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極楽いぬ生活#2 新入りがやってきた
2002年から2008年にかけて「PEPPY」で連載していたものを再掲しています。
新入りがやって来た
突然だが、わが家に新入りがやって来た。
彼の名はマルヤマ・N・クリオ。2月で5ヶ月になるエアデールテリアの男の子だ。
真ん中のNはミドルネーム、ナカタの略。うちに来た当初、サッカーの中田英寿選手によく似ていたのでナカタと名付けたのだが、呼びにくいのでクリオと改名。
しかし、その後テレビで見た中田選手があまりにかっこよく、あまりにクリオに似ていたので、再びミドルネームとして採用された。つまり、飼い主の優柔不断がそのまんま表れた名前ってわけ。
エアデールテリアを選んだのは、ココアのよい遊び相手になりそうだったから。一般には飼いやすい犬とはされていないが、ココアを育て上げた私たちには自信があった。たとえどんなにヤンチャでも、ワルでも、これ以上ってことはあるまいという自信が。
そうして、かなり気楽に家族として迎えられたクリオは、これが同じ仔犬なのか?と問いたくなるほどいいコだった。
何より性格がいい。陽気で、明るくて、いつもニコニコ笑っている。何があっても起こりもせず、拗ねることもなく、ビビりもせず、尻尾をパタパタさせている。クリオのまわりにはいつもお日さまが飛んでいるようだ。
それでいて、テリアらしく自立心があり、気も強い。
活発で、元気で、ココアの鋭い動きにもついていく。
おおらかで陽気な性質に、タフな肉体。
ココアの弟としては、これ以上ないワンである。
クリオはココアのことが大大大好きで、まさに金魚のフン状態。ココアのすることを何でもそのまま真似している。ココアが水を飲めば自分も水を飲み、外に出れば出て、枝をくわえれば枝を、葉っぱに変えれば葉っぱを、同じようにくわえてご満悦である。ゴハンだってココアのが食べたいし、ココアのお気に入りの場所は、もやはクリオのお気に入りの場所となっている。
ココアもクリオのことが好きみたい。母のように、姉のように、友達のように、何かと気にかけては、世話を焼いている。家の中の誰よりマメで丁寧だ。
思わぬ変化を見せたのは、長女のうらんだ。何だか心が若返っている。
クリオのおもちゃを持ってきては、「遊ぼうよ!」と誘い、私たちをギョッとさせている。
若い生命の存在はスゴイ。
小さいのに、みんなに影響を与えている。
私も少し若返ったかもね。