精神病棟ぶち込まれてみた!【一日目】

11月26日、今日は月に2回の病院の日。
いつものように主治医の先生とお話した後、カウンセリングを受ける予定だった。最近の情緒が変だったから、伝えておきたかったのだ。

最近は性別に対するコンプレックスや現実への絶望で、なんだか情緒が変だった。躁のような鬱という感じで、不安を衝動に色々変なことをしてしまっていた。

そのことを主治医の先生に話すと「気持ちが内向きになっているからコミュニケーションをとるリハビリをしよう」ということで、入院を勧められた。
僕はその変な情緒のせいもあり、勢いで即入院を決め込んだ。衝動でやった行動の中には今まで手をつけないようにしていた危険な行為もあり、そのままもっと危ないことに手を出す可能性があるなら落ち着くまで入院する方がいいだろうという理由もあるが、そのときは「精神病棟がどういうものなのか一度体験してみたい」という言わばノリであった。

実は以前も何度か危険な状態だったために、入院の話が出たこともある。
しかしその時は入院に対する不安や、やるべき事があって入院している暇がないという理由で、今まで断ってきたのだ。
今回は以前のような「危険な状態のため強制入院」というより「余裕があるため入院体験」というなんとも天邪鬼なものであった。

母を呼んで入院の希望を話し、即日入院することに。流れるようにスタッフさんがやってきて流れるように説明が始まった。両手の指がほとんどないお姉さんだった。

病院にあるもの以外で必要なもの(充電器や衣類)を早速近くのイオンに買いに行った。
結構お金かかったのに充電ケーブルやイヤホン、紐付きのズボンやスニーカー(靴紐があるため)、ショルダーバッグまで全ての紐という紐を刈り取られた。
流石は閉鎖病棟、首吊りの危険がある紐類、自傷の危険がある刃物等は徹底して持ち込めないようになっている。
財布や通帳などの貴重品は母に預け、ポケットの中まで確認したら母とはあっさりお別れになり、レントゲンも撮られてなんだか囚人の気分だった。(入院したことないけど普通の入院でもやるんだろうか)

エレベーターで二階まで連れられ、ついに閉鎖された病棟へ。
病棟内を説明されながら自分の病室へと案内される。自分は個室ではなく一番安い四人部屋になった。ベッドと棚付きの小さな机と椅子のみのスペースがカーテンで4つ仕切られている部屋だ。

用意されていた入院用のパジャマに着替えるように言われたので、退室してくれるかと思ったけどそのまま「着替えてください」と言われたので目の前で着替えることに。着ていた衣服、下着までもメモされ、自傷跡の確認もされた。
ピアスも外した方が良いみたいだったけど、塞ぎたくないので外せないと嘘をついた。

そしてバイタルや身長体重を測り、アレルギーや自傷について等を聞かれた。
最近身長を伸ばすよう頑張っていたおかげか、止まっていた身長が2cm伸びていた!やったぜ!

検査済みの少なくなった荷物を受け取り(スマホには名前のシールが貼られていた)、ピアスの数までメモられた。
スプリットタンも確認され、「自分で切ったの?またそういうことをしたい気持ちはありますか?」と聞かれた。危険なやつだと思われると制限が厳しくなりそうで嫌なので、慌てて僕は「ファッションなので……自傷とは別のものなので……」と伝えた。

そして検尿も済ませてもう暇になり、充電残りわずかのスマホでこの文を書いている。充電器は預けてあるので充電がなくなったらしばらくスマホを充電しに預けることになる。何もない病室は暇が大敵だ。スマホがなくなったら何をすればいいんだろう。
寝転んでみたベッドは固めのマットレスとジャリジャリの枕だった。

ブログを書いていると17時頃に「自傷に使う危険がある」ということで、引き出しの鍵を心配しに先程の看護師さんがやってきた。
若いし自傷跡や人体改造を確認されているのであまり信頼されてないのだろう。これでは充電器も預かりっぱなしだろうか。
そんなことを考えながらブログを書いていたらあっという間に残り10%になってしまったので、一旦スマホを充電してもらうことにした。

暇になったのでパンフレットを読んで時間をつぶしていたら夜ごはんが支給された。
前に読んだ精神病棟エッセイ漫画ではホールでみんなで食べる感じだったのでホールに呼ばれるのかと思ったら病室各々で食べるらしい。
内容はご飯(安牌)、味噌汁(少ない)、インゲンと黄色い何かの副菜(好みではない)、シチューのようなもの(好き)、白身魚のフライ(好みでなく食べきれず)とちぎられた葉っぱ(公園からちぎってきたんかっていう見た目と味だった)という家より豪華だった。
食べ終えたら下げてもらってお薬を飲んだ。薬は飲んでるところをスタッフさんに見てもらわないといけない。

暇になってまたパンフレットを読んでいたらまたバイタルを測りに看護師さんが来た。そういえば最初の3日は定期的に見にくると言っていた。
「何かお話したいことありますか?」と聞かれたので「スマホがなくて暇なときはどう過ごしたらいいですか」と聞いた。他の人はホールでテレビを見たり本を読んだりしているらしい。
他の患者さんはお爺さんお婆さんしか見なくて若い人は一人も見えなかった。僕みたいにスマホに毒された若者はそれだけでは耐えられない。
今度母にゲーム機や読んでいなかった本でも持ってきて貰おうと思った。

しかし案外充電が早く終わっていてスマホをまた持ってきてもらった!
ブログの続きを書いていたらまだ19時なのに眠たくてうとうとしながら書いている。慣れない環境で疲れたんだろうか。
まあ21時就寝朝6時起きというハードスケジュールなのでちょうどいいだろう。

眠たいしいつもよりずっと早く起きないといけないし、少し早いけどブログを書き終えてこれからの入院生活を想像しながら僕は眠ることにした。

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