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コンサートで電子ピアノを使うメリット

僕はクラシック出身のピアニストで基本はグランドピアノでのコンサートがメインでしたが、電子ピアノの様々な可能性に気づき、
昨年本格的な電子ピアノセットを購入しました。
本番で使っていくうちに気づいたメリットを紹介します。

演奏の場が増える

やはり最大のメリットはこれ。
電子ピアノを持っていれば、ピアノがない会場でも電源さえあればコンサート会場にできる。

演奏を必要としているけれど楽器がないという場所に演奏を届けることができます。

ホテル、料亭、美術館、病院、介護施設、庭園、古民家、野外、美容サロン...etc
今までこのような場所で演奏しました。
アウトリーチコンサートに大活躍します。

仕事の幅が広がり、どこでも演奏できるピアニストとしてきっと重宝されるでしょう。

会場に合わせた音量調整ができる

電子ピアノは音量を自在に調整できるので、例えば大音量を出せないような会場や、他の人に配慮が要る病棟などでも柔軟に対応できます。

多彩な音色で演奏可能

電子ピアノには、ピアノの音だけでもたくさんの種類があり、ピアノ以外にもたくさんの音色が収録されています。

エレピ、ストリングス、ハープシコード、パーカッション、効果音、シンセ音、etc

僕の使っているRolandのRD-2000には1000種類以上の音が入っていて、工夫次第で様々な演奏ができます。これは電子ピアノだからできるパフォーマンスです。

マイ楽器という安心感

弦楽器や管楽器などの奏者は普段からマイ楽器を持ち歩き、練習も本番もマイ楽器で演奏します。
しかし、ピアニストは自分の楽器を本番で使えないので、その会場にあるピアノを使いこなす必要があります。
ピアニストという演奏家の大きな特徴のひとつです。
現場に行ってみたら調律のヒドいガタガタなピアノだったなんてこともあります。
それでも弾くのがプロです...が、辛いところ。

ところが電子ピアノは、いつでもどこでも調律不要、同じ鍵盤タッチ、音色、機能で絶対的な安心感があります。

デメリット

一応紹介しておきますデメリット。

・運搬が大変
重くて大きいし、アンプやスタンド、椅子など必要なものが多く搬入量が多いです。雨が降ると更に大変なことになります。夏場は地獄。体力が要ります。

・クラシックの難曲を弾くのは難しい
電子ピアノに慣れても、グランドピアノと同じように難曲を弾くのは難しいです。

・音量調整できる故に音量調整が難しい
どのくらいの音量がいいのか判断するのはとても難しいです。
スピーカーの位置や数によって聴こえ方がかなり変わるし、自分には聴こえているが会場に聴こえていないなんてことも起こります。他の楽器とのアンサンブルのときは特に、ステージ上のバランス、客席での聴こえ、自分への聴こえを判断する優れたバランス感覚が必要です。

電子ピアノは楽しい!

普段からグランドピアノに慣れているクラシックのピアニストにとっては電子ピアノの本番なんて考えられないなんて人もいると思います。
僕も元々そうだったのでよくわかります。

けれど電子ピアノはピアニストにとって凄く可能性がある楽器だと気づけば積極的に活用していけると思います。とても楽しい音楽ライフが送れます。

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