犬さんごはん 第12回「なまこ酢の官能」
四連休の間更新を休まないと決めたのにすでに疲れていますこんばんは。
眠剤が変わって寝付けなかったため寝不足なので今日はテンションがおかしいと思います。許してくれ。
さて、今回のアンケート結果です。
そうです、敗者復活戦です。
毎回ヘルシーなメニューがボロ負けするので、いっそこいつらでアンケートをとったらどうなるのか気になってました。
一票も入らなかったさつま揚げに票が入っていて涙を禁じ得ません。
結果なまこ酢になった訳ですが、どうもTLに飲兵衛が数人いるな。
なので今日はほぼほぼ番外編。
犬さん的つまみの話になるかと思います。
なまこ酢に目覚めたのはここ三年ぐらいの話です。
なまこは知ってたんですよ。
海水浴で拾ったこともあります。
漢字で「海鼠」と書くのでねずみっぽいんだろうなと思ってたのになんか内臓って感じだよね。
フォアグラと部位の違う内臓。
私は結構食べ物に果敢にチャレンジしていくタイプなんですが、メニューにもっと惹かれるものがある場合は胃腸と駆け引きをしてもっとも食べたいものを数品だけ注文します。
何故なら飲み屋に行く時はいつも私より鯨飲する友人となので、酒で胃袋が満たされてしまうからなんですね。
なお、その友人に連れ回されるお陰でお腹いっぱいになったらマーライオンしてフラットにするという業を覚えました。これ絶対に体に悪いよな。
まあそんな感じでお店からするとあんまりありがたくない酒飲みだった訳ですが、ここ数年は結構ちゃんと飲んでます。
30過ぎて無茶が効かなくなったというのもある。
で、今年こそコロナの影響で開催できなかったものの、私は夏になると一度は母の友人夫妻と居酒屋に行くんですね。
この店選びが最高にだるい。
何故かというと、うちの父が修行僧な話はしましたね。
このひとのせいです。
肉をまったく食べないから、普通の居酒屋がNGなんですよ。
特に鶏肉がダメ。
トラウマがあるため、一切口にしません。
カレーの豚肉は食うくせになんでや。
まあこのトラウマの話もいつかします。
この話になると母が怒り出すので長くなる。
で、毎年の店選びを私が「パソコンが使える」という理由だけでやらされてるんですが、なかなかに面倒なんですね。
秋田に帰省してくるんだから美味しいものを食べてほしい。
しかし父が鶏肉NGのため、焼き鳥などは論外。
必然的に海鮮居酒屋か、ちょっとお高めの副菜充実系になってしまう。
それでも秋田には東北が誇る繁華街「川反」があるので、歩くのは面倒なんですがまあ店がない訳ではない。なんとか毎回選べます。
しかし、この夏の飲み会、うちの母もめちゃくちゃ面倒なことを言ってくるんですよ。
秋田県民は見栄っ張りなので会計のときに「私が払うわ」「いや私が」をやりがち。
ワタクシみたいに「ごちそーさまでーす!!」って清々しいまでに奢られるひとはそうそう居ないです。
で、「せっかく会いに来てくれたんだから美味しいものを食べさせたいわ」の気持ちと、「払うなら安い方がいいわ」の気持ちが私に対する愚痴になるんですよ。
「Aはちょっと刺身がいまいちだったわね」
「Bはとにかく待ち時間が長くて」
「C、美味しかったけど高いのよね」
どないせいと。
母は飲まないひとなので、飯に重きをおいております。
そのため、「いいつまみをちょこっと、酒をぐいぐい」というのが理解できない。
父も以前ビール二杯にハイボール一杯でいい気分になって転倒し出血した経験があるので、つまみに重きをおくんですよね。
更に叔母も最近参加するんですよ。
これもどこかでいつか書こうと思うんですが、叔母は食べなれた芋豆カボチャなどが好きで、肉も魚も好き嫌いが激しい。
ブロッコリーに醤油たらして飯を一膳食えるひと。
