【自問自答ファッション】レディディオール購入記
自問自答ファッションにおいて、バッグは自己紹介。
その人のバッグを見れば、かっちりして頼れる人、おおらかで気さくな人、他と違う個性がある人…といった具合に「わたしはこんな人間です」という自己紹介になる、というのがあきやさんの教えです。
これまでのあらすじはこちら(読まなくても大丈夫です!)
自問自答ファッション教室でとっさに「レディディオールが欲しい…!」と言い、自分で自分にびっくりしてから約半年。
今回はバッグ購入に至るまでの自問自答です。
よければお付き合いください。
女性的だからって家父長制に従順だと思わないでよ
わたしは比較的、いわゆる「女性らしさ」に沿った「品がよさそう」「おとなしそう」「優しそう」な容姿と性格を持って生まれました。
それ自体は嫌ではなくむしろ気に入っているのですが、受けた教育の影響か家父長制への反発が強く、一部の人たちにしてみれば「従順そうに見えるのに、時折ものすごく生意気で反抗的」な存在でもあります。
でも見た目を「なんだか生意気だし反抗してきそうだぞ…!?」と思われるように変えようと思ったことはありません。
「女性らしい」お洋服が好き。花やお菓子作りなどの「女性らしい」ものが好き。
それを1mmも納得いかない社会通念のために曲げるのは絶対に嫌だったのです。
わたしはフレアスカートや花柄やピンク色などの、ムッシュ・ディオールが大切にしたような「女性の美しさ」を肯定しながら、でも女性への不当な抑圧にははっきりNOを示したい。
だからコレクションを通じてフェミニズムと連帯を提示する現クリエイティブ・ディレクターであるマリア・グラツィア・キウリ氏と、彼女をディレクターに迎えることを決めたDIORのスピリットが好きだと感じたのでした。
ムッシュ・ディオールの言葉に「私は女性を美しくしようとしているのと同時に、幸せにしようともしている」というものがあります。
DIORの創立から今年で76年。
今「女性の幸せ」を考えるなら、決してフェミニズムの思想を無視することはできません。
「バッグは自己紹介」であるならピンクのバッグが欲しいと考えて、それと見るや値段を問わず手当たり次第に試着してきました。
どのバッグも素敵で可愛かったけれど、そこまで強く惹かれなかったのは「マリア・グラツィア・キウリ氏の率いる」「DIORの」バッグではなかったから。
であれば、答えはもう決まっていました。
LADY DIORです。
ブックトートもサドルバッグも美しいですが、やっぱりLADY DIORがいい。
綿密に配置されたカナージュのキルティングも、占いやジンクスを心の支えにしていたムッシュ・ディオールの繊細さがぎゅっと集まったチャーム部分も、マリア・グラツィア・キウリ氏がより使いやすいように改良を加えたというフラップやショルダーストラップも、全部好き。
やっぱりこれしかない、と心に決めました。
購入までのあれこれ
心に決めたのは良いのですが、当然お値段に怯まないわけがなく。
買えないことはないけどもっとお金を貯めてから…
もっと自問自答が進んでレベルアップしてから…
バッグにふさわしい自分になってから…
でもあの色は定番カラーというわけでもないし…
ともじもじ言い訳をする日々が長く続きました。
だけど気が付いたのです。
試着をする時に
「このお洋服、素敵だけどあのレディディオールには合わないかな…」
「あのバッグに合うお洋服が欲しいな」
と思っても、実物が無ければ店員さんにも言い出しづらい。
スクリーンショットを見せれば良いのだろうけど、やっぱり実物が無く想像の中で合わせるしかできないのはまどろっこしい。
なんか…もう買っちゃうか!面倒だし!
わたしの面倒くさがりが勝った瞬間でした。
「他の手頃な価格のピンクのバッグを探す」という選択肢だってありましたが、決断さえすれば最善を手に入れられる状況。
このまま足踏みを続けて見送れば、財布は痛まないし「大枚はたいたのに失敗した!」と思う可能性も発生しません。
でも、そういう生き方をする人間になりたいんだろうか?
