の目の前にあって、裏には各家庭用の畑、建物の横には倉庫もありました。

ある日その駐輪場に1匹のノラ犬が繋がれていました。
父と2人で｢可哀想、飼ってあげようよ！｣となり飼い始めたのが雑種のわんこチャコでした。
動物好きファミリーでしたが、犬を飼うのは初めてて当時は動物病院もあるにはあったけど今ほど数がない時代でした。

雌犬だったその子は生理が来て、社宅の室内で飼っていたので避妊手術することになり、動物病院へ連れていき避妊手術してもらいました。
抜糸は1週間後にとの事で1週間経ちましたが、小学生の私が見ても明らかに傷口がくっついていない感じでした。
でも父が
先生が1週間って言ったから1週間でいいんだ！と言ってとりあってくれず、結局抜糸をしてもらいましたが、私の不安は的中でその日の夜に傷口がカパッと開いてしまってまた連れて行って縫ってもらう事になってしまいました。

傷口を舐めていたのもあったので、舐めないように手製のエリカラを厚紙で作った記憶もあります。
それが初めての動物看護だったのではないかなと記憶しています。
その後も動物が出るテレビにかじりついて観ていた私。
高校生になって、就職か進学かとなった時に、成績も頭も悪かった私は動物園で働くのは無理だと分かっていたので適当に就職でもしようかと思っていました(ほんとバカw)
動物の専門学校があると聞き、専門学校の校長先生が学校に説明に来てくださり帰宅して親に頼みこんで動物看護師の専門学校に入学させてもらうことになりました。

そこの専門学校では1年目はトリミング、2年目で動物看護の勉強というカリキュラムでした。
正直トリマーになるつもりはなかったので、カットも下手くそで、爪切りや耳掃除を嫌がる(学生が行う為下手で嫌がる子が多い)犬や猫に噛まれて落ち込んだりとしていましたが、2年目で看護を勉強したり実際に動物病院に研修に行って色々学ぶ事でトリミングで保定の大切さを学んだりと無駄な事などないんだとますます動物に関わる仕事がしたいと思うようになりました。

なんとか卒業し、就職させていただいた病院で6年と別の病院で2年弱くらい働いた後は、全く別の仕事をしていました。
自分自身にアトピーがあって、悪化したりもあり遠ざかっていました。

ただコロナ渦で職を失い、地元に、実家に14年振りに戻りまた動物病院で働かせていただいています。
しかもその初めて飼ったわんこの避妊手術をした病院です(笑)これも何かのご縁なんでしょうね！
当時の先生は辞められて、今は別の獣医さんが院長先生です。

ただ本当はまた動物病院で働けると思っていなかったので、別の仕事をしようと人間のクリニックの受付に面接に行った時に
そこの人間のクリニックの先生も動物好きの方で、
元動物看護師だったという話を面接でしたら、動物病院で働いた事がある事を凄く羨ましがられて

人間の医者ではなくやっぱり獣医になれば良かったなぁ〜と冗談でおっしゃっていました。
私からしてみたらドラマのシーンでもありましたが、どちらも命を助ける立派な仕事です。

残念ながら人間のクリニックでは不採用となった私は失業中に保護猫カフェさんのボランティアをさせてもらっていて、そのご縁があってまた動物病院で働ける事になったのです。
それまで体力面や、ブランクが気になり二の足を踏んでいましたが、始めてしまえば懐かしさと共に
やっぱり自分は動物が好きだな〜と実感します。

大変な仕事ではありますが、やりがいはありますし、微力ながらでも動物の助けになれていたら嬉しいと思いながら過ごしています。
あと何よりも可愛い動物達に触れたり眺めたりしてひとときの癒しももらえます。
そういう時に凄く疲れていてもやっぱり疲れが吹き飛ぶ瞬間があるんですよね。
忙しい毎日ですが初心を忘れず、まずはなぜ自分がこの仕事をしているのかを改めて振り返るのもいいかと思いました。

世界中の獣医さん、動物看護師が｢ただ動物が好き！｣という気持ちを忘れずにいられますように。