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犬さんごはん 第15回 失敗ごはん編「やみ○き塩キャベツ」

四連休明けの月曜日、みなさんいかがお過ごしですか。
私は気圧変化に弱いのでくたばってました。
この回を更新したら少々更新を休憩します。

さて、今回のアンケートです。

今回の選択肢はすべて「母の失敗したことのあるごはん」です。

うちの母は料理が上手く、それを活かして旅館のバイトなどをしていました。
この旅館、小学の同級生(いじめっこ)の親が経営しているので学生時代はめちゃくちゃ憤慨したものですが、まあ今は辞めてるし結構どうでも良くなってお客さんを紹介とかもしています。
安いけど人情味のある宿を探してるひとはご連絡を。部屋はドヤ街みたいな感じですが犬がいて可愛いです。

まあ、そんな母なので、大体レシピを聞くと料理は作れるんですね。
本家本元の味にはならなくても、似たような味にはなります。

そのため結構「あれが食べたい、これが食べたい」とやると、作ってくれます。

ただし。

それは母の中に「経験」が蓄積されている料理に限ります。
この人不思議なことに、料理の「法則」というものが理解できていない。
例えば煮物をするときに「醤油:みりん:酒」を入れる訳ですが、酒はにおい消しと旨味を足すため、みりんは甘味を足すため、醤油は香りつけみたいな法則ってあるじゃないですか。
あれが解っていないので、普段作る調味料以外で何をどれに代用したらどんな味になるか、ということが解らないんですね。

ポテトサラダはマヨネーズがたっぷり入ってりゃ旨いと思ってるし、タルタルソースは材料揃えれば玉ねぎを水切りしなくても「私のが最高に旨い」と信じている。
タルタルに関しては一度「母のタルタルちょっと水っぽい」と苦言を呈したところ、怒ったのか作らなくなりましたね。
孫にまで愚痴を言っていた。
ちゃんと解決策として「卵の表面をペーパーで拭いて、玉ねぎは水切りして」って言ったじゃないか……根に持ちすぎだろ……。
ポテサラのきゅうりも「サラダに塩分あるからそのまま入れても食える」って思ってるしな。

この間びっくりしたのはきゅうりの佃煮についてですね。
母上はよく話が飛ぶんですが、主語がないせいで余計に聞いている方が混乱する。
「下漬けして水気を出したときに分量が思ったようにならず倍量にしたんだ」というから「失敗したのか」と聞くと、愚痴愚痴言っている割に成功している。それは自虐風自慢って言うんだぞ。

母、しらす干しとちりめんじゃこが同じ魚ということも知らんかったしな。

そういう母なので、よっぽど手順を詳しく言わないと間違いなく「想像と違った」ものを作り上げます。
ベストなのは完成品の写真を見せながらレシピを読み上げることですね。

ただ、私でも知らないことはある。
それが顕著に出たのが「や○つき塩キャベツ」でした。

これは母の能力を信頼しすぎた私にも責任の一端がある「失敗ごはん」です。

以前母と釜飯チェーン店に言った際に、お通しとして出されたのがこれ。
焼肉屋のメニューとしても有名ですね。

なので、完全に母がこのメニューがいかなるものか理解していると思い込んでいました。

ある日、キャベツをいつものようにサラダにするのを飽きた私が、「○みつき塩キャベツ食べたいなー」と漏らしたのがきっかけです。

母「何それ?」
私「ほら、ざく切りのキャベツに胡麻油の香りのするにんにくの塩だれがかかってて…あ、でもうち今塩だれないのか」
母「へー」
私「あのたれ高いんだよなあ」

そんな何気ない会話をしていたら、母が突然言い出しました。

母「それなら私だって作れるわ! 塩だれでしょ!」

私、今まで母が塩だれを作ったことがないのを知らず、「まあバイトしてたぐらいだし一度は作ったことがあるんだろう」と納得してしまいました。

母「胡麻油とにんにくと塩よね!」
私「そうそう」
母「あんたが食べたいなら作ってあげるわ!」

やったー!!!
心の底からよろこんで、出来上がりを待ちました。
母がなにやらフライパンをじゅうじゅう言わせています。

ん??

母「ほら!できたわよ!!」

ジュワーッッ!!
ざく切りのキャベツに母特製塩だれがアッツアツでかけられ、キャベツがしゅわしゅわ言っています。

私(なんか…ラーメン屋のネギ油を思い出す光景だな……)

もちろん私本人も、塩だれなど作ったことがないため、この時点で合っているかの判断はつかず。
でも母のこの自信たっぷりさから、合っているのだと判断。

私「いただきまーす」

ぱくり。

うおおおおおおお!!!!!!
なんだこの「塩辛さ」の暴力は!!!!!!!

あとで判明したんですが、母、小鉢一杯ぶんのキャベツに大して塩おおさじ半分もいれてました。
熱した胡麻油で塩とにんにくを溶かして出来上がりにしてました。

しかし、食べましたよ私は。
食べたいって言ったのは自分だし、母は完全に好意で作ってくれた訳ですから。

しかし、半分も頑張りましたか。
頭痛がして「これはあかん」と思ったので、正直に母に告げました。

母「ええー?変なものとか入れてないし……」

ぱくり。

母「うわっ!!!これは失敗!!!食べなくていい!!!下げるよ!!!」

哀れキャベツは生ゴミへ。

今はね、今はね、私だって塩だれチキンとか食べるのでなんとなく作り方を理解していますよ。
フライパン熱し始めたら「ちょっと待った」って言いますよ。

当時は若かったんだなあ……(遠い目)。

母はそれ以来、「塩だれは自分には作れない」と思ったのか、塩だれだけは買ってくれます。
最近は塩キャベツを食べる機会も減りましたが、母の失敗ごはんというと、まず真っ先に思い出されるのがこれなのです。

しかし小鉢一杯に対して塩10グラムは多すぎるだろ。
もっと料理の法則を理解してくれ。

失敗ごはん編いかがでしたでしょうか。
基本料理は上手いのでネタはあまりありませんが、またやりたいと思います。

では更新はおやすみ!
戻ってくるまで待っててね!

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