CeVIO AIソングボイス「梵そよぎ」CFが発表
こんばんわ、いぬいぬです!
昨年から謎の発表を続けてきた謎のAI音声合成プロジェクトキャラクター、「梵そよぎ」のCeVIO AIソングボイスのクラウドファンディングが発表されました!
4/11スタートにむけてまとめました!
追記:スタートしました!
追記その2:達成しました!
追記その3:追加ゴールについて記事にしました!
「梵そよぎ」って?
なんてよむの?
読み方は「そよぎそよぎ」です!難しい…
「そよそよ」なんて言われてますね!
(ちなみに昔、野球選手にこの名字の選手がいたようです…本当に居るんだ…)
声(CV)はダレ?
そよぎくんの声を演じるのは声優の「梶裕貴」さん。
名前を聞いたことがなくても声はみんな聞いたことあるレベルの、
日本を代表する男性声優さんですね…
男性声優さんがCVのキャラクターで、中の人がここまで大物の合成音声キャラは初じゃないかしら?
(男性歌手や女性声優さんだとそこそこ大物いるんですけどね!)
そよぎくんは梶さんの声優20周年を記念したプロジェクトとして生まれたキャラクターになります!
誰が関わってるの?
主役としては当然、梶さんご本人。
…AIのフェイク動画じゃないですよ!
ちゃんと去年のご本人の動画で説明されています。
キャラクターデザインは米山舞さん。
ボカロ系のイラストでも割とおなじみの方ですね!
テーマ曲は澤野弘之さん。日本を代表する作曲家の方ですね!
一番有名なのは…「~.UC」っていうネットミームになったあの曲
じゃないかなあ…
梶さんとは進撃の巨人つながりですね。
「そよぎフラクタル」って?
キャラ → 梵そよぎ
プロジェクト → そよぎフラクタル
合成音声キャラクターとしてはそよぎくんですが、このそよぎくんを生み出したプロジェクトの名前が「そよぎフラクタル」です。
合成音声ソフトになる、ってだけじゃなくて他にも色々やるらしいです。
なんと!
『進撃の巨人』の諫山先生がネームを手掛ける漫画を制作するそうです。
「ネーム」(構図やコマ割り、セリフ等の"漫画の原稿")なので諫山先生が作画じゃないですが…
先生、ネームにめちゃくちゃ書き込んでるやん!!!
諫山先生テイストのそよぎくん…
どんな声なの?
「悪魔の子」は梶さん本人の歌唱バージョンが同時投稿されてるので比較も面白いと思います!
そよぎくんは「しゃべる」のも「うたう」のもできる
合成音声ソフトキャラクターですが、今回のクラファンは
「ソングボイス」つまり、歌う方
になります。
「CeVIO AI」って?
なんてよむの?
「ちぇびお えーあい」って読みます!
「ケビオ」や「セビオ」じゃないです!
ボーカロイドとかゆっくりボイス(AquesTalk)、ずんだもんのVOICEVOXとかと同じ合成音声ソフトの一つです
どんなソフトなの?
ちょっと古いですけどいぬいぬが昔つくった解説動画があるので見てね!
有名なキャラクターで言えば、
ソング(歌う方)は「可不(かふ)」ちゃんが有名ですかね~
トーク(しゃべる方)にも色々有名なキャラクターがいますが、
梶さんをご存知の声優ファンにも通じそうなキャラと言えば、
CeVIOの公式キャラクターの「さとうささら」ちゃんですかね~
ささらちゃんのCVは「水瀬いのり」さんです。
上の動画のささらちゃんは古いバージョンなんで最新のサンプルはこれです。
ちなみにささらちゃんは歌う方もできます。
AIって付いてるけど大丈夫なの?
最近は生成AIのすごさと共に危険性も色々言われるようになってきました。
ただ、今回の「AI」はAIと言っても「生成AI」のイメージとはちょっと違います。
たとえば、「何々っていう曲をカバーして歌って」というだけで歌ってくれる、みたいなことはできないです。
最低限、歌ってもらうために楽譜がいります。この楽譜は人間が買うなり耳コピするなり、自分で作曲するなりしないとCeVIO AIは何もできません。
CeVIO AIはそれ自体が何かを生み出す「生成AI」ではなく、AIをつかった「創作支援ソフト」です。面倒な「調声(声の調整作業)」を「アシストしてくれるAI」なので、つくるのはあくまでユーザーです。
これは、CeVIO AIの前のバージョンのソフト、「CeVIO Creative Studio」は10年以上前からあるのですが、基本的な使い方は変わっていません。
ちなみに、楽譜を渡すだけで歌ってくれるのは歌ってくれるんですが、
(それはそれでリアルではあるんですが)、それは「ベた打ち」って言われるものなので、歌い方にめりはりが無かったり、曲調に合ってなかったり、
歌い方を間違ったりします。なのでノータッチにはできないですね~。
(ちなみにいぬいぬの場合MIXまで含めると、ガチで調声すると2~3週間くらいかかります)
AIだけじゃ満足できないので趣味として成立してるところでもあります…!
