犬さんごはん 第三回「わかめざる中華」
最近Twitterでのびのびしすぎて「暇なの?」と言われました私です。
第三回!!!
今回は死ぬほどヘルシーなメニューを並べてみました。
ひとつでも炭水化物を紛れ込ませると必ずそれになる。わかった、デブのままでいるよ。
そしてにんじんのきんぴらは最後の1時間まで一票も入らず、皆がにんじん嫌いなのも自ずと理解してしまいましたね。なんでや旨いやろ。
はい、今回は「わかめざる中華」です。
皆さん聞いたことあります???
あんまり知られていないことなんですが、秋田県民は夏になると緑色の麺を摂取するんですよ。
ほうれん草が練り込まれた「緑のざる中華」、健康食品として取り上げられた海藻「ギバサ」を練り込んだ「ギバサ涼めん」、そしてこの「わかめざる中華」ですね。
どれもまあ中華麺の味ですし、たれにしかぶっちゃけ違いがない感じです。
その中でも私がとりわけ愛しているのが「わかめざる中華」な訳です。
パッケージからして緑。
二食入りで一昨年までは特売値段88円、マッ○スバリュの冷蔵陳列ケース平台に「これでもか!!!!!」と並べてあるのが夕方には残り少なくなっている程の県民食。
去年からは何故か98円までしか下がらず唇を噛みながら購入しております。今日はふたつ買った。
麺もパッケージに負けず緑です。
私はデブなので一気に二玉茹でてしまうため、なんなら一玉ずつのパックにして欲しいです。旨いから茹ですぎてしまう……!!!
クール便の代金さえ気にならなければお中元として各方面に送りつけたいぐらいこの物体を愛しています。
東京にいるときはお土産に購入して知人に押し付けたこともありますし、秋田に戻ってからは遊びにくる県外人に無理やり食べさせたことも多々あります。
多分ね、「これそんなに旨いか?」という感想だと思うんですよ皆さん。
確かに冷静に考えるとそうなんですけどね、人は何がツボにハマるか解らんもので、私はこれを15年ぐらい夏になると茹で続けている訳ですね。(それまでは「緑のざる中華」派でした)(結局食ってるんじゃないか)
秋田の夏といえばこれ。
そうめんでもうどんでもなくこれです。
秋田の名物と言えば「稲庭うどん」が存在しますが、県民そんなに食べないですからね。あれは贈答品ですからね。
旨いけど。
本日はアンケート結果が出る前に「これは絶対にどんでん返しは起きないな」と確信したので、夕飯をわかめざる中華にしました。
デブなので二玉茹でました。
本来ならすうどん宜しくそのままトッピングしないんですが、「どうせ記事にするしな」と、偉いので映えを考えました。
卵を薄く焼いて細切りにし(錦糸卵はめんどい)、塩もみきゅうりがあったので「千切りにする分を残して置けばもっと映えたのに…私のバカっ…!」と気持ち悪くなりながら(客観)乗せ、酢味噌和えに使おうと思って戻したわかめに余裕があったので、わかめマシマシになることは承知の上でオン。
白いりごまを振りかけ、「微妙に旨味が足りない気がする、だがそれがいい」のストレートつゆをかけます。
このたれの味で好みが別れ、秋田県内が三大派閥に別れている訳です。
この甘さが足りない味が何故か癖になるんだ……!
さて、完成です。
ごはん食べた過ぎてブレた。
すみませんちゃんとアップでも撮りました。
(つくづくきゅうりを千切りにしたかった)
しかし今日の夕飯緑過ぎて面白いですね。
ざる中華以外のメニューは「イカときゅうりとわかめとおかひじきとインゲンの酢味噌和え」、「きゅうりの中華漬け」です。
うちは畑をやっているのでこの時期死ぬほどきゅうりがやってくる。
それはいいんですが「大きくならないともったいない」とズッキーニよりでかくヘチマより小さめみたいなサイズで収穫しないでください、婆上よ。
天然だからたまに私の性格みたいなきゅうりも届く。
体操選手の生まれ変わりかな????
畑事情は置いておいて、この麺を食べる時に謎の風習があります。
これはうちだけではないと思うのですが、なぜかこのざる中華、わさびで食べるんですよ。
この見た目なんだから冷やし中華みたいに酸っぱさがありカラシでキリリ……と皆が思っているのに、「いや、うちは終始緑でいきますよ」という頑固さ。麺が緑なだけでは飽きたらず、薬味も緑を推すという。
つまり、たれには酸味が一切ないです。
ただのめんつゆストレートです。
中華麺をめんつゆとわさびだけで食べるという、割り切り。
開発した人はちょっと吹っ切れてますね。
まあ皆好き勝手に具を乗っけたりして食ってはいますが。
味は本当にただの中華麺なんですよ。
わかめらしい磯の香りもせず、洗っている時にヌルヌルすることもなく、ただの緑なだけの中華麺。
たれもシンプルすぎて前述の通り、冷静に考えるとめちゃくちゃ旨いものではないはずなんです。
でもねー、私これを食べないと夏が来ないんですよね。
5月辺りから売られ始めるので、「おっ!夏が来るな!」と思って買い、9月辺りに売られなくなるので「ああ、夏が終わったんだな」となる。
もう俳句の季語にしていいレベルで生活に密着している。
「わかめざる中華 啜って日暮れかな」(句またがり)みたいな。
先ほど「わさびで食べる」と言いましたが、ここ三年位は薬味をたまに変えています。
すりおろしニンニクとラー油を足らすと、これがまあ旨いこと旨いこと!!!
みるみるうちに肥るのが聞こえてくるかのようです。
まあ、三回に一回位しかやりませんが。
このざる中華、不思議なことに、具をたっぷりにすると余り美味しくないんですよ。
「すうどん」よろしく「すざる中華」が一番旨いという謎の食べ物なんですよ。
今までラーメン風に肉を乗せてみたり、冷やし中華風にハムを乗せてみたりしたんですが、何故か「す」が一番旨い。
おかしい…ふつう旨味は足し算のはずなのに……。
そもそも、中華麺の癖にめんつゆと言うのが謎すぎます。
蕎麦やそうめん、うどんなら解ります。
でも「ざるラーメン」だって鶏ガラ入りスープだよな…?
食べ続けている割には謎が謎を呼ぶ食べ物ですが、案外カロリー高いのでご注意ください。
好みの茹で時間は3分10秒です。細かい。