見出し画像

2つの仮面ライダーとシン仮面ライダーについて

※ネタばれに関しては気にせず書いてあります。シン仮面ライダーの映画を観てから読んだ方が内容は分かり易いかもしれませんので、ご注意下さい。

「シン仮面ライダー」の映画を先日観て「テレビ版の仮面ライダー」と原作者の石ノ森章太郎が描いた「漫画版の仮面ライダー」が絶妙にまざっていて、自分が理想と思っていた仮面ライダーが実現されて大変面白かった。そしてその3つの仮面ライダーの関係性について書きたくなったので、noteに向かっている^_^

まず仮面ライダーの原作は「テレビ版仮面ライダー」で、石ノ森章太郎が原型を考えてはいるが、テレビドラマ制作のスタッフと作った作品がそのまま原作にあたります。
そして「漫画版仮面ライダー」はまずテレビ版ありきで、改めて石ノ森章太郎が描いたコミカライズ作品になる。そして「シン仮面ライダー」は、「漫画版仮面ライダー」をストーリーのベースに置いて「テレビ版仮面ライダー」のニュアンスを色々取り入れて、(緑川“綾波”ルリ子やひろみの“アスカ”ハチオーグなどオリジナルも混ぜて…)
作られた作品だと思います。(ややこしいけど…)

実はこの構成ってなかなか罪深い、ややこしい話で…
例えば以前の「シンウルトラマン」にカラータイマーが着いてない事でウルトラマンをデザインした成田亨さんと円谷プロとの確執を匂わせたように、今回も石ノ森章太郎と東映の制作陣との確執が匂ってて作品内で和解させているような作品になっていて、そこからも泣けるのです。

というのも、まず「テレビ版仮面ライダー」はベルトに一定量の風が当たる事で変身する設定やホラーテイストで作られていたが、主役の藤岡弘がバイクの事故で撮影に長期参加できなくなった事から、作品テイストが明るくなり、ベルトの風は関係なく変身ポーズで変身できるように変更される。
そのテレビ制作へ対する皮肉が「漫画版仮面ライダー」で、(石ノ森が作った)本郷猛が(テレビ制作スタッフに作られた)ニセライダー達に惨殺されて本郷(=石ノ森)が結局、物言わぬ脳みそだけの存在にされてしまう結末。という話だったらしいです。

そう考えると「シン仮面ライダー」でも1号はベルトに風が必要だけど2号は進化したから風がいらないという、やりとりも感慨深いなと…

唯、このような漫画版とテレビ版の確執に関してのソースは今探しても何処にも見つかりませんでした…でもここまでの話を私の頭の中で考察したとは思えないので…昔どこかにあった事だとは思います。

つまり「漫画版仮面ライダー」は石ノ森章太郎の「テレビ版仮面ライダー」への魂の叫びで、作品にまで昇華はされているけれど、原作者とはなんなんだ?と割り切れない思いがあったのかもしれません…

その辺のリスペクトを含めて「シン仮面ライダー」は大変面白い。
他にも「ロボットK」や「キカイダー」のようなアシンメトリーな顔のロボットが出たり、仮面ライダー0号はダブルタイフーンで完璧というならV3っぽかったり、蝶がモチーフでイナズマンぽい変身だったりオマージュがものすごく散りばめてあるので、映画を観た後に色々調べると面白いかもしれませんね

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?