具体的にどういうことをするのか、というと「いぬいぬ流CeVIO・VoiSona楽譜入力のコツ」っていうマガジンがあるので気になる方は見てみてください。長いよ?
勝手に学習してつくったんじゃないの?
CeVIO AIの合成音声エンジンと今回のそよぎくんの音源の開発をしている
会社は「テクノスピーチ」社という会社です。
合成音声ファン以外は知らない人が多いと思います…!
どこやねん!怪しいんじゃないの??って思いますよね?
この会社は「国立大学法人 名古屋工業大学」(名工大)の学生が立ち上げたベンチャー企業です。
そして、日本の合成音声研究の権威、徳田教授が共同代表を務めています。
代表の大浦さんはここの研究室の学生だった時にベンチャーを立ち上げたようですね。
名工大とのつながりが強い会社さんなので、
逆に言えば変なことはできないので(大学の評判に傷がつく)、
当然勝手に学習したりはしてません。
ここはちゃんと中の人と契約してやってます。
なので昭和の名歌手「三波春夫」さんだったり、永遠の若大将「加山雄三」さんだったり、新会社設立を発表した「嵐」だったり、歌声もエアーボーカルになっちゃうじゃんと突っ込まれたりしてる「ゴールデンボンバー鬼龍院翔」さんだったりと仕事をしている実績があります。
まあ梶さん本人が色々アピールしているのでそこは大丈夫ですね。
梶さん以外の他人の声が混じってるんじゃないの?
あと、CeVIO AIの合成音声の特徴として
基本的には中の人のデータだけから学習する
良くも悪くも本人の癖が強く出る
っていうのがあります。
最近は色んなAIによる音声合成ソフトがありますが、他人のデータを混ぜたりして本人ができないことをできるようにしているソフトも多いんですよね。
これはユーザー的には便利なこともありますが、中の人的には思う所あるかもしれません。
CeVIO AIはコンセプト的にそういうこと(他人の声を混ぜる)はあまりやらないので、
その辺も他のソフトより中の人的に安心できる点かなと思います。
(技術的には混ぜるのはできるらしいですけどね!
中の人が無くなってるとか、収録データが無い場合には使うらしいです)
ちなみに、同じテクノスピーチ製エンジンを搭載する姉妹ソフトのVoiSona(ぼいそな)ではそこ(中の人の癖)をコンセプトにしたボイス音源があのコナミさんからつい最近出たばかりです。
良かったらこの記事も見てみてね!
そうはいっても悪用されるんじゃない?
他の音源の例でいえば、今回のそよぎくんも
規約で悪用は禁止されるはずです。
他のAIの学習元に使うのも禁止のはずです。
追記:二次創作ガイドラインが公開されました
もちろん無視してユーザーが勝手にやることはできますけど…
そういうのはそよぎ君がリリースされなくてもやる人はいますし、
見つけ次第、規約違反でみんなで指摘・通報すればいいだけなんで。
それにそよぎくんがキャラクターとして力を付けて、
梶さんのフェイク動画つくるより、
そよぎ君の歌声動画出す方が価値あるよね、ってなっていけば
変な悪用動画は自然になくせます…!
これは「初音ミク」ちゃんがそうなってますよね。
リアルさの問題もありますが、CVの藤田咲さんのフェイク動画を作ろうなんて人はいません。
だって「feat. 初音ミク」で動画出した方がウケるし。
ミクちゃんに下ネタ言わせたり政治的発言させたりすることも、
やればできますけど、ファンから強い非難…っていうか炎上しますよね?
そういう形になるかどうかは、CFの成功と、
そよぎくんを手に入れたファン・ユーザーの手にかかっています!!
単なる梶さんファングッズで終わったらこのプロジェクトは意味ないし、
悪用されて終わっちゃうでしょう。
ファン・ユーザー次第です!!!
歌う方だけなの?
