画角を広げろ! Vtuber的バラエティへの挑戦
今回1周年もあって見た目も心機一転しました。左が今までの姿。右が新しいいぬじまです。どうぞご自愛下され。
通常どんなVtuberでもモデルチェンジとなればTwitterやら動画で「おめでとうございます!!」「新モデル可愛いね!」とちやほやしてもらえると思ってたんですが、案外そうでもないものです。(もちろん褒めてくれた人もいるけどね)。結構新デザインとかアイコンのダメ出しがリプライとかで来たし、手放しで皆に歓迎されてない感も少しあるのかなぁと思ってます。
画角を広げろ!!!(誤用)
ここで本題。基本的に見た目の変更は一般的なVtuberの方のように「技術が上がったから…」とか「ファンが増えたので新モデル!!」とか、最近で言えば2度目の羽化を果たした富士葵ちゃんのようなドラマチックなイメージだと思いますが、いぬじまの場合は違うんです。動画を出して分析した結果とかいろいろ踏まえて、動画の画(え)のニーズのための変化をしています。そして今回狙いは「画角を広げろ!!」という所にあります。
画角とはカメラで撮影する時の映像の範囲を指します。画角が広いとそれだけ広い範囲の映像を映す事ができるのです。僕はそれをもじって、チャンネルの動画のジャンルの広さを「画角」という言葉で表現しています。これは完全に僕の脳内のイメージで言葉としては誤用です。でも語感が良いので今回はこの言葉を使っていきます。要するに、動画に映る自分の姿をよりいろんなジャンルに対応できるデザインにすれば画角=チャンネルとしてのバラエティが広がるということなのです。
なんでバラエティにこだわるのん?
やたらめっぽういろんなジャンルの動画を作らずに漫画紹介に特化したらいいのに・・・・。これはリスナーだけじゃなくて僕の友人にも言われた事があります。確かに今いろんなYoutuberがいる中で目に留まってもらうには専門性に特化した方が良いのかもしれません。事実それで話題になり注目されている方もいます 。(懲役太郎さん 由宇霧さんとか)ただ僕は飽き性なのでそれは続かないし、そもそもそんなに専門的な知識は持っていないのです。それにまだ活動1年で可能性を閉ざすのが嫌でした。
↑伝説の企画 デジカメで座流星群を撮りに行ったがほとんど見えない
いろいろやってりゃ1つは当たるだろーよ!?と思うのです
なのでいろんなジャンルに挑戦したのですが、例えばそれで上手く動画がバズっても(4桁再生とか)ファンの獲得に繋がらない事も多かったのは事実です。ただそれはわかっていたんです。元々チャンネルの一貫性がない所をジャンルで縛るのではなく「描き語り」という映像手法で一貫性を持たせたかったのです。ただそれをするだけのドローイング・編集スピードが足りなかったためとにかく週1以上動画を必ず上げて功夫を積んでいたのです。おかげでトレンド動画でも4時間ぐらいで描き語り動画にできるようになったのがつい最近の話です。
↑ポケモンダイレクトの描き語り速報動画 放送から6時間後に投稿できた!
これでやっといろんなジャンルに挑戦しても「描き語り」という一つの糸でチャンネルに一貫性を持たせられる!と思っていたのですが落とし穴がありました・・・。
実写映像の面白さを見せる動画とすこぶる相性悪い!
