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#002 それでも
1st miniAlbum『Chorus』より
M-2「それでも」
funnySkashの作詞・作曲者がわかる曲の中で唯一、"があ君"こと元Gt.中村健二さん作曲。
このときのホーン隊の音がよく活きている楽曲だと思います。
揃えるところはバーン!と豪快に、間奏は丁寧に壮大に。
私にはこの曲の主人公が見えて(具体的に誰、という訳ではなく)その主人公はAメロで
「灯りのない場所」「飾りにもなれない」
といった鬱屈とした感情や荒んだ心を持ちながら、それでも、サビで "願い"を込めて走り出したのです。
「ありのままじゃ壊され」~
心の叫びのようでありながら、やみくもにギャーギャーと叫ばずにひとつひとつ言葉を置いていく感じ。
1回目のサビの
「悲しみはそう 喜びの糧に」
と、2回目のサビの
「悲しみはそう 喜びの糧に」
は、活字で見ると全く同じですが、全く違って。
1回目は、無けなしの、かろうじて主人公の中に残っているプラスな考えを絞り出したもので、2回目は、"夜の色に染まって 朝を待った" 結果主人公が手に入れた "前向き"。
「涙は涸れた」
からもう1度サビにいくのが、正真正銘の "前向き" を手に入れたことを力強く表しているように感じます。
涙は涸れたんだ、それでも、という。
「ありのまま」を壊された主人公は、いったん夜の色に染まって… また走り出すことを決め、朝を迎えたんですね。
ラスサビ
「まだ続くの 嗚呼」は、走り続けて疲れた主人公が "まだ続くの…?" とうんざりしているようにも聞こえるけれど、涙が涸れて覚悟を決めた主人公が、「越えていける」と自身を鼓舞し、「喜びに変わる」と信じ、それが「いつか 君と 出会うためにある」と確信して…
Tp.の伸びからM-3『hoshi』への移り方がとても綺麗です。
走り続けた主人公が「夜風に吹かれ ただひとり 空を見上げている」のかもしれない、なんて歌詞カードを見て、思いました。