第一回・パソコン買い換えのススメ
前回はWi-Fiルーターの買い替えについて記事を書きましたが、今回はパソコン買い替えに視点をおいてみましょう。
こちらはリモートワークになったビジネスマンもさることながら、スマホ世代に当たる現代の新入社員も気になる内容なのではないでしょうか?
今回も最低限見ておきたい性能に絞って説明するため、かなり簡略版です。 細かい性能に対応させるには外付け製品を活用する方法もあるためなんとかなるでしょう。 むしろそいうことをやってみるほうが勉強になるんじゃないかとも思います。
また、この記事ではリモートワークなどを行うビジネスマン向けという意味もあり、細かいところに関しては基本的にWindowsユーザー向けのイメージで話していきます。
基本は「プロセッサ・メモリ・ストレージ」
パソコンに限らないが、コンピューターの性能はプロセッサ・メモリが基本であり、データ保存を行う機器であればストレージについても性能チェックが必要です。 今回はパソコンに焦点を当てているためストレージも含めて見ていきたいと思います。
イメージをふくらませる上で想像しながら聞いてほしいのは下のような机です。
①ストレージ
順番は前後するがかんたんなものから挙げていくとしましょう。
まずはストレージから。
ストレージという言葉にすると馴染みがない読者もいるかも知れませんが、
ハードディスク(HDD)やSSDとすればわかりやすいでしょう。
つまり、容量が大きいほどたくさんデータを保存できるということです。
先に示したオフィスデスクで言えば資料などを保管しておく引き出しがイメージに近い。
既述のように、ストレージにはHDDとSSDがあります。
昨今のPCではSSD搭載のモデルが増えており、時たまHDDと両搭載で
ハイブリッドモデルなどとしているものが見受けられますが、
長い目で見るのであればSSDのみ搭載のモデルが良いでしょう。
これは長くパソコンを利用することでPC内部のデータに断片化が起きたときに、HDDの場合はデフラグなどを行わないとデータ読み込みに遅延が生じやすくなり、SSDにはそれがないためです。
駆動部分が無いことから振動に強いなど様々なメリットが有るため、できるだけSSDモデルを推奨します。 万が一地震などの災害が起きても、完全破損するような事態にならなければデータを守れる可能性も高いでしょう。
また、容量は大きいに越したことはないですが、動画形式のデータやかなり大量の画像データなどを多めに保存するのでないのであれば256GBのモデルでそれほど心配はないと思います。
もし、そのようなデータを扱うにしても、外付けのHDDやSSDを利用することで対応できるでしょうから、このあとに説明する性能に批准するもので256MB以上のもので選定していただければそれでいいと思います。
②メモリ
PC初心者がHDDなどと混同しやすいのがこのメモリです。
その性能に当たる数字がストレージ同様に「GB」の単位がつくためだと思います。
昨今ではその混乱を避けるために「RAM」としていることも多いようです。
ただ、混同しやすいと言っているように実際にはぜんぜん違うものであることを理解してください。
メモリを先程のデスクで表現するのであれば、机上の作業スペースの広さと考えていいでしょう。
先程の画像と、新たに別のデスク画像を見比べて頂きたい。
2枚めのほうが机上のスペースは広い。
机上の作業用スペースが狭いものと広い物、どちらがより作業しやすいか
問いかけるのも愚問。 広いほうです。
メモリの容量が大きいのはこの作業スペースがどれくらい広いかを示しています。 具体的にメモリが足りない状況になった場合、作業自体が困難となりフリーズ状態が起きてしまうことになるのです。
PCは一般的に定期的なOSアップデートが行われます。
このようなアップデートによって日々セキュリティ強化がされていますが、その反面、OSを起動しただけでパソコンに掛かる負担が大きくなります。
言い換えれば、机の作業スペース面積は変わらないが、PCを起動しただけで埋まってしまうスペースは増えてしまうため、他の動作を行うために必要なスペースは削られてしまう。 故にやっている作業は同じでも、年月とともにフリーズは起きやすくなるのです。
昨今のパソコンでよく見られるメモリの容量は8GBでしょう。
時折4GBというものも見かけますが、ある程度年数を利用するのであれば8GB以上を念頭に入れておくべきです。
PC上で様々な作業を同時に行う場合は16GBのものを選定しておくと良いと思いますが、このあたりはどのような用途に利用するかを量販店スタッフ等に相談して決めれば良いと個人的には思っています。
③プロセッサ
最後はプロセッサ。 CPUのほうが馴染み深い人もいるかもですね。
これが一番複雑だと思われますが今回はできるだけ簡単に説明しておきます。
プロセッサはいわばパソコンの脳みそです。
先程のデスクで言うならば、そのデスクで作業をする作業員がどれだけ優秀か、という話です。