父と同じぐらいうるさい。
こうなると私の持ち弾が足りない。
先ほど述べたように私は鯨飲ですから、そもそもの店の選び方が違う。
まあ、それでも二軒ほど、「ここを交互に行っておいたらなにひとつ問題はないだろう」というお店をようやく見つけました。
一軒は少々お高めだけれど、父の食べたいお魚系メニューが充実している地元チェーン。九州の漁師さんと契約しているのでいいものが食べられます。
昔なつかし「ハゼの唐揚げ」とかもあります。
もう一軒は全国チェーン店。
Yグループの海鮮居酒屋です。
ひとり3000円程度で飲み食いできて、採れたて野菜や焼きそば、チャーハンなどもあります。
ここ数年は通風鍋も冬場やってます。
刺身の盛りがよく、店員さんが素晴らしいのでここで固定したい気持ちあります。
で、前者の地元チェーンに行ったときの話です。
チャンジャが食べたかったのですが、あいにく私たちの行った方の店ではメニューになく(もう片方にはある)なにか代わりになるつまみを探しておりました。
友旦さんに、「なまこって美味しい?」と聞いたのはそのときでした。
「美味しいよ」
「じゃあ頼んで半分こしましょう」
この会話でびっくりした友嫁さんの方が、「犬ちゃんよく食べたことないもの食べれるね!?!」と言っていましたが、
単純に酔ってました。
何故かというと、友旦さん、日本酒大好き。
そして面子の中で日本酒が好きなのは私しかいない。
ふたりで「これはどうか」「あれはうまい」とやっていた結果、ここまででひとり二合は空けています。
ビールもハイボールも飲んでおいてです。
べろべろだったんですね。
そのため判断力が完全に低下しており、見知らぬものにチャレンジする気持ちになったという訳です。
酔いすぎてタランチュラ食べたこともある。
で、やってきましたなまこ酢。
ぷりぷりしていて、タコみたい。
あとゴーヤみたい。
ひと口頂いてみました。
「うめえ!!!」
タコよりシコシコしており、噛むと海のエキスがじゅわっ。
これで日本酒を飲まなければ酒飲みとは言えません。
ペロペロと食べ、大いに酔いました。
元々食べ物のエッセイなどを集めるのが趣味なんですが、皆して「なまこは旨い」って言うんで本当に気になってたんですよね。
「美味し○ぼ」では富豪の方が歯を悪くして「なまこが食べられないなんて」って老け込む話もあったし。
友旦さんは歯が悪い年齢に差し掛かっており、「おじさん一切れでいいよ」と残りを全部くれました。
なお、この「おじさん○○だから」という言葉、過去にも何度も聞いています。
これによって私はどれだけ飲まされたか。
「おじさんこのみぞれ酒飲みたいんだけどひとりじゃ多いなー(チラッ)」
「おじさん最近血糖値があれだから、犬ちゃんひとりで日本酒いっちゃいなよ(ニコッ)」
帰り道歩かなきゃいけないんだから勘弁してくれ。
友嫁さんの方もちょっと癖のあるひとなんですが、大体注文したつまみの半分を残して私に寄越してきます。
「思ってたのと違った」
肥らせる気か。
このなまこ酢経験で味を占めた私は、どこに行ってもなまこ酢を頼むようになってしまいました。
事務所の飲み会でもしっかり頼み、とある男子が「なまこ食べたことない」と言ったことにより経験者と猛プレゼン。
なまこの信捧者を着々と増やしております。
そしてですね。
うちの行きつけスーパー、たまになまこが入荷するんですよ。
青や赤や黒とちゃんと表示してある。
これはいつか捌きたい。
包丁の切れが悪すぎるので今はあかんが、シメサバと同じレベルでチャレンジしたい。
いい包丁ください。あとまな板。
これは友旦さんの趣味の木工で作ってもらったコロコロスタンドと持ち手です。
めちゃくちゃ素敵。
日本酒をぐいぐい勧めなければもっと素敵。