そう、今回のクラファン、ソングボイスのクラファン、
つまり歌う方だけなんですよね~
これは上で書いたように悪用される恐れ(しゃべる方がスキル要らない)もあるし、そよぎくんがまだキャラクターとして独り立ちしてない、っていうこともあると思います。
まあソングの方のそよぎくんの広がり次第じゃないかな…?
トークの方はアンバサダーとか、一部のちゃんと契約した人だけに使ってもらう形とかもあるかしれません。
梶さんのボイス、ということで少年声とか期待しちゃいますけどね…
AI VTuberとか対談企画とか色々やるみたいなんでそこで楽しめそうではあります。
あと姉妹ソフトのVoiSonaで出してDTMファンにアピール、って方法もあったと思いますが…、CeVIO AIで出すのは「普通の人」に創作してほしいって狙いもあるんじゃないかなと思います。
ずっと初心者向きですからね。CeVIO AI。
これは他の合成音声ソフトとくらべても、です。
合成音声ファン・DTMユーザー向け情報
macでは動かないよ
CeVIO AIなんでmacではそのままでは動きません。
パラレルスデスクトップ入れればいけます。
姉妹ソフトのVoiSonaなら動くし、VST3/ARAプラグインとしても使えます。が今のところリリース予定はないです。
まあクラファンの追加ゴールで増える可能性もありますが…
(公式にリクエストだせば検討してくれるかも…?)
ちなみに初心者向け、細かいところまで手が回るのはCeVIO AIの方だ、
と個犬的にいぬいぬは思います!
CeVIOで初の男性音源?
古い方のCSには男声音源のソングボイスは4つありました。
(もう3つは買えません…)
姉妹ソフトのVoiSonaにも男声音源のソングボイスにも2つ出てます。
CeVIO AIだと、トークボイスはタカハシ君がいます。
が、CeVIO AIのソングボイスでは初ですね~。
いぬいぬはトーク勢だからトークボイスも出てほしいんですが!
ソングボイスとソングスターターの違いは?
クリプトンボカロはセット売りですが、他は基本ばら売りです。
CeVIOは基本ばら売りで、セット売りが「スターター」になります。
CeVIO AI持ってない人で初めての方は「ソングスターター」が入ってるやつをクラファン支援しましょう。一番安いのは「F」かな?
既に持ってる人はそよぎくんは「ソングボイス」の方をクラファンしましょう。コースでいえば一番安いのは「E」かな?
もし普通にお店で売られるようになったら、ソングボイスは7~8千円くらい、ソングスターターは1万2~3千円くらいじゃないかなと思います。
もしグッズ付きとかだと高くなります…!
ちなみに古いCeVIOのエディタや姉妹ソフトのVoiSonaは互換性ないです。
VOCALOIDとかはもっと互換性ないです。
(コンセプトから違う別ソフトなんで…使い方も結構違います)
新エンジン(2.0)?
今の時期に出すので間違いなく新エンジンって言われてるやつです。
(ていうか初期のデモで高いノートのロングトーンで変にケロる、新エンジンの癖が確認できました。)
これの特徴はボコーダーがDNNを使ったやつになってて、
音質のいわゆる「CeVIOっぽさ」がだいぶ抑えられてます。
(DTMer的にいうと、ケロケロとしたボコーダーエフェクトっぽくなくなってます)
他のソングボイスはまだ2.0になってない子も多い(可不ちゃんとか)ので、その音質で考えてると割と違う感じです。
姉妹ソフトのVoiSonaの無料付属ボイスライブラリ、「知声」ちゃんは1.0系と2.0の比較できるんで、気になる人は音質の違いを確認してみるといいかもしれません。
またテクノスピーチ製エンジンは、バージョン違いで割と歌い方も変わるので音質だけじゃなくてより生々しくなってるはずです。
調声の注意点は?
CeVIOの基本ですが、人間用の楽譜を歌うことに最適化しているので、
MIDIそのままを渡したり、楽器向けの楽譜や、VOCALOIDやUTAU向けの調整が入った楽譜を歌わせてはダメです。ちゃんと歌ってくれません。
楽譜は人間向けのボーカル譜に直しておきましょう。
「母音ノート分割法」は絶対NGです。ピッチをノートで再現してはいけません。というかノーツで歌い方を再現してはダメです。
CeVIOのNORはそういう歌い方を再現する用途のパラメータじゃないです。
楽譜で大事なのはまず調号指定です。歌い方が変わります。
曲の転調もちゃんと合わせましょう。
調声のメインパラメータは「Dynamics」「歌詞特殊記号」「TMG」の3つです。他の合成音声ソフトと異なり、PIT(ピッチ)パラメータの重要度は低い、というか最後に手を入れるところでPITはメインパラメータじゃないです。他の合成音声ソフトのようにあんまりPITをいじるとうまくいきません。
この辺は前に紹介した記事シリーズや、CeVIOユーザー互助会Wikiを参考にしてください。
男声音源なので楽譜と推奨音域のキー合わせも大事になります。
また、男性音源の場合、音域は低くなりますが、
CeVIOは比較的低音が2.0エンジンでもやや苦手です。
これはたぶん男声音源が少ないのでノウハウがすくないんじゃないかなとおもいます。そよぎくんがどの程度低音得意かは分からないですが、
高音の方がきれいに出やすいことは予想できます!