こんなふうに見ず知らずの他人が困っている時「もし拒絶されたらショックだから…」と言って手を差し伸べることをやめてしまう自分とは決別したいのです。
「行動したいけど、もし◯◯なことになったら嫌だからやめておこう」という思考をやめたい。
それなら、挑戦した方がいい。後悔したらそれはそれで一つの人生経験だから。
運の良いことに「この人から買いたい!」と思える店員さんにも出会えている。
今しかない。
ドキドキしながら取り置きを依頼し、一番お気に入りの服を着て店舗に向かいました。
店舗に行くたびに何度も試着したけれど、毎回美しいと思えました。
最初に目にした時には、脳内にQueenのボーン・トゥ・ラブ・ユーが流れてしばらく鳴り止みませんでした。
「ピンクの薔薇みたい」と思ったタイミングで、店員さんが「薔薇の花をイメージしたピンクなんです、綺麗ですよね」と教えてくださって、そのシンクロも嬉しかったな。
大丈夫、心から好きだと思えるし、体にも心にも似合ってる。
あとから後悔するかどうか未来のことなんて誰にもわからないんだから、ここまで考えた自分を信じたい。
こんなふうに「今までの自分を信じよう」と思うことなんて、大人になってから久しくありませんでした。
冷や汗なのか脂汗なのかわからない汗を背中に感じながら、クレジットカードの暗証番号を押す指は冷えてブルブルと震えていました。
無事にカードが通ったのを確認し感極まっているわたしに、店員さんは「このバッグは絶対に可愛らしい人に持ってほしかったので、◯◯さまに購入していただけて嬉しいです」と笑顔で声をかけてくれました。
セールストークの一環だってわかっているけど、嬉しかった。
都会のビル風にギャンギャンに煽られながら帰ったことすら良い思い出です。
可愛いバッグのご紹介❣️
先ほど商品写真を載せましたが、実物もすっごく可愛いのでご紹介させてください!えへへ…
このお嬢様のようなたたずまい、可愛すぎる…!
店員さんが何度も「薔薇のようなピンク」とおっしゃったこの美しい色を見てほしい!ちなみに公式サイトでは「アンティークピンク」と名付けられていました。
え〜っ色の名前までかわいい…
商品写真では明るく元気な(?)ピンクに見えるのですが、実物はもう少しだけ落ち着いた色味です。
革の質感も相まって、しっとりと滑らかな花びらのよう。
歩くたび"DIOR"のチャームが揺れて小さく音が鳴るのもとっても素敵です。
ただし慌ててドタバタ動いたりするとそれはもうガチャンガチャンと賑やかな音が出てしまうので、落ち着いてエレガントに行動する必要があります。
渡ろうとした横断歩道の信号が変わりそうだからといって走るのはエレガントではない。気をつけます。
中は同じピンクのスエード生地。手触りが良くてつい撫でてしまう…
小さい財布、キーケース、ハンカチ、スマホ、リップを入れてまだ余裕があります。
小荷物派なので容量はこのくらいで十分。
ショルダーストラップに付けられるチャームはこちらの3つを選びました(3つまで無料で選べるのです)
イニシャルのM。自問自答により自分のキーワードのひとつだとわかった「愛」=ハート。そしてミツバチ。
蜂は西洋のラッキーモチーフでもありますが、ムッシュ・ディオールがお針子さんのことを働き者の「ミツバチ」と呼んでいたというエピソードがとても好きで真っ先に手に取りました。
何のアナウンスも無くショッパーに入れられていたおしぼり×2にちょっと笑っちゃった。店員さんLOVEすぎる。
すごく良い香りなのでちょっと特別な日に使いたいです。
買ってみての感想
心からこれが良いんだ!と思い、ひと目見た瞬間脳内でフレディ・マーキュリーが I was born to love you〜🎵と歌い始めたバッグ。
正直なところを言いますと、色が華やかな上に「どうも!レディディオールです!」とはっきり主張するバッグのため、おしゃれ経験値をそれほど積んでいないわたしにとっては少し手強い相手でもあります。
バッグがすでに主役級なため、お洋服にも主役級をぶつけると自分には「濃すぎる」と感じてしまう。かといって引き算が過剰になるとバッグの華やかさと釣り合いが取れなくなってしまうような気がする。
このバッグに合うかどうか?という判断基準で服を取捨選択したり、どうすれば自分にとってちょうど良い濃度になるのか、コーディネートを試行錯誤したり…
今まで黒やベージュの「何にでも合わせられるベーシックなバッグ」ばかり持っていたわたしには初めての経験です。
でも、それでファッションの自由度が減ったとは全く感じないんですよね。
「フッ…おもしれー女…」
とか
「おめえ強ぇな〜!オラわくわくすっぞ!」
の心境です。
こんなふうに「俺より強いやつ」がクローゼットにいてくれるとファッションに張り合いがあるものなんですね。
自分自身のような、遠い憧れのような、強力なライバルのようなバッグ。
10年後にはさらっとコーディネートを組んで、すっかり馴染んだピンクのレディディオールを持っている自分を想像しながら、自問自答ファッション道を楽しんでいきたいな。
そしてこのバッグを持って最初に行く場所は銀座のCAFÉ DIOR by LADURÉEと決めておりまして…今からわくわくドキドキしております。
ハンドルに巻くミッツァもじっくり探していきたい!
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