そうなんです。僕が持っている数少ない財産「タイの実写映像」と描き語りの演出はすこぶる相性が悪い!実写の魅力を殺してしまうのです。それに加えて、そもそも実写動画を好んで見る人とVtuberの相性が悪いんです。
動画を投稿すると時間ごとの視聴率がわかります。僕の場合は普通の動画だとだいたい最初の数秒で70%まで落ちます。クリックした瞬間に30%の人がブラウザバックしているのです。これが実写絡みやVtuber以外の人に向けた動画になるともっと顕著で50%ぐらいまで落ちるケースもあります。
Youtubeが好きで見ている層にとってVtuberはノイズになりうる
わかりやすいケースで想像してみます。例えば釣りが大好きな人が魚の写真がアップのサムネを見つけてクリックしたとします。そこで冒頭で赤とかピンクのツーブロック髪の青年が
「路上でタピオカ飲む女子、大体顔微妙。どうも!INUJIMAですッ!」
と、威勢のいい声で挨拶してきたらどう思うでしょう(あくまで例え)。タレント的なYoutuberが好きな人は抵抗なく動画を見るでしょうが、その界隈を知らない人はブラウザバックしてしまうでしょう。実際動画の内容が面白くてその人のニーズに合っていたとしてもです。なので実写で即ブラウザバックする50%はVtuber(特にいぬじまのモデル)がノイズと感じる50%なんです。これはもったいねぇ。
つまり実写動画で画角を広げて新規のファンを獲得するには
・実写と描き語りを紐づける
・見ている人にVtuberのノイズを感じさせない
の二つの課題があったのです
今回のモデルはノイズを減らすテーマです
それを打開する知恵がないものかと探っていた時にVtuberのディープブリザードさんが「実写と二次絵を上手く溶け込ませる」という技法を紹介した動画を投稿したのです。これって使えるんじゃないか?と思ってその技法をここ最近練習していました。(上の画像)これが上達すれば実写映像が途中でふっと2次絵と溶け込んで面白い映像を撮ることができるのでは?もう少し功夫が積めたらお見せしたいと思います。
で、技法を練習していた所、どうも今のアウトラインとハイライトがくっきりしたいぬじまじゃ相性が悪い事実がわかってきました。それをベースに今のモデル構想のコンセプトが出来上がってきたのです。
これが新モデルの意図だ!
そんなこんなで完成したのがこのモデルポイントとしては
・2次元Vtuberの違和感の廃止(左右対称のデザインを感じさせない)
・実写との違和感の廃止(馴染みやすいレトロ感/アウトラインの廃止)
この辺がミソなのです。Vtuber知らない人が見ても「いい雰囲気のキャラクターが喋ってるな」と思わせたかったのです。そうすればいぬじまが映ることがノイズでは無くてスパイスになるなと。
今回のタイの動画を見る限りだと概ね狙った球は打てたつもりです。後は実際の映像と描き語りの融合を進めたいと思っているのです。
ただ、多分今回の変更で普段の漫画語りがどうなるか不安になっている人もいるのだと思います。それに対してのギミックも一応仕込んでいるのですが、ここで言ってしまうと野暮だし失敗する可能性もあるのでまぁ見といてよっていうのが僕の思いなのです。
最後に
こうやって書くと動画のためにVtuberをツールとして使っててただの代理アバターじゃんって思う人もいるかもしれません。ただこういう考え方には僕なりのルーツがあるんです。
機動戦士ガンダムの富野監督が大好きなのですが、TVに出る時は必ずとても派手なシャツを着て出演していたのです。かなり昔の番組で司会の方がシャツの柄を褒めた時の監督の回答が印象に残っているのです。「本当はこういう服を着るのは恥ずかしいんだけれども、外部に自分を発信する時に、こういう印象とかを与えたいし、自分自身も緊張感と刺激を常に持たなきゃいけないと思って着ています。」(うろ覚えで所々間違っているかもしれません)
僕はその言葉が印象的で、そういう自分の着飾り方はなんだか格好いい思うのです。実際モデルを変えた時は気恥ずかしくて深夜に配信してみんなの反応を伺うぐらいでしたし、そこで皆に「イメチェンしすぎw」「誰だw」とイジられる体験は中々素敵なものでした。
今回備忘録もかねて長文になってしまいましたが、僕は結構体験主義者な所があって、”取り敢えずドロに手を突っ込んで結果から方針を決める”という手段が大好きなのです。(たとえ見た雰囲気で分かり切った答えがあっても頭から突っ込んで確かめたいのです)。ただそのやり方の周りくどさでヤキモキエキサイトする人もいるみたいだったので、一度脳みそをかち割って垂れ流すような文章を書いてみたのです。
終わり