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犬さんごはん 第十回「セロリは博士の味」

どうも!!
今回は十回記念ということで、いつもとは違う趣旨でお送り致します。

テーマは「昔嫌いだったが今は食べられるもの」でアンケートをとりました。

セロリダントツでしたね!!!
ゴーヤは中盤まで存在感なかったんですけど(比較的新しい野菜だからだろうか)後半グイグイ伸びてドキドキしました。
あと「嫌いなもの」がテーマな故に、思い入れが強い方も居ましたね。
にんじんはコンソメとめんつゆで炒めると食える味になるぞ。

さて、セロリです。
近所のスーパーではだいたいグラム88~68円で売られてますね。
香味野菜の代表格で、西洋野菜の代表格。
日本で言うところの紫蘇とかネギとかと同じ扱い。
しかしパセリと同じぐらい嫌われてますね。

パセリは乾燥したものを彩りに使うひともいるし、好きじゃないとわざわざ食べない野菜ですが、セロリはちょっと毛色が違う。

こいつしれっとした顔で給食に出るんですよね。

秋田のド田舎の30年前の食卓を想像してくださいよ。
わざわざセロリなんて買うわけがないじゃないですか。

なので小学校の給食がこやつとのファーストコンタクトでした。

メニューも覚えてるぞ。
おつまみの「いかくん」とマリネにしたやつだった。

想像してくださいよ、秋田のド田舎の30年前の食卓でマリn……いや南蛮漬けがあったからマリネはあったか。

まあでも、馴染みはないですよね。
それがどーんと給食で出てきた訳です。

私は将来飲んべえになることが約束された子どもだったので、おつまみは大好きでした。
なのでぱっと見ただけで、「こいつはいかくん」と解った。
しかし和えられている野菜に見覚えがない。
メニューを見たところ、「セロリ」という名前なことは解った。

酸っぱい匂いで、セロリの香りはさっぱりわからない。
まあ人に食わせるために作ってるんだから食えないことはないだろう……ぱくり。

理科室の味がしましたね。

すごい。特徴がめちゃくちゃある味なのに、どれにも似ていないから例えが出てこない。
私の口に合わないことだけははっきりと解る。
いかくんの旨味でなんとか飲み込めるが、正直ご遠慮申し上げたい味である。

うちの小学校は「お残しはゆるしまへんで」だったので、いかくんに頼りながらなんとか完食しました。

しかしこやつ、2ヶ月に一度は必ず出てくるんですね。
「もずく酢みかん缶詰入り」と共に、しっかりと私のトラウマメニューになりました。
ポテサラリンゴ入りもドライカレーレーズン入りもトラウマメニューです。酢豚もな。

こんなにマズイのに、給食に延々と出てくるのは何故か。
もしかしてめちゃくちゃ栄養があるとかなのか。
しかし調べたのですが、いわゆるβカロテンが豊富、ビタミンAが豊富という効能以上のことは解りませんでした。

「こちとら農家の子だから死ぬほどほうれん草食っとるわ!!!」

と社会の理不尽を感じながら飲み下すのが精一杯。
まあにんじんもピーマンも苦手でしたから(今は大好き)「上手いこと丸め込まれている」という気持ちを捨てきれずになんとか食べてましたね。

最近知ったんですが、この独特の香り成分、精神の鎮静作用があるそうです。
私たちははしゃぎすぎたが故にセロリを食わされていたのか???

これは一種の特殊能力だと思うんですが、私は自分の嫌いなものを誰かが美味しそうに食べているのを見て、本心から「美味しそうだな」と思うことができます。
例えば生トマトですが、映画などで採れたてにかぶりつくシーンを観ると「たまらんやろな…」と思いますし、お抹茶立ててたら「これで練り切りをグイーっと…」と思います。本気で。

人生において好き嫌いが多いより、好きなものが多い方が絶対に得だという理念があるんですね。

なのでトレンディなドラマでツマミに野菜スティック食べてると、「セロリもにんじんもうまそうだなあ」と本気で思うんです。

そして実際の味に落胆する。
もう想像の味が旨すぎて現実との落差にびっくりする。

ちなみに煮込んだセロリは普通に食べられるんですよ。
あれ、香味野菜なので煮込むことにより青臭さが抜け、旨味に変換されるんですね。
まあ積極的に食べませんけど。トラウマだから。

さて、「とんね○ずのみなさんのおかげです(した)」という番組をご存知でしょうか。
その中の人気コーナーで、「食わず嫌い」というのがありましたね。正式名称は忘れましたが。

忌野清志郎がカニクリームコロッケ食って七転八倒したり、なぜか黒夢の清春さんが登場したり謎の多いコーナーでした。
四品ほど好物を先手と後手交互に食べるんですが、その中に一品だけ「嫌いなもの」が紛れている。
それを当てた方が勝ちというコーナーです。

そこで、とある有名人が、「野菜スティック」で参戦。
他のどのメニューも忘れましたが、内容は覚えています。
「実食」と言われて、まずはにんじんをぽりぽり。

「旨いです」

後手は攻めます。

「セロリいってください」

そう、この人が嫌いなのはセロリだったのです。

当てられた時のコメントも覚えている。

「セロリって博士っぽい味しません!!?!!?」

あー!!!! 解る!!!
理系の味がする!!!!!

世の中おんなじことを考えてるひとはいるもんで、私は「理科室の味」と表現したのを、この人は「博士」と表現したわけですね。

多分この人も給食の被害者だと思う。

そもそも、積極的にセロリを買う人、当時そんなにいました???
オシャレな雰囲気、ハイソな雰囲気を出すためだけに存在してませんでした???
ちょっと前のバーニャカウダと全く同じですよ。

セロリは一応克服したので、もう生で食べようが煮込んであろうが、摂取できます。
セロリのきんぴらとかは美味しいと思うよ。

でもさあ……。

給食で出す意味って本当にあったか???!!?
まだ納得がいかない。

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