ゆきのひ
雪の積もった日は、何を置いても朝いちで雪遊びに出かける。というのが、わたしとわんこたちとの約束事であった。そして、その約束を一度もやぶらなかったことを、わたしは今も誇らしく思っている。
雪の朝は独特の音と匂いと空気がある。わんこたちは早くからソワソワウキウキしていて、いつもより早く、いつもより強引にわたしを起こしにくる。
早く早く早く早く早く!
って、出かけるまでずっと急かされるのだけど、その間もずっとはしゃいでいて、その気もちがかわいくて、朝ごはんも食べずに厚着して、長ぐつ履いて出かけるんだなぁ。
新雪を踏むときのうれしそうなこと。あれはなんだろうか?イヌは新雪を踏むと興奮する。まちがいなく。一瞬にしてテンションMAX。走ることでそれを自らさらに盛り上げていき、やがてトランス。
そういうわんこたちの姿を見るのがしあわせで、だから、雪の日の約束は一度もやぶらなかったし、彼らも当然と思っていて遠慮がなかった。なんなら、わたしも雪遊びがしたくて仕方がないくらいに思っていた。
ほらほら!雪だよ!
ゆーこも大好きな雪だよ!
すごいよ!
起きて起きて!
って。そこがまたかわいかった。
ぐるぐる回るな、この話は。
今朝起きたら、ベランダの手すりに少し雪が残っていた。
すぐに消えちゃったけど。
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