CeVIOの音源だと推奨音域あんまり公開してくれないんでちょっと不安ですが、クラファン中に問い合わせてもいいかもしれませんね。
ちなみに従来の音声合成風にケロケロさせるのは、簡単です(TUNEをMAXに)。
ボカロ曲歌わせるならそれもありですね…!
使えるツールは?
MIX時にピッチ補正でMelodyneを使うのは一般的です。
PITとは使い分けですね(波形をいじるのか、波形合成前にいじるのか)。
人間用のボーカルMIX手法が使えます。
いぬいぬはiZotopeの各種プラグインでラクに仕上げちゃいます。
RXやOzone、Nectarあたりですね。
この辺は使い慣れたWAVESなりなんなりでやってみてください。
なおCeVIOはVSTなどとしては使えません。
オーディオは取り込んで同時再生できますが、フォーマットに制限があります。いぬいぬの自作ツールで自動で変換して投げこめるようにしているので使ってみて下さい。
ブレス音が要らないときはRXとかで自動処理してもいいですが、上のツールで調声を自動でやってくれます。そういう時にも使えます。
なおVSTプラグインとして使うことはできませんが、CeVIOの出音にVSTプラグインの加工を入れて聞くことはできます。
この辺は公式のマニュアルにないんで気を付けてね!
MV動画を作る時に口パク(リップシンク)したい?
Aviutlなら「PSDToolKit」、YMM4なら「KuchiPaku」が使えます。
トークボイスが無いけどしゃべらせたい?
うん、まあ、一応「NodoAme」対応予定です。
でも規約で禁止とかあるかもね~
まとめ
「梵そよぎ」のCeVIO AIソングボイスのクラウドファンディングが発表
梶裕貴さんの声優20周年を記念したプロジェクト
CeVIO AIは合成音声ソフトの一つ
他のキャラクターと同様に「そよぎくん」も歌う能力を持つよ!
キャラクターデザインは米山舞、テーマ曲は澤野弘之が担当
CeVIO AIはユーザーが楽譜を提供しAIが歌声を生成する「創作支援ソフト」
生成AIとはちょっとちがって、人間が主役
生成AIの技術を使用する際のモラルやルールづくりに貢献する意図も
CeVIO AIは他の人の学習結果を混ぜず、中の人の特徴が強く出る
悪用やルール違反に対する対策として、規約やユーザーの行動が重要
クラファンは歌う方のみであり、トークの製品化は未定
合成音声ファン・DTMユーザー向け情報
CeVIO AIはmacでは動作しない。
姉妹ソフトのVoiSonaはmacで動作し、VST3/ARAプラグインとしても使えるが、リリース予定はなし
初心者向けにはCeVIO AIがよりベター
CeVIOで初の男性音源?
CeVIO AIにのソングでは初めて
トークボイスはタカハシ君がいる
ソングボイスとソングスターターの違い
CeVIO AI使用にはソングボイスとソングエディタの両方が必要
ソングスターターには両方が含まれ、初めてのユーザーにオススメ
新エンジン(2.0)
CeVIO AIの新エンジンはDNNを使用したボコーダーを特徴とし、音質が向上
他の音源はまだ2.0になっていないものも多い
調声の注意点
CeVIOは人間用の楽譜に最適化されており、MIDIや他のソフト向けの楽譜は使わない
調声にはPITではない特定のパラメータが重要
使えるツール
MIX時にMelodyneのピッチ補正が一般的
CeVIOはVSTプラグインとしては使用できないが、出音にVSTプラグインの加工を入れて聞くことは可能
MV動画を作る際の口パク
Aviutlなら「PSDToolKit」、YMM4なら「KuchiPaku」が利用可能。
トークボイスの代替
「NodoAme」は対応予定だが、規約により禁止される可能性あり。