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犬彦の#NOMORE無断生成AI活動①  表現の自由を守る会フォーラム2024  レポート


自己紹介


こんにちは、初めまして。私は犬彦(いぬひこ)と申します。
このnoteでは、現在日本どころか世界中で問題になっている生成AIの問題を批判的に取り上げていこうと思っています。

私はここ1年 生成AIが猛威を振るい日本のエンタメ作品(マンガ・アニメ・小説など)で盗作・剽窃の被害に起こっている様をつぶさに見てまいりました。最早我慢がならないと思い立ちこのnoteを立ち上げた次第です。

はじめに


活動の手始めに2024年8月12日に行われた
「表現の自由を守る会フォーラム」に参加してきました。


開催直前の会場の様子

会場はコミケ会場近くのTFTビルで行われました。なんとコミケ最終日の終了直後に行われたのです。
かくいう私はこの日の為にコミケに参加もせず(過去1回だけ一般参加しただけなのでサークル参加してみたい)議員と議論になった際のシミュレーションや、この問題の勉強の為まとめwikiの読み込みなどをしていました。
無断学習許すまじの精神によって気合は十分です。

注意事項

レポートを始める前に皆さんに留意事項をご説明させてください。
会場は撮影のみ可能。録音・録画は禁止※上記写真を参照
フォーラムの後半で行われる質疑応答に関しては内容についても投稿を禁止。

…つまりはこのnoteは当日私が記入したメモと記憶に基づき書き起こしています。重要な点の聞き逃しや聞き間違いなども十分にありえますのでその点をご承知していただけますと幸いです。
また、メモの順番に基づき記載していくので必ずしもまとまりのある文章になっているとは限りません。これは私が過度にまとめて誤解を受けやすい内容になってしまうことを防ぐためです。意訳になってしまっては意味がありませんので。
その代わりですが、ちょくちょく私が受けた印象や私自身はこう理解したとの補足を設けています。これも私自身の私的な解釈に過ぎませんが、無いよりはましだと思います。
以上を踏まえて、ご了承いただけた方だけお読み下さい。

フォーラム開始

まずフォーラムが始まり、山田太郎議員と赤松健議員が登場。会場は拍手が起こりました。赤松議員はスーツで、山田議員はクールビズスタイルで登場。山田議員が赤松議員の服装について言及すると「コミケのサークルで疲れている」とのこと。

その言葉通りフォーラムのほとんどは主に山田議員が話し、時折山田議員秘書の弁護士さんが補足するような形で進んでいき、赤松議員が口を開く局面は少なかったように記憶しています。

フォーラムは
①新サイバー犯罪条約について
②プラットフォーム問題(クレカ問題)
についての報告で時間の大部分を使いました。
上記の2問題では主に山田議員が成果を上げ、特にクレカ問題については大きく動きがあったことは記憶に新しいところでしょう

生成AIについて触れていたのはラスト10分~15分程度(その後質疑応答に入りました)
私はもちろん生成AIの無断学習について期待していたので
正直物足りないものの、かなり重要な論点について触れていました。
特に断りがない場合、発言は山田太郎議員のものと思ってください。

生成AIについての言及開始

次に生成AIについて…生成系をめぐって著作権法違反ではないかという指摘がある。

声の権利について

議論になっているものの一つに声の権利というものをどのように考えるべきなのかというものがある。
著作権法というよりは不正競争防止法で対応できないか、という視点で現在対応している。

生成AIを巡る3つの側面

①学習するためのエンジンを作る側
②作られたエンジンにデータをインプットする側
➂プロンプトを使用して実際にアウトプットする側
インプットする面に関しては、日本の著作権法上「享受目的」でないのであれば著作物を「食わせる」ことは可能。だがあくまで「享受目的でないのであれば」の話。最初から権利を侵す目的で○○風などというデータを出力するのは、最初から「享受目的」に相当するため著作権法30条の4でも保護はされない。これは勘違いしている人が大変多くいる

山田議員はこの勘違いしている人が多いという部分を大変強調していたことを今でも覚えています。
つまり、画像生成AIを使ってLoRAなどを使用して投稿している人は自分が投稿することによって利益を得ている=享受目的に相当するわけなので、軒並みすべて著作権法違反ということになりますね。
現行法でもダメなものはダメということがはっきりわかります。

※2024年9月2日追記:「享受目的」については学習段階の利用に関してであり、出力段階についてのものではありませんでした。
訂正いたします。

違法性は誰が証明すべきなのか?

