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はじめてのチュウの謎
はじめてのチュウって不思議ですよね。
はじめてチュウをした少年の気持ちを歌った歌ですけど、なんでチュウをして涙が出ているのか、いまいちよくわからんやないですか。
「君のせいで眠れない」はわかります。
「耳たぶが燃えている」もわかります。
ただなんで、そこで涙を流しているのかはイマイチ分からんのですよね。
百歩譲って、爆裂緊張して興奮するのはわかりますよ。やさしい気持ちでいっぱいになって、好きが暴走してるんでしょう。ただ、やっぱり普通に考えたら泣くことは無いんすよ。
逆に、泣いたって事は。
この子、なんかやましい事がある気がするんすよね。
やっぱり泣くからには、何か悲しい出来事があったんやと思うんですね。
それこそチュウでミスって嫌われたかもしれないと不安になったとかがないと、おかしいやないですか。緊張で変なこと言ってしまってたり、前日にニンニク増し増しを食べたことを思い出したり、唇を噛みちぎって持って帰ってる事に今気づいたり、何かしらのミスや不安が無いと、涙は出ちゃわないと思うんですね。
まぁでもこんなもん感覚ですから、「不安がないと涙は出ない」というのも感覚でございます。世の中にはいろんな人がいてるので、「チュウをすると反射的に涙が出る」という人がいてもおかしくはないでしょう。
ってのも俺が一番はじめてのチュウで不思議に思ってるのは、この歌詞じゃないんですよ。
俺が一番不思議なのは、アーティスト名なんですよね。
この曲は、ご存知かもしれませんが、あんしんパパという人が歌っております。この、あんしんパパは何者かと言いますと。
「あんしんパパ」は実際には存在しない架空の歌手であり、実際に歌っているのは作詞・作曲者の実川俊晴である。
ーはじめてのチュウ Wikipedia
作詞・作曲の実川俊晴という方なんですね。
この方、他の作品では別のペンネームを使っていて、基本的にあんしんパパでは、はじめてのチュウを歌ってるんですね。いわば、はじめてのチュウのためのペンネームが、あんしんパパなんですよ。
思いませんか。
なんではじめてのチュウの為のペンネームが、あんしんパパなんやろうって。
どう考えても、あんしんパパははじめてのチュウ向きな名前では無いやないですか。「かりかり童貞」の方がよっぽどお誂え向きな名前でしょ。
これが、あんしんパパのたくさんの曲の中の一曲ならまだわかりますよ。そりゃ一曲くらい子供の頃の気持ちを歌う曲もあるでしょう。でもこのあんしんパパは、この曲の為だけに作られたペンネームな訳ですよ。はじめてのチュウを歌う為だけに生み出された名前が、あんしんパパってなんか違和感があるんですよ。
まずパパですからね。あんまり親父のファーストキスの話って、聞きたくないやないですか。ちょっと気まずいし。
それもただのパパやなくて、あんしんパパです。あんしんパパのはじめてのチュウ。逆にいうと、はじめてのチュウをあんしんパパ名義で歌うって、なんかメッセージ性を感じるんですよ。直接的な歌詞の裏に、何かしらのテーマがあるような気がしてならんのですよ。
そこで思ったんすよ。
これ、不倫の歌なんやないかって。
このはじめてのチュウ、思春期の歌ではなく、不倫の歌なんやないかと思ったんですよ。そのヒントが、あんしんパパなんやないかと。
家では家族を優しく守る、あんしんパパ。忘れかけていた恋愛を思い出して、年甲斐もなく燃え上がる感情。
そう考えると、涙を流してしまう複雑な心境にも説明がつきますよね?
愛と家族の狭間で揺れ動く感情。大切な家族と大切な愛人。ふしだらな純情に惑わされる自分を憂い、あんしんパパは涙したんやないのかと。
そうこの曲は、純粋な青春の甘酸っぱさだけじゃない深みがあるんすよ。
その証拠が、あんしんパパなんですわ。
この曲は、大人の愛を歌った曲に違いないんですよ!
当時の幼き我が子、杏(あんず:女6歳)と、森(しん:男3歳)の名前を繋げてそのパパということで 適当に思いつきのネーミングを提出してしまったのでござる。
ー実川敏晴公式HP 「あんしんパパ」の名前の由来より
パパ....