夏の残り回数
はたらき始めて以降、というより大学生時代から、夏休みという概念がない。
大学生の頃は夏休みこそバイトをみっちり詰めないと生活が上手く回らないため、しんどい時期というイメージしかない。
それでも私は、夏が大好きだ。
泳げない上に日焼けも苦手なため海やプールにいくわけでもなく、いわゆる陰キャなので仲間とBBQをするわけでもないが、それでも夏が好きだ。
それはきっと自分や家族の誕生日が集結していること、それに加え昔の夏休みの思い出が心の中にあるからだろう。あとは日照時間の関係でセロトニンもよく分泌していそうだ。
夏が好きな理由はともかく、
この夏があと何回来るのだろうか?
私は、どんなにめちゃくちゃに運が良くてもせいぜいあと60回程度と予想している。
なぜなら今が29歳だからだ。
ところで、私と同じかそれより上の年代になると『あれ?もうあれから1年経ったの?え?2年だっけ?』という会話をしょっちゅうする。
1,2年なんて全然よくわからなくなる誤差の範囲だし、なんなら3年も割と誤差の範囲だ。
ということは残りの60回を3で割ると20だ。
『あー誤差の範囲だな』をあと20回過ごしたらもう夏は過ごせない。
わたしはその20回を脳内でゲーセンのメダルに置き換えてしまう。20枚のメダル。
いや割とすぐ無くなるよな??油断してたら秒で無くなるよな??
こう考えるようになってから、夏という夏をしっかり満喫して楽しまないと勿体無いと思うようになった。
というより別にこれは『夏』という季節に限らない。
『春のお花見シーズン』『蛍のいる川』『黄色く色づいたイチョウ並木』『寒い中縁日の並ぶ正月』
割と、残り回数限られてるなと。雑に数えたらあと20回だしそのメダルが尽きるのってあっという間だよなと。
先述の体験もあり、あとちゃんと60回夏を迎えるのもかなり運が良かった場合と考えている。
1つ1つの季節ならではを丁寧に楽しもうとしたら、
1日たりとも不機嫌で居る暇などない。
不機嫌にしていいのはせいぜい2時間までだ。あまりにも勿体無すぎる。
不機嫌になる原因が見つかれば不機嫌を長引かせないために全力でその解決に取り組む必要があるだろう。解決できないと諦めればその場からそれを消し去るか自分が立ち去るかの2択だ。
私は、夏を、お花見を、蛍を、紅葉を、楽しむために穏やかでいる努力をしている。
お陰で今の所ここ数年は、自分で言うのもなんだがかなり穏やかだ。
とくに最近、まわりの人から『なぜ今の状況でキレずにいられるのか』と聞かれることが多い。理由は
あと夏が数えられるほどしか回数が残ってないから
それだけだ。