どれだけ作業スペースが広くても作業員がポンコツでは作業はポンコツペースになるし、その逆でも良い結果は望めない。 プロセッサとメモリの性能のバランスが取れているのが良い製品と言っても良いでしょう。
さて、プロセッサの性能を示す上で「クロック数」という物があります。
数値を示す単位は「GHz」。 つまり周波数です。
この周波数が高ければ高いほど性能は良いということですが、実際にパソコンごとの性能を見ていくと、新しいものになるにつれて周波数が下がっている場合があり逆行しているように見えることがあるかもしれません。
しかし実際には性能は上がっている。 理由はいくつかありますが、一例としては「コア数」が多くなっていることなどが挙げられるでしょう。
コア数とはプロセッサの「中枢・核」の数という意味ですが、先程の作業員の優秀度合いで言うなら、作業員の人数と言うことです。
当たり前ですが作業員は多いほうが作業は捗る。 クアッドコア・4人なら4倍です。
ここまで言ってもなかなかこの数字を見て検討するのは困難という読者もいらっしゃるはず。 そこで見ておきたいのはそのプロセッサの名前、型番です。
WindowsのPCでは多くの製品にintelのプロセッサが採用されてます。
中でも「ATOM」や「Celeron」などの表記があるものは廉価版に搭載されているものであり、その分性能は落ちます。
よくご年配の方で「脳体操のためです」と仰せの方々がいらっしゃいますが、そのような場合であれば廉価版でもいいでしょう。 オンラインでもダウンロード版ソフトでも将棋や囲碁を一局交えるくらいならそれくらいで十分だと思います。
一方、ある程度性能を求める場合、「core i3/5/7/9」などの性能に行き着く読者も多いはずです。
一般的に「i」の後ろの数字が大きいほうが高性能となり、当然価格が高い。
その為見ておきたいのは、「i7」などの数字の後に来る数字です。
ここで何世代のものかがわかるようになっています。
最近のPCでは10世代、さらには11世代が中心になりつつあるようです。
中古市場で購入するでも8000や9000以降の8,9世代以降が多いのではないでしょうか?
これに関しても当たり前ながら新世代のほうが高性能になるのが一般的です。
そのためi5とi7などで比較しても世代間の差があることでi5のほうが高性能になるケースなどがあります。
詳しく見てみたい読者は「CPU性能 比較」とでも検索してみるといいでしょう。(ドスパラのサイトがわかりやすい。)
最後になりますが、昨今ではプロセッサ業界の黒船のごとく「RIZEN」というプロセッサをよく見るようになりました。 7や9があるようです。
昨今では情報処理性能に限ってIntel製にまさるとも言われているようなので一考の余地はあるかと思います。
筆者の機種は?
さて、ここまで饒舌に語ったからにはさぞすごい機種を使っているんじゃないかと思った読者もいるかも知れない。 実際にはコスパで選んだというノリです。
詳細はまたの機会にするかもですが、簡単に機種とスペックを記載しておきます。
DELL inspiron3593 ノートPC
Intel Core i7-1065G7 (10世代)
メモリ 8GB
SSD 512GB
価格:11,2万円くらいでoffice有。
2020年1月購入
買い替えはいつがいい?
特に急を要さないのであれば「2021年秋以降」がおすすめです。
これはつい先日発表された「Windows11」が搭載されている可能性があるからです。
Windows11自体は現行のWindows10のバージョンアップ過程の扱いになります。
具体的には2021年9月頃公開されるであろう「Windows10バージョン21H2」がWindows11の初期バージョン扱いになる見通しです。
最近パソコンを買い替えたばかりであればバージョンアップを待てばいいのですが、そのうち機種変更を考えるのであれば、はじめからWindows11搭載の機種を買うのがいいでしょう。 ちなみに筆者は前者になる予定です。
「会社のパソコンがWindows10だから10のまま利用したい」という読者も多いはず。 しばらくの間はそれでいいと思われますが、長い目で見ればおすすめしません。
というのも、現行のWindows10では、新しいバージョンのサポートは18ヶ月とされている。 つまり、サポートされているのは現行の最新バージョンを含め最新3バージョンまでです。(当記事執筆時:2021年6月時点では20H1以降)
つまりどれだけ新しいバージョンになっていたとしてもWindows10のサポート期限が「2022年秋」で終わる可能性が高い。
このことを考えればコロナが完全に収まったあとの職場で「はい今日からWin11でがんばってこー」などと言われたときに面倒です。
ウィンイレでウイイレ遊んでみたくらいの余裕が出るほどには
使い慣れておいたほうが良いかと。
以上が昨今の環境下でおすすめしたいパソコン買い替えの吟味方法といったところです。
しかし、パソコンの買い換えに至っては様々な性能部分を見たいという読者も多いはず。
今後記事を増やしていく傍ら、コメントなどに記載していただければ積極的に回答記事を用意出来ればと思います。