私は自民党内の責任者をやっている。文化庁でもさんざん議論している。文化庁のガイドラインでは
①類似性
②依拠性
2つの論点がある
生成AIの中身はよくわからない(※注:データを大量に取り込んでいることを指しているものと思われます)
生成AIが自分の著作物が侵害している…つまり類似性が認められるときに
侵害された側が依拠性を証明することができるかといえばできない。
相当な類似性がある場合は依拠性が疑われると文化庁に解釈を整理させた
かなり踏み込んだ。
また
①     類似性がある
②     ①により依拠性が疑われる
以上の条件が揃った際の最終的な証明の責任は
生成を行った人間とその人間にサービスの提供を行ったベンダーにある

依拠していないということの証明を上記の2者が行わなければならない。
以上での論点整理を行ったことにより、かなりクリエーターに有利な権利保護ができたかと思うが、マスコミによっては「日本は著作権侵害大国だ、どんな権利も守られないようなとんでもない国だ」と宣伝されてしまっている。

つまり、出力されたデータにかなりの類似性が見いだされるのであれば自動的に依拠性も成立し得るとのことです。
そしてその証明は生成AIによる被害を受けた人ではなく、データを出力させた加害者側とその人にサービスを提供したベンダーでなければならない。
私もここは結構踏み込んだ印象を受けます。

ただし、これには問題もあって出力したものを加筆するようなタイプの悪質な事例に対しては最初の「類似性」をどうやって見出したらいいのでしょうか?
また、これって個別に告訴する場合を想定しているんですか?
どうも包括的に保護するというお話になっていないような…
この点はフォーラムを最後まで聞いていても整理できていないとの印象を受けました。

新聞によっても生成AIの捉え方は様々

新聞協会さん(注:協会なるところにもいろいろ種類があるそうです)も
そういう(注:AIに関する)キャンペーンを張っている
①     紙の新聞が大好きなY新聞さんは「AI許せん」みたいなことを言っている
②     N新聞みたいなデジタル版が強いところはもっと「AIが進むような形を考えている」ようだ
新聞によってもかなり温度差があるように感じている。
※A新聞はその中間ぐらい、両方の立場もわかるんだけれど…みたいな感じ。自分のところにもきて「うちもデジタル版を出しているのでAIをどんどん活用していきたいですし、どんなものを使えばよいですか?」と聞いてきた。

「知らねーよ」と思った。

この事例からわかることは、生成AIをめぐる問題には感情的な面も関与してくるためしっかり整理をしなければならない。
さんちゃんねる(※山田太郎議員のYouTubeチャンネル)でも随分特集しているのだが、わかりづらいところがあるのは事実。

新聞社については、はっきり名前がわかっちゃいますよね(;^_^A
特にA新聞さんについては、うっかり名前を言っちゃってましたが(会場は大爆笑でした)一応建前上仮名にしておきます。後でメモを見返してもここに関しては口外しないようにとは言われてはいなかったはずですが、まずかったら山田太郎事務所の方、私までメッセージを下さい。

