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いつもより少し早くお風呂に入った話。

残寒。こういうことなんていうんだっけ。
平和な朝。遠くで聞こえるテニス部の叫び。下校する小学生。
今何歳だっけ、と自問。答えはすぐ出るけど解答欄は埋まらないし、丸はつかない。

二十代になって少し経つ。人生の折り返しでもあるハタチ。
生まれて80で死ぬとしたら大体4つ折りだな〜と何気ないことを考える。
死ぬのはとても怖く乗り越えられない恐怖に見舞われるけど、
死の先を考えても仕方ないといつも落ち着く。

平和な日々。

何も変わらずいつもと同じ生活をして24回の60分を過ごす。

今日はいつもと違った。

夜遅くに入るお風呂をおやつの時間に入った。
特別な気分だった。みんな学校に行ってる時間。私もその一員なはずなのに、今日は晴天の水浴びを独り占め。

地球は広いが世界は狭い。アメリカまで行くには飛行機で何時間もかけなければいけないが、アメリカの恋人とSNSでつながってしまえば3秒でスキを伝えられる。
昔の人なら西の街へ行く旅人にスキを伝えなければならない。とてもじゃないが無理な話だ。時代は変わったなぁ…とおじいちゃんみたいなセリフを吐く。

のぼせてきた。ここからが正念場だ。
のぼせを自覚した体にさらに30分入浴時間追加のダブルパンチ。体に効く。
とてつもなく火照ってきた体に冬の冷風を当てる。

何もしたくない。どこかへ行って消えたい。
どうせこのまま適当に決まった就職先で働いてあまりにも長い時間を最短距離でカットしていくんだ。そんな人生を送るのだろうとツイートしようと思ったけどやめた。

勉強はできる方ではない。むしろできない。自分は平均的な実力と信じて止まなかった中学時代。夢物語。

いつもと変わらない何もない生活をしているとふと頭によぎる。

ベッドに横たわって白い天井を見ている。視界の端に自分によく似た子供がいる。

爺になってもうすぐ死を迎える自分の想像。

みんなに心配された顔して死にたいな。
いや、どちらかというと恋人を事故から守って死にたい。

その瞬間が明日か一ヶ月後か。
今考えても何も起こらないし自分が病むだけ。

鬱になるたび今考えるべきことはそれじゃないと思い込み、Amazonのほしい物リストを覗く。そういえばペン立てが欲しかったっけ。

今日も何もない日が終わる。何かをしている時じゃないと何かを伝えたいとは思わないんだ。人間は七割水でできてるからきゅうりだとか野菜だとかそういうことを言ってみたい。

これは何もない1日の少し変わった瞬間を書き残しただけの日記。

あなたの一部が私の酒に変わる。