精神病棟ぶち込まれてみた!【九日目】
今日は朝ごはんの30分前に起きた。ご飯食べて歯磨き洗顔したら昨日「死ね!死ね!」って言ってた人と同じ声っぽい人が暴れてた。
朝のラジオ体操には参加出来たが、リラクゼーションで集中力が切れて嫌なことを思い出して泣きそうになったので離脱した。呼吸法で集中力やストレス耐性がつくらしいので頑張りたかった。というか腹式呼吸ができない。頭がくらくらする。
音楽聴けないのがつらい。考え事をしたり何か作業に集中するためにいつも聴いてるから無いと頭が整理できない。思考の逃げ場がなくて頭がぐちゃぐちゃだ。
部屋にこもっていたら作業療法士さんがきた。僕が途中退室したから声をかけに来たらしいけど、喉が詰まって声が出せなかった。
性別のことで思い出してしまったのに、作業療法士さんの一言でまたダメージを負ってしまった。
看護師さんが来て話を聞かれて最悪の気分だった。電気交換があるのに自分のとこだけ後回しにさせてしまった。
シャワーを浴びて作業療法へ、今日はちぎり絵とかをする。話しかけてくれた子達のところに行きたかったが、何故か一人の席に連れられてしまった。中学の理科の実験で自分だけ除け者にされたことを思い出した。僕のコミュ障具合のせいで嫌々会話をしているように見えるのか何度も気を遣われたし、これで「やっぱり嫌だったんだ」と二度と話しかけてもらえないかもしれないと悲しくなったので、非国民的ヒーローをリクエストした。
16時、相談員さんから呼び出しが来た。朝のことかと思ったら就労支援についての話だった。入院が決まった時説明してくれた指のないお姉さんだった。
これから少しずつ退院後の仕事の話も始めるそうだ、見学みたいなこともさせて貰えるとこの間の診察で話したし、今度はちゃんと働けるかな。
18時、ご飯の時間向こうから「もうここ(病棟?)から出たいー!」「寝れないのー!」「たすけてー!」という声が聞こえた。ひとつはこの前のお婆さんの声、もうひとつは「しね!」と言っていたお兄さんの声だった。
そういえば電気交換のとき「揉め事を起こした二人がいるからその二人が居合わせないタイミングで〜」というような話を聞いた。もしかしてお婆さんの連夜の騒ぎによって怒ったお兄さんと揉めたのだろうか。
歯磨きをしにホールに向かうとそのお婆さんがホールで項垂れていた。好奇心を持て余した僕は話しかけてみたかったがそんな勇気はなく、とりあえず本を読むフリをして観察してみることにした。
お婆さんは「眠たいけど眠れないの」と言っていた。目の下にはクマもあるし不眠症だろうか。病室とホールを行ったり来たりして本人も相当つらい様子だ。寝不足もあり余裕もないだろう、色んな人に「眠れないのどうしたらいいの」と話しかけているが、「静かにしたら寝れますよ」とか「じゃあ隔離部屋行く?」とか冷たい反応だ。看護師さんは悩みがあったら何でも聞いてくれるらしいけど、こういう人には真摯に対応しないのだろうか。
病気によって余裕が無くなるから仕方ないけど、病院に来る人はこういう人ばかりなのだろう。ヒステリックだったり否定的だったり、スタッフさんもうるさい人や空気の読めない人にはどこか冷たい。
スタッフさん達も人間だ、仕事とは言えそういう人間ばかり扱うと冷たくなってしまうんだろうか。どっちも仕方ないことだなぁ。