さて、これに関してはちょっと図にしたほうがわかりやすいですね。
私のほうで簡単ではありますが図を作成しました。

各新聞社の立ち位置の図

A新聞さんについては、「一応」中間にしていますが、上記の記述からして使いたくてしょうがないというのが伝わってきますので、もっと右側でもよかったかもしれませんが、一応ということで…。
っていうかN新聞さんは本問題に関して著作権上の問題を扱ったドキュメンタリーを作成していたはず…(犬彦は未見)そっかぁ、そうなんだぁ…。と残念な気持ちになった次第。
Y新聞さんはさすがですよね、問題に関しての報道はY新聞さんが一番多いという風に感じていましたが、そこがこのあたりに出ていると思います。
ただし山田太郎議員からは、自分たちのやっていることをあまり取り上げていないどころか、曲解していると受け止められているあたり、視点のずれを感じます。

閑話休題。このあと話は海外に及んでいきます。

外国で規制しているのは実は「プライバシー」のほう

諸外国で問題になっているのは著作権ではなく、プライバシー面の問題。
EUで厳しく規律を作ろうとしているのはプライバシー侵害の問題である
日本ではプライバシーに関する法律がない、関連するところで個人情報保護法があるが必ずしもプライバシーとイコールではない。

山田議員曰くEU圏で行われている規制は必ずしも著作権に関する保護ではないとのことです。これに関してどこかで聞いたことがあるような?と思いましたが5月22日配信の「さんちゃんねる」で触れています

38:20あたりからですね、ご参照ください。

報告はまだ続きます

他にも法的整理がついていない問題がある…違法性があるもの、例えば児童ポルノ(これそのものが違法)を生成AIが「食っちゃった」場合について法務省に見解を求めているが、絶対に見解を出さない。

この後法務省が何故見解を出さないのかということの話がありましたが
「ここだけの話」とのことでここでは書けません。
ただし生成AIと直接関りがあるわけではないようでしたね。

これまでの話の整理

整理をするが、著作権や肖像権やパブリシティ権やプライバシー権などが全然別物なのだがそれが一緒くたに議論されてしまっている。
ただし著作権についてはクリアになってきており、生成Aiに食わせるときは享受目的…つまり最初から意図して自分の楽しみのために目的をもって権利のあるデータを「食わせる」ことはそもそもやってはいけない。
しかし非享受目的で何を出力するかについては関係なく、エンジンの精度を高める目的のみである場合はOKとなる。
であったとしても、出来たものが既存のものに極めて類似しているのであれば依拠性も認められる。依拠性が疑われるのであれば、その場合の立証責任は検索エンジン(生成Ai)を作った側とプロンプトを叩いて生成した人間が負うことになる。
何故か…侵害された側のエンジンの中まで入っていって中身の確認なんか侵害された側の人間ではしようがない。

この場合の「エンジン」は生成AIを指しています。生成AIは人工知能としてのAIというよりは、どちらかと言えば検索エンジンに近いものとの指摘は以前からありましたが、山田議員もその点からエンジンと呼んでいるのではないかとの印象を受けました(※技術的なことはわかりません、単に印象論です)

また、被害を受けた人が侵害してきた側の人間のエンジン(生成AI)の内部を物理的に見られないのは当たり前のことですね。ここは当たり前ではありつつも、確かな一歩ではないかと私は思いました。

生成AIと二次創作

なぜこのような方法をとったのか。二次創作との関係のバランスをとるため。
二次創作というのは、一次創作があって享受目的…つまり自分たちで楽しむためにが作られているし、日本はそれをOKとしている国。
生成AIだったらだめで、二次創作だったらOKというふうにすると法的な分け方もできなくなる。

これは私はちょっとわからなかったです、確かに元の作品から影響を受けるという一点だけであれば生成AIと二次創作は同じなのですが、ちょっと強引過ぎませんか。法律上人間と生成AIの区別をつけるのは理論上難しいということでしょうか?どういう法理論なんでしょう?

各国の生成AI規制と日本

各国でも対応が分かれているとことではあり、悩ましいところ。
難しい議論となっているのではあるが日本は積極的にAIと権利については立場を明確にしている。文化庁ともあらゆるパターンで議論を進めている。
また、各国ともに足並みをそろえていかなければならないとも感じている。
この問題に関してはEUのブリュッセル当局が一番厳しいと思う。
ただしEUの生成AI規制が本当に厳しいのかと言えばそうではない。
EUをはじめ各国のAi規制について調査した。


会場に映し出された各国のAI政策の概要

このスライドは「さんちゃんねる」で映し出されたものと同じものになります
※写真は見づらいですね、すみません

このスライドについての解説は59:18あたりから

会場でスライドが写った際に「この表は実際にEUに渡航して作った」との発言がありましたがすみません、メモしきれていなかったので山田議員が直接渡航したのかそれとも山田事務所のスタッフが代わりに行ったのか、このあたりわかりません。でもかなり足を使った調査をしていたようですね。

確認したところ、EUでは研究開発目的であればヨーロッパ域内ではなんでもOKになってしまっている。これは日本よりも大変曖昧。
この問題に関してEUが厳しくて日本が緩いというのは大嘘

これはこの日一番の衝撃です、EUではAIACTが非常に厳しいとの報道に普段から接してきており、この基準に日本がどこまで近づくかというのが
生成AIに対する規制を待ち望んでいる人たちにとっての一つの目標点だったように思います(当然私もそう思っていました)

家に帰ってから調べてみましたが著作権法30条の4には以下の記載があります。

(著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用)
第三十条の四 著作物は、次に掲げる場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000048#Mp-Ch_2-Se_3-Ss_5-At_30_4

つまり、EUでの規制は上記の太字部分、「著作権者の利益を害する場合は利用することが出来ない」という制限がない。著作権者の利益を害しても「研究開発目的」であれば生成AIへの利用・学習が認められる、とのことです。
う~んこれはAIACTには思ったより期待できないのでは?と思ってしまいました。

このあとは他のEU圏内での規制について触れたところで話は終わりました。
最後に山田議員は党内の著作権の責任者なので、今後とも海外の情勢を踏まえつつ日本の国益を守るべく活動するとの発言がありました。

この後、フォーラムは質疑応答に移ります。最初に記載をしましたが質疑応答の内容は投稿が禁止とされておりますので、書くことが出来ません。
…というのもフォーラムに参加申請をする際に質疑応答の内容を一緒に記載して送信するのですが、私が質問した内容についても取り上げられました。
現在の山田議員・赤松議員の生成AIについての考えそのものを聞きたいどのように考え、どういう方向に持っていきたいのか
という風に書いた記憶があります。
これについてはご両名ともに回答してくださったのですが、ルールはルールですので、投稿することはできません。

最後に

最後に今回のフォーラムを自分的に総括してみたいと思います。

良かったところ
自分の中での認識をアップデートすることに繋がった
「享受目的」の定義については整理済みとの確認が与党の著作権関連
責任者から出てきたことは大きいと思います。

悪かったところ
AI ACTをはじめとする海外の規制が思ったより進んでいない
包括的な規制についてもっと踏み込んで話すべき

おまけ
メモをするのが大変なので、議事録でも開示してください

補足として…ご注意いただきたいのは文中の山田太郎議員の発言を私は全肯定する意図の上でこのnoteを記したわけではありません。
このnoteは第一に今回のフォーラムにおける生成AIについての部分を皆さんと共有することによって規制についての情報を得ることを目的としてたものなので、フォーラムで見聞きしたものについてなるべく再現できるように専念したつもりです。※頼りはメモと記憶だけでしたが…。

ここに書かれたことで情報が「すでに更新されて違ってしまっている」だとか「そもそも各国の規制の考え方が自分の持っている情報と違う」とかいうことも起こりえると思いますが、それはそれで情報を共有していく上で大切なプロセスだと思いますのでお手柔らかにお願いします。

以上、こんなものでしょうか。

それでは皆さん、こうした活動が一刻も早く要らなくなり、世界中の創作者がまた安心して活動に打ち込めるようになるその日まで頑張りましょう。

犬彦 筆 2024年9月2日


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